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2017.04.01 夏みかんマーマレード

(材料)
夏みかん
グラニュー糖

ポッカレモン

1.夏みかんはきれいに洗う。外皮の皺にたまってる汚れをとるのに、シュロのタワシがいちばん良い。
2.実と種と薄皮と外皮に分ける。
3.実は適当に切って計量。
4.種はお茶パックに入れる。後で煮るときに出てくると面倒なので、二重にする。
5.薄皮はみじん切りにして計量。
6.外皮を1mm程度の薄切りにして水に浸け、そのまま一晩おく。
7.翌朝、外皮を水から揚げ、さらに流水で洗い、絞って計量。
8.計量したものの合計の50%のグラニュー糖を用意。
9.実、薄皮、外皮、お茶パックに入れた種、グラニュー糖を鍋に入れて、さらに水100ccを加えて火にかける。
10.中火で15分ほど煮たらポッカレモン大さじ2を入れる。種は取り出す。
11.さらに5分ほど煮たら火を止める。
12.瓶詰め、脱気。

実家の夏みかんが毎年大量の実をつけるので、毎年大量にもらってきて毎年大量のマーマレードを作るのが恒例行事。

正直、マーマレードは面倒くさい。

だからなかなか気乗りせず、もらってきた夏みかんを何個かカビさせてようやく重い腰をあげるのも、毎年恒例だ。厚い皮を剥いて薄皮を外すのも面倒だが、何よりあの、外皮をひたすら刻むことを考えただけで、絶望的な気持ちになる。スライサーでシャッシャッとできたら楽かなーとやってみたこともあるが、うまくいかずに結局いつも包丁で刻んでいる。1時間とか、ひたすら刻むことになる。完全に飽きる。

私はここで、刻んだ外皮を水に浸けて、一晩寝かせることにしている。もちろん寝るのは自分である。

さて、こんなに面倒くさいのに、マーマレードは古くから存在し、現代でも大量に作られている。
オレンジマーマレードなんかは常にジャム四天王に名前を連ねている。何故か。

理由は簡単、美味いからである。当たり前である。

当たり前すぎるのでもう少し突っ込んだ議論をしておこう。

まず、前提として、マーマレードはジャムである。ジャムのうちでも、柑橘の外皮を含むものを、特にマーマレードと言う。

ジャムを食べる人の中には、マーマレードは美味しいしあれば食べる(消極主義)から、やっぱりマーマレードでしょ(積極主義)、ジャムはマーマレード以外認めない(原理主義)に至るまで、言わばマーマレードスペクトラムが存在するのだ。さらに、改めて食べるとマーマレードって美味しいという潜在的マーマレードクラスタも存在する。

これは、過去に私がマーマレードを作って知人に配った際の実感に基づいているので間違いない。
ジャムを食べる人の4人に3人はマーマレードスペクトラムのどこかに該当するし、マーマレードクラスタがどれだけの範囲に及ぶかは正直不明だが、おそらくは9割以上が潜在的にはマーマレード好きである。

つまり、マーマレード美味しいよねって、わりとみんな思ってるのだ。需要があれば自ずと供給があるのが市場原理である。だから、マーマレードは面倒くさくても誰かが作る。

一方で、作る方にも作りたい理由がある。材料が安く、かつ供給が比較的安定している。つまりリスクが低いので、多少手間がかかっても作る方向にインセンティブが働く。考えてみれば、夏みかんにしろ柚子にしろ、日本中の庭という庭で勝手に実っている。私の実家も無肥無農薬である。イタリアではシチリア産のブラッドオレンジを大量に投げ合う祭もあるらしい。少なくとも希少な果実とは言い難い。つまり、種類にもよるだろうが、基本的に柑橘は生命力が強く、気候が合えば栽培が容易なのではないか。

もちろん、世界中の農家では美味しい果実を作るための様々な努力がされていることと察する。ただ、人類との歴史的な関係としては、作りやすいからたくさん作った、という側面がありそうだ。

結論:やっぱりめんどくさい

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