【シノビガミ】インタープリテーション【シナリオ】

シナリオスペック
レギュレーション:現代編
タイプ:対立型
リミット:3
プレイヤー人数:4人

はじめに

 このシナリオは、最後の一撃、遺言、【天魔覆滅の法】が禁止です。その他、死亡する可能性がある行為は全て禁止です。

舞台

 大富豪の尊富(とうとみ)家の屋敷が舞台です。「館シーン表」を使います。気分で「トラブルシーン表」を使っても良いかもしれません。

導入フェイズ

1. あらすじ
 最初に以下のあらすじを読み上げます。

 尊珠(とうとみたま)。神器の欠片の一つとされる詳細不明の宝玉である。現在は尊富(とうとみ)家が保有しており、尊富家の屋敷のどこかに隠されているという。君たちはそれぞれの思惑で尊珠を欲している。
 君たちは首尾よく屋敷へ侵入できたものの、屋敷のもたらす何らかの効果を受けてしまった……。

 続いて、以下の特別ルールを説明してください。

2. 特別ルール
 各PLが用意したPCを下記の通り交換します。キャラクターシートを交換してください。渡されたキャラクターシートの奥義や忍具も当然閲覧可能で、使用可能です。

・PL1 → PL4のPCをPC1として使用する
・PL2 → PL3のPCをPC2として使用する
・PL3 → PL2のPCをPC3として使用する
・PL4 → PL1のPCをPC4として使用する

 交換するのはPCだけです。ハンドアウトはPCではなくPLに紐付くので注意してください。つまり、PLの立場からすると「PCが入れ替わってしまった」という認識ですが、PCの立場からすると「【使命】と【秘密】が他のPCと入れ替わってしまった」という認識になります。ただ、セッション開始時点ではPCはそもそも何が起きているか認識できていないはずです。

GMへ:この特別ルールはオリジナルのエニグマ「超精神置換の法」の効果によるものです。入れ替え方は予め決まっていますが、PLへの説明の際はランダムに入れ替えたという体で話しましょう。

 交換後のPCのキャラクター性を把握させるため、特別ルールの説明後に5分ほど時間を取ると良いでしょう。

3. 自己紹介
 特別ルールの説明が終わったら、PLにハンドアウトを配ります。そして、PC番号の若い方から順に自己紹介と【使命】の公開をしてもらいます。

4. その他のハンドアウト公開
 自己紹介が終わったら、「エニグマ:トラップ1」、「エニグマ:トラップ2」、「尊珠(とうとみたま)」のハンドアウトを公開します。

 導入フェイズの1〜4が完了したらメインフェイズを開始してください。本シナリオは特にマスターシーンはありません。

クライマックスフェイズ

 PCたちは尊珠が隠されていると思しき隠し部屋にたどり着きました。しかし、自分以外に尊珠を狙う者が3人。内何人かは味方のはずですが、ここは戦うしかありません。戦闘開始です。戦場は平地です。

 戦闘終了条件は、全員の戦闘続行の意思がなくなることです。2人以上残っている状態でも戦闘終了になりますが、尊珠を入手できるのは一人だけです。味方同士の2人が生き残った場合は、誰が尊珠を入手するのか、話し合い・じゃんけん・サイコロ・戦闘続行などで決定してください。リアル取っ組み合いはダメです。

功績点について

 「流儀の達成」、「ロールプレイ」、「琴線に触れた」に関しては、「超精神置換の法」が解除される前のロールプレイに基づいて功績点を計上してください。例えば、PL1のPCの「流儀の達成」と「ロールプレイ」はPL4が判断します。また、PL4によるPL1のPCのロールプレイがPL1の琴線に触れた場合、PL1自身が自分のPCに「琴線に触れた」の功績点を与えることができます。

ハンドアウト

PC1

【使命】
 あなたは政府機関のエージェントである。あなたは機関から尊珠の奪取を命じられた。あなたの【使命】は尊珠を入手することである。

【秘密】
 あなたは協力者と共にこの屋敷へ侵入したが、屋敷のもたらす何らかの効果により協力者が誰かわからなくなってしまった。地道にPCの【秘密】を探るしかなさそうだ。
 あなたの【本当の使命】は、尊珠を手に入れることである。協力者が尊珠を入手した場合も【使命】達成とする。

【PLへ】
 以降の文章はPCのハンドアウトではなくPLへの指示である。この文章は情報判定の対象にならない。導入フェイズおよびメインフェイズ中、他のPLによるあなたのキャラクターのロールプレイが解釈違いだと感じる度に、GMにこっそり報告すること。導入フェイズは1シーンとして扱う。報告は1シーンにつき1回までとする。

PC2

【使命】
 あなたは尊富家の執事である。あなたは主人とその財産を守るためなら手段を選ばない。あなたの【使命】は尊珠を守り抜くことである。

【秘密】
 実はあなたは怪盗〇〇(好きな名前を入れよう)である。相棒と共にこの屋敷へ侵入したが、屋敷のもたらす何らかの効果により相棒が誰かわからなくなってしまった。地道にPCの【秘密】を探るしかなさそうだ。
 あなたの【本当の使命】は、尊珠を手に入れることである。相棒が尊珠を入手した場合も【使命】達成とする。

