ピクトブランドの思い出

ご存知でしょうかPictBland、通称ピクブラと呼ばれることが多いです。以下通称で表記します。

私はピクブラユーザーの一人です。ボーイズラブの作品を閲覧したり、作ったりするのが趣味です。

ピクブラの歴史を覚えている限りまとめてみたいと思いたちました。

ただ、歴史といっても変遷の多いSNSだったので、今回はユーザー目線で特に記憶に残っている事柄が主になります。

ピクブラの規約は「コンテンツを外部に持ち出すこと」を禁止しているので以下の記述の多くは「私の記憶」頼りの拙いものということになってしまいます。なるべく当時の記述を調べながら書いていますが、確信がない部分は太線にします。どなたかコメントで補足、間違いの指摘などしていただけたら幸いです。

こまかいところはぼかします。

ピクブラの特性

特性①ピクブラはいわゆる「検索避け」されたサイトで、検索エンジンにコンテンツが乗らないというのが大きなセールスポイントです。基本的には会員のみが作品にを閲覧することができます。(一部設定を変更することで非会員が閲覧できるようにする機能もあります)

特性②ピクブラのメインコンテンツはユーザーが投稿した作品です。また、匿名もしくは記名でレスポンスできるスレッドが存在します。スレッドは誰でも建てることができて、レス数に制限はありません。それぞれのスレはテーマにそった会話をするというルールが主流で、雑談のスレッドが人気です。
※2019/10/07 2016年3月、「ミニブログ機能がほしい」「レスの表示を発言昇順にできるようにしてほしい」という要望が合体した「ピクログ」機能が追加されました。それにともない既存のスレッドは「交流メインの場所」、ピクログは「主個人の発言がメインの場所」として区切りが明示され、「個人スレ」を使用していたユーザーへは「ピクログ」への移行が促されました(期間限定で、内容を全部引っ越せる機能があった)。

特性③タグを参照して作品やスレッドをまとめて除外する機能(ツイッターでいうところのワードミュート)、個人やスレッドを指定して除外できる機能など(ツイッターでいうところのブロック)、「なるべく気に入らないものを目に入れないようにする」ための機能が豊富です。なので、検索避けマナーの伏字当て字の文化とは真逆の「正式名称タグ付けの徹底」が良マナーとされ、運営からも推奨されています。
※2019/10/08 運営から推奨されているのは「正確な」タグつけです!上記の書き方は間違いです、すみません。

特性④運営はよくユーザーに意見を募りますが、それだけでなくユーザー同士がほしい機能の意見交換をする公式なスレッドが存在します。賛成・反対・どちらでもないという立場を表明する機能があります。

以上4点が大きな特性です。なお、私が今の段階でこのnoteを書く上で参考にしているのは特性②のスレッドと運営のお知らせです。

ピクブラの歴史

ユーザーをからめたピクブラの歴史はスレッドを抜きに語ることはできません。

歴史①サービス開始当時、ピクブラは「ripplex」という名前でしたが、どこかの商標とかぶってしまっていたらしく早々に名前が「PictBland」に変わりました。理由は覚えていないのですが、当時の運営の対応がすごく叩かれていました。

歴史②歴史①のすぐあと、作品投稿規約が「HL・GL作品投稿不可(女体化除く)」に変更になります。一番はじめは「腐女子であれば投稿作品のジャンル問わず」みたいな感じだったのですが、ユーザー側から「BLだけ見たい」という意見が持ち上がり、それを運営が汲んだ結果の規約変更というふうに記憶しています。ユーザー全員賛成というわけではありませんでした。

歴史③特性④に述べたような「意見交換スレ」の前身となるスレッドが運営によって建てられます。その後専用の場「機能要望スレッド」が設けられて様々な事柄に関する意見交換が行われるようになります。かなり多種多様な要望が「匿名」で発言されていました。

歴史④「書き捨てスレ」というものが匿名レスのスレッドとして立ち上がりました。当初は愚痴のような内容が書かれていましたが、「レスに話しかけること(絡み)は禁止」のルールのためか内容はどんどんと過激になり、末期にはいわゆるウォッチング行為が行われていました。現在は削除されているため、事実確認が困難です。そのすぐ後「愚痴スレ」というスレッドが立ち上がりましたが、過激行為はNGとなっており、今日まで続く古参スレとなりました。

歴史⑤ピクブラがBL専用となったことによりあぶれたGLとHLを受け入れる「PictGland」「PictMalfem」が姉妹サイトとして立ち上がりました。設立にあたって運営はピクブラユーザーに意見を求めていましたが、意見募集終了までそこそこ議論が白熱していました。「サイトを立ち上げるのはいいけど2つも増やしてピクブラの運営がおろそかになるのではないか?」という意見が結構多かったです。※ちなみにこの時だけでなく、ちょっとした機能要望でもよく見かけた意見でした。

歴史⑥歴史③の「機能要望スレッド」が、匿名から記名へ変更となりました。当時アカウントを変えて賛成反対の印象操作を行う人物が存在するらしいといわれていて、関連しているかは不明ですが匿名時代は対立意見で激しいコメントのやり取りになりやすい傾向にあったので、個人的には妥当な処置だったと思います。

