12/7
21:43
スマートフォンで時間を確認し塾を出た。
薄暗い小さな商店会を抜けた自転車が狭く急な坂を駆け上がる。
登りきったあと、緩やか下り坂が続いていく。
空には無数の星が輝いて冷たい空気が心地良い。
僕はこの時期のこの時間が大好きだった。
無人の工場や資材置き場の横を抜けて、雑木林の影の音を聴いた。
人の姿を見ることは殆どない。
たまにライトも点いていないパトカーが話し掛けてくるくらいだ。
暗闇を走るパトカーは不快だが仕方ない。彼らの仕事だから。
お疲れ様です。軽く会釈をするとパトカーは去っていった。
さて、もうひと踏ん張り。
家まで続く大きな坂を登っていく。
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