正論とは失敗である

正しいことに価値はない。
これは私が生きてきた中で感じたことだ。

しかし気づけば私はよく正論を吐いている。
そして誰かを追い詰めている。

誰が見ても正しいことは実際のところただの暴力でしかないのだ。
私は間違えた誰かにこんな言葉を投げ掛けたい訳じゃない。

貴方は間違っていると突きつけることと口汚く罵ることになんの違いがあるのだろうか。

私の吐いた正しさを貴方はいつも黙って受け入れる。
その度に私の心は痛むのだ。
殴っているのは私で、痛がっているのも私。
そんな私の姿を見て安心する。
そんな貴方の生き方が堪らなく苦しくて。

私は現実から少しだけ目を背ける。

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