2. ビジネス英語力について(その2) 話す能力:話すことはクリエイティブな作業

「話す能力」は「聴く能力」がベースになっています。
赤ちゃんが言葉を話し始める時のことを考えて頂ければ良いのですが、お母さんやお父さんの言うことを真似することから始まりますよね。
 
つまり、「聞いた言葉」を覚えて真似(自分の口で発音する)ということです。
年齢は関係なく、新しい言語(特に会話)を習得する場合はここ(「口真似」というトレーニング)が起点になります。
 
英語の「発音」は「聴力」と同様に基本はフィジカルな能力で、ボキャブラリーは「聴力」のところでも書きましたが記憶力です。
我々は中学生になって、教材の音源やテキストを読む先生の真似をすることで初めて英語を本格的に(外来語などですでに英語らしきものは口にしていますが)発音したわけですが日本語にない発音”v”, ”th”, "f"等は大変で、どうしてもカタカナというかいわゆるジャパニーズイングリッシュになってしまいますよね。
 
一般的に「発音」に関しては英語の授業でテキストを読む時間がリスニングよりは多いと思われるので、「英語に対する聴力」よりはトレーニングされているのですが、発音の矯正はされていないですし、絶対的な時間としては不足していると思います。
 
発音だけでなく、英語の場合特殊な場合を除いて必ず主語を取る(日本語の場合はあいまいな場合が多い)、語順が違うなど日本語との違いに慣れないといけません。
 
また、「話す」ためには自分のボキャブラリーの中から文章を組み立てるというクリエイティブな作業が必要です。
その過程では(頭の中の)日本語→英語への変換という作業が発生します。
 
ビジネスのコミュニケーションの場合、内容が大事ですので難しい言葉を使う必要は余りなく、「立て板に水」というような流暢さは求められませんが、やはりある程度のスピードで話す能力を身につけることは必要です。
 
スピーチなどの場合は別ですが、会話や質疑応答にはリアルタイム性が要求されますので、4つの能力の中で最も高度な技術と能力が必要といえると思います。
 
日本語の場合でも、プレゼンやスピーチで必要性のない難しい言葉を並べても、何人かが話についてこれなくなるだけで誰も感心することはないと思います。
平易な言葉であっても内容がちゃんと伝わるように、簡潔に話すということが大事であって、これはどんな言語でも同じですね。
 
英会話がある程度上達すると(TOEICで700点超えくらい)通訳させられることもでてきます。
自分の話ではなく、人が話した日本語を英語に(英語を日本語に)するのは結構大変です(が、良いトレーニングになります)。
 
まあ、この辺はリスニング能力と同様にトレーニングを継続する中で、OJTで経験を積むことで向上して行きますので、どの様に取り組んだらよいのかは第3章のトレーニングのところで具体的に説明して行きたいと思います。

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