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自作キーボード「Ergotonic_F24」 ビルドログ

はじめに

この記事は、販売前のβ版に基づく内容となっています。現在BOOTHにて頒布されている製品版と比べ、仕様が若干異なる場合がありますので、ご留意ください。
尚、記載内容はあくまでも、個人の感覚に基づく記載で、特定の意見、感覚を否定するものではありません。

制作者のHanachiさんより頒布前のβ版に関する募集があり、迷わずエントリーさせていただいた。というのも今年の春先ぐらいからだろうか・・・なにやら分離・変形・合体機構を取り入れたキーボードということで、試作機に関するツイートを目にしたことがきっかけでかなり気になっていた。

「ちょっとこれ、激しくかっこいいやつだ・・・!!」


年末あたりからキーボード沼に浅漬け状態だった、私はより一階層、深い沼に引き込まれたのであった・・・(笑)
合体変形機構のロマンもさることながら、もう一つの特徴であるWillow配列という独自配列にかなり興味がわいていた。
配列の縦のライン、横のラインを弓なりにカーブ支えたような見た目で、均一ではない指の長さや、キーを打つ際の指の曲げ伸ばしをフォローする効果を期待しているそうだ。

Willow配列については、こちらのHanachiさんのブログにかなり詳細にまとめられている。
ちょっと変わったキーボードErgotonic49の解説
https://coal.hatenablog.com/entry/2021/11/01/230327

下準備

まずは基板とケースの側面のヤスリがけ&PCB基板とケースの側面を黒く塗る。

Before After

ファームウエアの準備

Ergotonic_F24のファームウエアはREMAP対応しているので、以下の手順でファームウエアの書き込みを行う。

  • REMAPのカタログを開き、FIRMWAREのタブをクリックする

  • USBケーブルでProMicroをPCに接続する

  • ProMicroをリセット(スルーホールでRSTとGNDと書かれた部分をピンセット等でショートさせることでリセットされ、赤いLEDが点灯)する

  • Flashをクリックする

  • ダイアログに「Aruduino Micro ペア設定済」と表示されたらクリック

  • 完了(もう一方のProMicroにも同様の手順で書き込んでおく)

ダイオードのはんだ付け

基板のパッドに予備はんだを盛り、ダイオードの向きに注意しながら表面実装を行う。
尚、Ergotonic_F24のダイオードは基板の中央下あたりに、集中して配置されている。はんだ付けの漏れや、間違いに気づきやすく、組み立てに配慮されていると感じた。

圧倒的に漏れやはんだ不良の確認コストが減ると感じた

LEDのはんだ付け

LEDは基板底面を照らすアンダーグローで、両手合わせて16か所ある。
ビルドガイドを参考にしながら、こちらも向きを間違わないよう注意する。
熱に弱いLEDをはんだ付けするため、温調はんだごてを270度に設定して作業した。

パッドに予備はんだをおこない、素早くはんだづけする
パッド1か所をはんだ付けしたら、次のLEDに移るを繰り返して、全体を4周するようにすると
LEDを熱しすぎることを避けられる

キーソケットのはんだ付け

Ergotonic_F24はホットスワップ(キースイッチソケット)対応のため、組み立て後のキースイッチ着脱が可能である。
48か所※にキーソケットをはんだ付けしていく。
※ロータリーエンコーダーの取り付け予定箇所が決まっていれば、該当箇所にはキーソケット取り付けは不要(取り付けた場合でも、干渉等の問題はないようだ)

TRRSジャック、基板コネクタのはんだ付け

基板裏からTRRSジャックをはんだ付けする。
Ergotonic_F24を分割型として使用する際は、TRRSケーブルを接続する。

おなじく左右の基板を接続するためのパーツとして、基板コネクタを取り付ける。一体型として使用する場合は、基板コネクタで左右を接続する(TRRSケーブルでも可)。 

個人的に当キット最大のヤマ場であると感じた。基板コネクタは端子が細いため、はんだ付けには少しコツがいる。
Hanachi氏のビルドガイドにも、この点は詳細に解説頂いているので、十分に参照されたい。
私が行った手順を書きに記載する

