竹田憲一

竹田憲一

最近の記事

「NGOの文章術」第2回

知ってか知らずか 第2回は、この連載を思い立ったきっかけを含め、日本語を書く上での初歩的なルールに関わる問題点を2つ取り上げます。 改段落の扱い 近年の横書きウェブ書式では、現代の英語書式を真似て、段落冒頭の1字下げをしないことがほとんどです。これは変化する日本語の一端で、筆者も取り入れています。ところが、この書式で段落を改める場合、1行アキを取らずに次の段落を続ける例を数多く目にします。これには強烈な違和感があり、部内では厳禁としています。その理由は実際の文例を示すと一

    • 「NGOの文章術」第1回

      言葉の森を守る abtの代表理事を務める筆者は、作家・翻訳家として50年以上のキャリアで80冊あまりの著訳書を世に送り出すかたわら、環境・平和・人権などをテーマとする国内外の市民運動にも数多く関わってきました。2005年末、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの事務局長に就任する際、ある文芸雑誌のインタビューに「市民活動のチラシや声明、報告書、場合によっては内部文書まで、人を動かし社会に影響を与えるという意味で“文学”だと思う」と答えたことがあります。いまでもその気持ちは変

    「NGOの文章術」第2回