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第4話「 ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?」
「ただいま〜。」
家に着くなりソファに寝っ転がった 町中で ウ ン チ ー コ ン グ について聞いて回ったし、お巡りさんに捕まりかけるし、色々あって疲れが溜まってしまったのだろう
「あら、おかえりなさい。ソファで寝てないで早くお風呂に入っちゃいなさい。」
そう母に言われ、素直に風呂に入ってサッパリすることにした
「あれ?あんたちょっと日焼けしたんじゃない?あと腕の毛とか少し濃くなったわね。」 「え〜、そうかな?」
確かに色白だった肌の色が少し橙色みがかっているかもしれない それに関しては一日外にいたから、体毛に関しては子供から大人に成長してる証だと思おう
湯船に浸かっていると色々な考えがまとまるような気がする さて、次は誰に聞こうか クラスメイト、先生、町の人、お巡りさんと聞いて誰も知らなかったのだからやはり遠出するしかないのだろうか 明日は土曜日だし、電車に乗って ウ ン チ ー コ ン グ を調べに行こう とりあえず風呂からあがることにした
部屋で着替えたら母が夕食の準備をしていた 今日はカレーだ 父さんも帰ってきてから、いただきますをした
夕食を食べているとふとある考えが思い浮かんだそういえばこの町の人間でまだ聞いてない人がいた
両親だ
僕は父さんと母さんに育てられた そして色々なことを教えてもらった 父さんと母さんなら何か知っているはずだ 思い切って聞いてみた
「父さん、母さん、
ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?」
温かい家族団欒の空間が冷たくなるのを感じた
「おい、食事中だぞ。何バカなこと言ってるんだ。」 「そうよ、しかもカレーを食べてる時にウンチだなんて」 「違うよ、ウンチじゃなくて ウ ン チ ー コ ン グ だってば。」 「そんなことクソみたいなこと言ってるやつはうちの子供じゃない!出ていきなさい!」
家から追い出されてしまった 両親だけは信じてたのに、悲しくなった しかし、こんなことで挫ける訳にはいかない どのみち明日から ウ ン チ ー コ ン グ を探す旅に出るんだ 少しくらい出発が早まったってどうでもいいさ 自分の財布は持ったから今夜中に電車に乗って遠くの街は行くことにしよう
第4話「 ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?」-完-