  • コネクタをマスキングテープなどで基板に固定する

  • コネクタ表の足のうち1本を慎重にはんだ付けする(仮止め状態なので、無理に動かさないようにする。)

  • コネクタの基板裏側のスルーホールからはんだを流し込む

  • 残りの足をはんだ付けする

  • 足同士の間隔が狭いため、となりの足へのはんだ流入、ショートに注意

尚、使用した小手先はB型(品番 T18-B)であり、白光の温調はんだごてFX600-02に標準装備のものであった。はんだについてはΦ0.6mmを使用した。

コネクタと左右をつなぐプラグの構造になっている
コネクタはマスキングテープ等で固定してからはんだ付けする
基板コネクタの裏側はスルーホールになっている

PrpMicro(コンスルー)のはんだ付け

Promicroの向きと、Promicroと基板自体をはんだ付けしないよう注意します。

ロータリーエンコダーの取り付け

ロータリーエンコーダー(EC12互換)を取り付け可能。
RE1, RE2, RE3, RE4の表記がある4か所に取り付け可能だったが、手が伸びやすい、内側に配置し、カーソルとBackspaceとDelを割り当てた。

青丸の箇所にも取り付け可能
今回は内側赤丸箇所に取り付けた

いざ導通確認

一体型コネクタと合わせて、TRRSケーブル接続の動作も確認しておく。
LEDの点灯とキーソケット、ロータリーエンコーダーの導通を確認。

導通確認は堕落猫さんの「キースイッチ導通はんこ」を使用、ソケットはんだ付け後であっても楽々と確認が可能である・・・

変形・合体機構の組み立て(お楽しみの・・・)

いよいよ、ErgotonicF24最大の?お楽しみポイントである、変形・合体機構を組み立てていく。
三つのジョイントパーツで構成されており、まずは中央のパーツで左右のジョイントパーツを挟み込むようにして取り付ける。
左右のパーツは、左右のサンドイッチケースに短いスペーサーを取り付けてできた隙間に引っ掛けるようにして取り付ける。
表裏16か所のネジを緩めることで、概ね4つの形態に変形させることができる。
尚、左右分割型へ変形させる場合は、ジョイントパーツと基板コネクタのケーブルを取り外す。

スイッチ・キーキャップの取り付け

ErgotonickF24は個人的にはどこか、armyなイメージだったので、
OEMProfile PBT Doubleshot Keycap - Black Gray(遊舎工房さんにて購入) をチョイス。

スイッチは最近マイブームのDurock製より、Silent Linear Dolphin(こちらも遊舎工房さんで購入)をチョイス。
無駄のないWillow配列とサイレントアーミーなスイッチ周りは今回のビルドのイチオシポイント(笑)。

まとめと使用感(指福なWillow配列!)

どの形体で使っていくか迷ったが、ひとまず一体型モードで若干、ハの字に展開した設定に落ち着いた。
個人的な感想としてはと、にかくWillow配列が新感覚すぎる。
なんというか・・・指に吸い付いてくるという表現がしっくりくるだろうか。
具体的には「これはさすがにミスタッチかな・・・?、横着しちゃったかな・・・?」という感覚なのにちゃんと打てている不思議!
基板の設計面でも、シルクプリントによる表裏のインジケーターや、ダイオードの集合配置など、組み立てやすさへの配慮が随所に!
分割モード、合体モードと変形、Willow配列、とにかくじっくりと使い込んでみたいキーボードに仕上がった。

こんな方におすすめかも
・分割、一体型で迷っている方
・変形合 体にロマンを感じる方 (笑)
・ホームポジションからの移動コストを最小化したい方
・ローターリーエンコーダーのぐりぐりを体感したい方

自慢フォトコーナー

少し逆ハの字に展開
個人的には見た目も使用感も一番しっくりきた
ハの字に展開
まさに翼のようである!
Ergotonic49と同じ形態
左右分割形態
かっこいいー--!
LEDがまた、夜間飛行のような印象を与える

【この記事はErgotonic_F24を使用して書きました】


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