第5話「 ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?」
駅に着いた俺はひとまず東京方面へと向かうことにした 幸い、うちの最寄り駅から都心まではそうそう離れていない 30分もあれば到着するだろう 問題はどこで降りるかだ どこが1番情報を得られる可能性が高いのだろう 学生の街"高田馬場"、流行最先端の街"原宿"、オタクの街"秋葉原"、大人の街"六本木" 都心にも様々な街が存在する とりあえず近くて栄えてる池袋で降りた
「 ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?」
初めからアクセル全開だ ここまでくると羞恥心なんてものはない せっかく電車賃払ってここまで来たんだ 収穫なしで帰る訳にはいかない
1時間ほど道行く人々に聞いたところで、少し休憩することにした 駅前のベンチに座っていると何やら怪しげな格好をしたオッサンに声をかけられた
「Hey!You! さっきから見ていたが、君、なかなかクレイジーだね!」 「はぁ...」 突然話しかけられたためか気の抜けた返事をしてしまった 「名前も分からん人に話しかけていくその勇気!恥ずかしげもなく次々に当たっていくその精神!君、なかなか大物だNE!」 「あぁ...ありがとうございます...」 自分から知らない人に話しかけにいくのはここ最近で慣れたが、知らない人に話しかけられるのは慣れてないんだと実感した
「そこでDA!君のそのSOULを僕に貸してくれないかNA!」 「えっと、どういうことですか?」 「いいからついてきNA!」
俺は迷った 慣れない都会で知らない人について行くのは非常に危険だろう しかしここでこのままいても ウ ン チ ー コ ン グ の手がかりは掴めないだろう ここは賭けに出よう 虎穴に入らずんば虎児を得ずだ リスクなしに意味を知れるほど ウ ン チ ー コ ン グ は安くないのだろう
オッサンに連れられて歩くこと10分... そこにあったのは...
第5話「 ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる」-完-