【PLへ】
 以降の文章はPCのハンドアウトではなくPLへの指示である。この文章は情報判定の対象にならない。導入フェイズおよびメインフェイズ中、他のPLによるあなたのキャラクターのロールプレイが解釈違いだと感じる度に、GMにこっそり報告すること。導入フェイズは1シーンとして扱う。報告は1シーンにつき1回までとする。

PC3

【使命】
 あなたは尊富家に日用品や食料品を卸している業者である。あなたは今週分の食料品を届けに来たところ台所に閉じ込められてしまった。あなたの【使命】は屋敷から脱出することである。

【秘密】
 実はあなたは怪盗〇〇の相棒である。〇〇の部分は怪盗〇〇の気分で頻繁に変わるのであまり気にしないことしている。怪盗〇〇の手引をするために屋敷に侵入したは良いものの、屋敷のもたらす何らかの効果により怪盗〇〇が誰かわからなくなってしまった。地道にPCの【秘密】を探るしかなさそうだ。
 あなたの【本当の使命】は、怪盗〇〇の【使命】を達成させることである。

【PLへ】
 以降の文章はPCのハンドアウトではなくPLへの指示である。この文章は情報判定の対象にならない。導入フェイズおよびメインフェイズ中、他のPLによるあなたのキャラクターのロールプレイが解釈違いだと感じる度に、GMにこっそり報告すること。導入フェイズは1シーンとして扱う。報告は1シーンにつき1回までとする。

PC4

【使命】
 あなたは尊富家にやっかいになっている書生である。あなたは尊珠を見たいがためにこの屋敷に住み込んでいる。あなたの【使命】は尊珠を見ることである。

【秘密】
 実はあなたは政府機関のエージェント……に私的に雇われたフリーの傭兵である。エージェントは尊珠が欲しいらしい。あなたにとって宝玉にはなんの価値もないが、エージェントから提示された報酬はなかなかの額だったのでしっかり働こうと思っている。だが、屋敷のもたらす何らかの効果によりエージェントが誰かわからなくなってしまった。地道にPCの【秘密】を探るしかなさそうだ。
 あなたの【本当の使命】は、エージェントの【使命】を達成させることである。

【PLへ】
 以降の文章はPCのハンドアウトではなくPLへの指示である。この文章は情報判定の対象にならない。導入フェイズおよびメインフェイズ中、他のPLによるあなたのキャラクターのロールプレイが解釈違いだと感じる度に、GMにこっそり報告すること。導入フェイズは1シーンとして扱う。報告は1シーンにつき1回までとする。

エニグマ:トラップ1

【偽装】
 自分が自分ではないようだ。
【戦力】
戦力名:
超精神置換の法(オリジナルのエニグマ)
解除:念度4の儀式忍法として扱う。クライマックスフェイズの戦闘シーン中は、この儀式忍法へ攻撃可能である。
効果:セッションに参加しているPLとPCの対応関係がシャッフルされる。功績点はPLではなくPCに与えられるものであるという点に留意しておこう。

エニグマ:トラップ2

【偽装】
 何者かに監視されている。
【戦力】
戦力名:
創造主が見てる(オリジナルのエニグマ)
解除:解除不能
効果:戦力名で察して欲しい。効果はクライマックスフェイズ開始時に発動する。
効果(発動時に公開):PLからGMに対して「ロールプレイの解釈違い」の報告があったPCに対し、クライマックスフェイズ開始時に「報告数」点だけ生命力を減少させる効果を与える。ただし、この効果によって生命力が1点以下になることはない。減少する生命力はそのPCを使用しているPLが決められる。
 例えば、PL4がPL1のキャラクターを使用しているとき、PL1からGMに対して「PL4のロールプレイは解釈違いである」と4回報告があった場合、クライマックスフェイズ開始時にPL1のキャラクターの生命力が4点減少する。

プライズ:尊珠

【概要】
 尊い。

【秘密】
 そうでもない。貴重そうに見えて実はそうでもない「無」な物品を集めるのが尊富氏の趣味である。尊富氏は、「無」の最たるものである「人間性」に対しても並々ならぬ興味を持つ。(あくまで尊富氏の価値観)
 この【秘密】を持つキャラクターは、クライマックスフェイズで勝利したとき尊珠を入手できる。

あとがき

 弊卓でかねてから「他のPLのPCのロールプレイしてみたいね」という話が出たり出てなかったりしていたので本シナリオを作りました。本シナリオの肝は、解釈違いのダメ出しをすればするほど戦略的には不利になっていくというジレンマです。

 死亡禁止のレギュレーションにしたのは、他人のPCを勝手に殺してしまうリスクを無くす為です。PCが入れ替わっている間に自分に攻撃すれば他人のPCを殺せてしまいますからね。

 ちなみに弊卓ではみんな観察力とロールプレイ力が高かったので、解釈違い報告は2件しか出ませんでした。

 「超精神置換の法」の「超」は「メタ」の意味です。PCにとってのメタ精神たるPLが置換されてしまったという訳ですね。ただし、メタ故にPCからは何が置換されたのか知覚できません。PC視点では【使命】と【秘密】、すなわち記憶や自己認識的なものがシャッフルされてしまったという理解になります。

 なお、「超精神置換の法」を仕掛けたのは尊富氏ですが、彼は第四の壁を突破している訳ではありません。彼としてはPCたちの記憶や自己認識をシャッフルしただけのつもりです。偶然の噛合によりたまたまメタレベルに影響を及ぼしてしまっただけです。

以上

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