【シノビガミ】御斎の三忍者【シナリオ】

シナリオスペック
レギュレーション:現代編
タイプ:特殊型
リミット:3
プレイヤー人数:4人
その他:中忍頭以上推奨

特別ルールについて

 本シナリオは、忍者になったばかりのPC1を、他のPCが各々の目的で育成する内容となっています。そのため、「稽古判定」と「PC1の特殊な扱い」という特別ルールが存在します。シナリオの概要と特別ルールは、セッション開始前にプレイヤーに説明しておくとよいでしょう。

特別ルール:稽古判定

・シーンプレイヤーは、PC1を強制的にシーンに登場させることができる。以降の記述はPC1がシーンに登場していることが前提である。
・シーンプレイヤーは、PC1が未修得、かつ、自分が修得済みの特技を1個選択し、その特技で補助判定を行える。これを稽古判定と呼ぶ。
・稽古判定に成功すると、「稽古判定に使用した特技」と「自分が修得済みの任意の忍法1個」を、PC1に修得させられる。
・稽古判定で修得させる忍法は、他のPCに対して非公開とする。
・稽古判定では、階級制限と流派を無視して忍法を修得させることができる。ただし、修得済みの忍法と同名の忍法は修得させられない(【頑健】などの「※」付き忍法は可)。
・PC1は、特技は6個まで、忍法は6個まで修得できる。
・PC1が既に上限まで特技や忍法を修得済みの状態で稽古判定に成功した場合、修得済みの特技や忍法(初期習得の【接近戦攻撃】を含む)をランダムに1個選んで未修得にさせた上で、新たな特技や忍法を修得させる。「PC1の能力」の【秘密】を獲得している場合は、未修得にさせる特技や忍法を選択することができる。
・忍法の修得数が増えるような効果をPC1が受けた場合は、PC1が修得できる忍法の上限数が増える。(例:PC1に【教導】を行使する、PC1が効果「業物」のプライズを獲得する、etc)

特別ルール:PC1の特殊な扱い

・PC1は下忍頭を新規作成すること。
・PC1の作成時には初期修得の【接近戦攻撃】以外には、忍法を修得できない。
・PC1のハンドアウトは私立御斎学園の学生だが、処理上はどの流派にも所属していないものとする。
・PC1のハンドアウトは私立御斎学園の学生だが、得意分野は修得した特技が最も多い分野とする。
・PC1が修得している忍法は、他のPCに対して非公開である。
・「PC1の能力」の秘密を獲得していれば、PC1が修得済みの忍法を全て閲覧できる。
・PC1の修得済みの特技が最も多い分野がPC1の得意分野となり、その両端のギャップが埋まる。
・特技数が最大の分野が複数ある場合は、PC1が得意分野を決定できる。
・クライマックスフェイズ終了時に、PC1の六代流派が得意分野に対応したものになる。下位流派に入るか否かはPC1が好きに決めて良い。

導入

暴走
 神奈川県某所でシノビの力に目覚めた若者が暴走し、一時は半径3km圏内が崩壊の危機に陥りました。しかし偶々居合わせた忍者(PC2)が事態を収拾し、発端となった若者(PC1)を私立御斎学園に匿ったのでした。

初登校
 暴走事件の数日後。PC1の私立御斎学園への登校初日です。右も左もわからぬPC1に、PC2〜PC4が思い思いに絡んできます。ここで、全員が自己紹介と【使命】公開をして下さい。

マスターシーン

 メインフェイズ3サイクル目の最後に行います。これまで別々のタイミングにPC1に稽古をつけていたPC2〜PC4ですが、とうとうバッティングしてしまいました。最後にPC1に稽古をつけるのは誰なのか、戦闘で決着を付けることになります。
 PC1への稽古判定を望むPCは戦闘に参加することができます。一人しか戦闘に参加しない場合は、そのPCが自動的に勝者となります。戦闘に勝利すれば、通常の戦果に加え、PC1に稽古判定を1回行えます。

クライマックスフェイズ

 楽しい(?)学園生活も長くは続きません。PC2〜PC4は本来の使命を全うしなくてはならないのです。それがPC1の為にならないとしても。全員参加で戦闘開始です。
 戦闘終了条件は、全員の戦闘続行の意志がなくなることです。

PC2の功績点について

 PC2の【秘密】の末尾には「最後に、あなたは教育者であるということを努努忘れぬよう。」とありますが、教育者としてPC1の味方に付くと使命達成が不可能になります。しかし、忍務をかなぐり捨てて教育者の立場を全うした場合は、PC2に隠し功績点として2点を進呈して下さい。

ハンドアウト

PC1

PC1【使命】
 あなたはシノビの力に目覚めたばかりの忍者である。力の扱い方が分からず町を滅ぼしそうになったが、PC2に助けられ、PC2の紹介で私立御斎学園に転入することになった。今日は登校初日である。PC2の恩に報いるためにも力の正しい使い方をしっかり学ぼう。あなたの【使命】は勉学に励むことである。

PC1【秘密】
 具体的な【使命】達成条件は「特技を6個以上、忍法を5個以上修得すること」と「身の振り方を決めること」である。
 町を滅ぼしかけた事件はPC2から伝え聞いたことであり、あなた自身は事件とそれ以前の記憶が一切ない。あなた自身よりもあなたの周囲の存在の方があなたに詳しいかもしれない。