歴史⑦「生・半生のタグをつけない作品が多くて除外できない」という愚痴がよく散見されました。「タグの不徹底に対する不満」は初期からずっと言われていたことではありましたが、このころ特にヘイトを集めた出来事があり、特定のジャンルにたいして「あのジャンルはなにかと理由をつけてタグをつけない」といったような不満がスレッドで多く見かけられました。なぜそのような不満が多く表出したのか、なにが問題視されていたのか、ちょっと長くなるので別項目で補足します。

歴史⑧検索避けのおまじないとして「R-18」タグを使用しないようガイドラインが改定されました。一発で垢BAN作品削除というようなきつい禁止ではありませんが、確認でき次第変更を求める旨が記載されています。また、おそらくこの時点からだと思われますが、「タグで注意喚起」をしないように補足説明が付けられています。「タグで注意喚起」についても歴史⑦と合わせて補足します。

歴史⑨新機能として「ピックアップ」という場所がもうけられました。この場所に表示される作品は「全体公開」であることが条件です。ピックアップ以外に新着作品を時系列に表示する場所もありましたが、その上でこの機能は設けられています。別項目で補足説明をします。

おおまかな歴史は以上になります。

歴史⑦~⑨の補足

なるべく短くまとめます。⑦~⑨の根底にあるのは主に原住民と移住者の意見対立です。

・たびたびピクブラへの住民大移動がおこり、そのたびPIXIVやツイッター利用時と同じような「検索避けマナー」に基づく「伏字」「タグなし」の作品が新着に大量にでてきていた。特にナマ・半ナマのジャンルの移動時は「限定公開」作品が多く、「新着はシャッター街(限定公開作品は灰色のサムネになるため)」などと揶揄されていた。もともと新着の流れが速い場所ではないので、多くの移住者によるお引越し投稿を押し流す力がなかった。
※2019/10/07追記 「タグの不徹底」はナマ・半ナマジャンルだけではなく「大移動」時の移住者に顕著な特徴だった。前述の通り「限定公開作品の灰色サムネ」が目立ってしまった結果、当該ジャンルが特に言及されることになった。

・ジャンルの当事者でも部外者でも、正式名称のタグ付けをするよう直接注意をするものがいたが、「タグで注意喚起(設定で許可されていれば匿名で編集できる)」という手段がとられることがあり、その行為自体を嫌がる移住者もいた。この行為は歴史⑧でも述べた通り、運営よりやめるようアナウンスがされている。また、「ナマ・半ナマのジャンル特性として検索避けされていたとしても正式名称をタグにつけることをするのはリスクが高いため受け入れられない」という見解のものが少なくなく、「正式名称タグ徹底が良マナー」とする原住民と完全に対立する形となってしてしまった。特に「見たくないものを除外ができるときいてきたのにタグがついていないのでは除外ができない」という不満意見が大きかった。

・ピクブラ内のマナーとジャンルマナーがかみ合わなかった結果、「作品ではなく、ナマ・半ナマ作品(タグ不徹底の割合が多いジャンル)というくくりで除外したい」という要望が雑談スレ愚痴スレで多くレスされるようになった。(匿名スレのため実数や割合は不明)

・歴史⑦の時点では、特に民族移動時のタグ不徹底に対するバッシングが強く、特定の作品名指しでスレッドの話題に上ることがあった。タグ付けの明確な基準が難しい作品であり適切なタグ付けを模索する向きもあったが、ある時「原作作品の媒体によるタグ付けは不適切である」という発言がスレッドでなされ、以降二次創作作品にたいして「原作の媒体のタグをつける」という行為がなされていた時期があった。例えば漫画原作の作品の二次創作にたいして無差別に「漫画」というタグがつけられ、それは投稿作品が小説であってもつけられていた。(現在ではこの行為はみられない)

・「ピックアップ」で全体公開作品のみを一括表示する機能を付けたのは結局2019年1月のことだった。今は歴史⑦時点のような大きな反発はないが、「(主にナマ・半ナマを指した)タグ不徹底にたいする不満意見」はいまだなくなることがない。

補足がとても長くなりましたが、ピクブラという特殊空間で起きた対立構造を説明するのにうまく言葉が思いつかなかったためです。

最後に

ほかにもいろいろなことがあったとは思います。

もともと独自の文化を醸成しやすいオタクや腐女子といわれるくくりの人たちのなかでも、ちょっと変化球の歴史を歩んだコロニーだと思います。体質的にはSNS発達前の、いわゆる「毒舌ネットマナー」の肌感覚が残っている人も多いのではないでしょうか。

何かを悪い、良いという判断をこのnoteで表現したいわけではなく、「こういうことがあったね」という昔話の感覚で書きました。

スレッドが無制限に残っているとはいえ、書いておかないと記憶がなくなってしまいそうだったので。

冒頭でも述べましたがご指摘あればコメントください。私の能力で解決できることは対応します。