2. ビジネス英語力について(その3) 会話と読解・文章作成において総合的に必要な力

ではこの英会話と読解力・文章作成能力の部分に関しては具体的にはどのくらいの力が必要なのでしょうか。
一般的にはTOEICやTOFLのスコアで測ることが多いですが、実際にはどれくらいのスコアが必要なのでしょうか?
 
TOEICを受験された方はある程度の目安としてスコアとレベルの関係をご存知かと思いますが、まだ受けたことのない方は、皆さんだいたい自分は400点~500点あたりかなという方が多いのではないでしょうか。
 
また、TOEICのテストはいわゆる読解力(リーディング)の部分とリスニングの部分に分かれますが、受験英語で高得点を取れる人は、TOEICの場合でも読解の方で高得点を取り、総合点でも800点以上のスコアをマークすることができます。
一方、会話はトレーニングをしていないためビジネスでは使えないレベルという例を実際に何人か見たことがあります。
 
片方に偏らない様にバランスを考えて力をつけることが大切だと思います。
 
まず目指すのはTOEIC700点+
実際にビジネスで英語を使う相手は必ずしも英語を母国語とするネイティブスピーカーとは限りません。
 
ビジネスにおいて言葉(言語)を用いる目的(一番大切なこと)は「コミュニケーション」なのです。
 
我々が中学と高校で学んだ英語は英文読解と文章作成に特化しているのですが、集団での学習に向いているので、効率的に外国語を身につけるためには適切な方法だと思います。
 
英語のテストで苦労させられた文法も、言葉を体系的に学べる=効率よく身につけることができる便利なものなのです。(あまり成績の良くなかった身の上としては、自分で書いといて「およよ」とは思いますがね。)
最も、(我々日本語ネイティブからすると)英語特有の語順であるとか、時制とか中学で学ぶレベルの基本的なものがしっかり身についていれば、ビジネスに用いる力としては十分だと思います。ボクも「完了形」とかあまり使ったことはないです。
メールでは文章を時系列で区切ればよいですし、プレゼンの資料などで事象の前後関係を明確にしたいときは、図示した方がわかりやすいですしね。
 
一方、会話(聴く、話す)にはフィジカルなトレーニングが必要で、ここが我々日本人に不足しているところなのです。
時間は掛かりますが、覚悟を決めて(習慣にして)個人で取り組むべき課題でしょう。
 
ビジネス上の共通語として英語が一番汎用的、つまり便利な言葉だから使うのであって、あなたが英語でコミュニケーションをとる相手は、会話における発音も聞き取る力も文章の作成能力、読解能力も決してネイティブ並みのパーフェクトな力を持っているわけではないことも多いのです。
であるなら、こちらもそれなりの力、TOEIC言うならば700点以上あれば十分業務で役に立つのです。
 
まず目指すのはそのレベルです。
 
就職や転職時に設定されるランクで言うと、日常会話レベルといわゆるビジネスレベルの中間くらいになるでしょうか。
そこから第二段階としてビジネスレベル(TOEICでは730 ~ 860)まで向上させていくことになります。(ここでは便宜上TOEICの点数=英語力ということで話を進めていますが、色々な項目で点数が平均的に取れていることが前提です。)
 
ビジネスレベルの上はというと、流暢、更に最上級はネイティブというのが通常です。
流石にこの最上級の2つのレベルには一定の期間の英語圏の国での生活経験がないと到達することは難しいでしょうし、そこまで行かなくても、ビジネスレベルに到達すれば業務上のコミュニケーションを取る上では全く問題ありません。

Fig 8) ビジネス英会話力の目安

また、これからビジネス英語力のためのトレーニングや学習を行うにあたって、現時点での自分の「コミュニケーション能力」を確認しておくことをお勧めします。
英語でのコミュニケーションに必要と考える能力を、例えばこのようにスパイダーグラフにしてみて、不足しているところや強化したいところを認識するのです。

Fig 9) 「ビジネス英語におけるコミュニケーション能力」
これはあくまでボクの場合の例なので、項目としては自分で考えて設定すると良いと思います。
左側の項目は「英語」とは直接関係はありませんが、「海外の人とコミュニケーション」するという点においては、自分の長所や特徴を認識しておくと役に立ちます。

次章からはビジネス上のコミュニケーションで実際に行う業務や作業を踏まえて、OJT及び個人のトレーニングとしてどのようなことに取り組んだら効果的にビジネス英語力を高めて行けるかを記していきたいと思います。

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