PC1【追加の秘密】
 この【秘密】をPC1は知らない。PC1以外のキャラクターがPC1に対する情報判定に成功したとき、この【秘密】も獲得する。この【秘密】をPC1に共有することは可能である。
 PC1が邪道な力の使い方を会得している場合、クライマックスフェイズ開始時にPC1の力が暴走する。力が暴走した場合、PC1は以下の能力を獲得し、【本当の使命】が「全ての命を喰らうこと」になる。
・生命力が15になり、エネミーと同じ扱いになる。
・これまでに稽古判定で修得した特技と忍法を全て使用できる。
・奥義は使えない。

PC2

PC2【使命】
 あなたは私立御斎学園の教師である。科目はプレイヤー2が自分で決めること。あなたはPC1の暴走現場に偶々居合わせていた。あなたは教育者であるという責任感から事態の収束に尽力し、収束後はPC1を私立御斎学園へ迅速に転入させた。あなたの【使命】は、PC1に正しい力の使い方を会得させることである。

PC2【秘密】
 あなたはとある忍務で禍魂の欠片を追っていた。紆余曲折あって禍魂の欠片までたどり着いたものの、禍魂の欠片は暴走しており、制御のためにPC1に禍魂の欠片を埋め込むことになってしまった。
 あなたの【本当の使命】は、PC1から禍魂の欠片を回収することである。禍魂の欠片はPC1の体内の奥底に眠っている。従って、PC1を殺害するか、PC1が暴走し禍魂の欠片が表出している状態で倒さなければ、禍魂の欠片を回収することはできない。あなたはPC1にとどめを刺した時に、PC1を殺害することを選択できる。
 最後に、あなたは教育者であるということを努努忘れぬよう。

PC3

PC3【使命】
 あなたは私立御斎学園に通う生徒であり、学級委員を務めている。PC1があなたのクラスに転入してきたので、あなたは学級委員として、そして忍者の先輩として、PC1の世話役を買って出たのである。あなたの【使命】は、PC1が学園生活に馴染む手助けをすることである。

PC3【秘密】
 実はあなたはテロリストである。あなたが所属するテロ組織の思想・規模・構成・名前は自由に決めて良い。あなたはテロ組織を増強する忍務を負っている。忍務の過程でPC1が町一つ滅ぼせるポテンシャルを秘めていることを知ったのだ。
 あなたの【本当の使命】は、PC1の能力を解放し自分の組織のために使役することである。具体的には、クライマックスフェイズの戦闘において、PC1の能力が暴走した状態で、PC1とPC3以外のPCが脱落し、PC1が戦闘続行の意志を示さなければ、【使命】達成となる。
 あなたはセッション開始時に任意の外道忍法を3個選択できる。選択した外道忍法を稽古判定によってPC1に修得させることができる。クライマックスフェイズ開始時に、PC1が1個以上の外道忍法を修得している場合、PC1の力が暴走する。

PC4

PC4【使命】
 あなたは私立御斎学園に通う生徒であり、いわゆる不良のレッテルを貼られている。PC2の肝入りで転入してきたPC1のことを、あなたは快く思っていない。あなたの【使命】は、PC1に“教育”を施すことである。

PC4【秘密】
 あなたは先日の神奈川県大和市における忍務にPC2の増援として参加していたのだが、忍務にまったく興味がなかった。ただ、強い存在と戦えればよかった。だがその目的を果たすことはできず、挙げ句の果てに自身の子供とも言えなくもない存在(PC1)を生み出してしまった。
 あなたは後日冷静になったところ、自身を殺させるために子供を育てる酔狂な達人の話を思い出した。ならば自分もPC1を良き好敵手に育て上げれば良いではないか。あなたの【使命】は、PC1に奥義を修得させ、クライマックスフェイズにおいて最終的にPC1と一対一で勝負することである。
 あなたは、PC1の覚悟が決まっている状態で稽古判定を行うことで、PC1に奥義を修得させることができる。「PC1の覚悟が決まっている状態」の定義は非常に曖昧である。PC1とPC4の双方が合意できる定義であれば良い。

前日譚

GM情報
 このハンドアウトは、PC2〜PC4には最初から渡すこと。PC1には、PC1がPC2〜PC4の【秘密】を全て獲得したら渡すこと。

前日譚【秘密】
 PC2〜PC4はそれぞれの思惑を胸に禍魂の欠片を追っていた。そして神奈川県大和市在住のある一般人の医師が闇ルートで入手していることを突き止めた。PC達が医師の屋敷に到達した時、すでに医師は自らの肝臓を禍魂の欠片に置換した後だった。異常な代謝能力で常人ではありえない身体能力を発揮した医師であったが、一時的に手を組んだPC達の敵ではなかった。医師を始末した後、PC同士で禍魂の欠片の争奪戦をするだけのはずだった。しかし医師亡き後の禍魂の欠片は暴走を始め周囲の生命力を吸収しはじめた。神器肝臓移植実験の犠牲者たちの死体が屋敷内に大量に遺棄されていたことも無関係ではないだろう。PCたちは自分たちの体の一部を禍魄の欠片に喰わせることでキャパシティオーバーを齎し事態を収束させた。最終的にその場に残ったのはPC2〜PC4、そして、PC2〜PC4の力と禍魂の欠片を宿した忍者状の存在(PC1)であった。PC2〜PC4は停戦協定を結び、PC1を私立御斎学園で一旦保護することにしたのであった。

あとがき

 拙作「師匠たちと弟子」と同じ特別ルールを適用したシナリオです。「師匠たちと弟子」は稽古対象がNPCですが、本作は稽古対象がPCになっています。PC1の忍法構成が滅茶苦茶になる様を楽しんで頂ければ幸いです。

以上

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