【シノビガミ】ヒーローチーム【シナリオ】

シナリオスペック
レギュレーション:現代編
タイプ:協力型
リミット:3
プレイヤー人数:4〜5人

導入フェイズ

 日本国政府のとある施設の作戦室にPCたちは集められました。招集をかけたのは公安隠密局の首魁である麻生雅人です。

麻生「君達に集まってもらったのは他でもない。この度新設されることになった『公然忍術犯罪課』のメンバーになってもらいたいのだ。知っての通り、最近公然忍術犯罪が急増している。これまでは強襲部隊により犯人を秘密裏に逮捕あるいは抹殺し、別働隊にて隠蔽工作を行っていた。しかし犯罪件数が急増しており隠蔽工作にリソースを割くことが難しくなってきた。そこで考案されたのが、公然忍術犯罪に対して公然と立ち向かう作戦である。つまり、犯人を怪人、公権力をヒーローとして、特殊撮影のロケという体とし、我々も公然と忍術を行使するという作戦である」

公然忍術犯罪
 公然と忍術を行使する犯罪。物理的に危険であるばかりでなく、表の世界に忍者の存在が知られ得る社会的な危険を孕んでいる。なお、ここでいう「忍術」とは、特技分野の忍術のことではなく、忍者の超人的な能力全般を指す。世界設定的に忍術と忍法は明確に分けられているではないか、という意見もあるかもしれない。だが思い出して欲しい。そもそも基本ルールブックの表紙に『忍術バトルRPG』と銘打ってあるのだ。
怪人
 ヒーローの対義語としてヴィランではなく怪人を採用したのは、本シナリオがニチアサ特撮のミームを強く引き継いでいるからである。

麻生「君達にやってもらうのはヒーローだ。ヒーローには、コスチューム、装備、テレビ放映、商品展開が必要だ。カモフラージュのために徹底的に君達をプロデュースする。こういったことは官公庁よりも民間組織のほうが長けている。そこで、だ」

 麻生が作戦室の大型スクリーンに目をやると、スクリーンに不明瞭な人型のシルエットが現れます。手練れのPCたちには一目瞭然でしょう。この胡乱シルエットの正体は斜歯忍軍指矩班首魁のDr.斜歯です。

Dr.斜歯「ごきげんよう。Dr.斜歯だ。我々、八咫重工が本プロジェクトを全面的にサポートすることになった。装備開発は勿論、TV局との調整や玩具メーカーとのタイアップも我々に任せてくれたまえ。しかし一つ注意して欲しいことがある。世論……もとい視聴率は指金班のノウハウを持ってしてもごましきれない。民衆は愚かだが正直だ。視聴率が低迷すれば番組は打ち切られ、『公然忍術犯罪課』の存続も危うくなる。君達はヒーローというだけでなく、エンターテイナーであるということも忘れないで欲しい」

 ここで、特別ルール:視聴率について説明を行って下さい。

麻生「それでは早速、第一話の撮影に行ってもらおう。府中駅周辺で公然忍術犯罪を犯した怪人が府中の森公園に潜伏しているとの情報が入った」

Dr.斜歯「それではよろしく頼んだよ。ちなみに麻生君のことは『シノビコマンダー』、私のことは「カラクリシノビ博士」と呼んでくれ。その方が気合が入るだろう」

特別ルール:視聴率

 公然忍術犯罪課の活動は民放で放映される特撮番組の体を取っています。視聴率が低迷すればスポンサーが離れ、結果として『公然忍術犯罪課』は資金繰りができなくなり解体されてしまいます。視聴率はセッション中のPCの行動により変動します。視聴率は10%から開始し、3%を切ると打ち切られます(セッションが終了します)。

 セッション開始時点では視聴率増減の条件は非公開です。視聴率が増減する度に該当する条件が公開されます。

ドラマシーン
・ヒーローっぽいことをする:0.5ポイント増加↑
・映える行為をする:0.5ポイント増加↑
・ドラマとして映える行為をする:0.5ポイント増加↑
戦闘シーン
・怪人が敗北:1.0ポイント増加↑
・怪人が勝利:3.0ポイント減少↓
クライマックスフェイズ(前半戦)
・怪人の生命力を0にする:1.0ポイント増加↑
・怪人の生命力を0にせずに前半戦が終了:3.0ポイント減少↓
・合体必殺技を使用する:1.0ポイント増加↑
・合体必殺技を使用せずに前半戦が終了:1.0ポイント減少↓
・合体必殺技で怪人にとどめを刺す:3.0ポイント増加↑
クライマックスフェイズ(後半戦)
・4ラウンド以内に怪人の生命力を0にする:1.0ポイント増加↑
・4ラウンド以内に怪人の生命力を0にできない:3.0ポイント減少↓
・合体ロボの必殺技を使用する:1.0ポイント増加↑
・合体ロボの必殺技を使用せずに戦闘が終了:1.0ポイント減少↓
・合体ロボの必殺技で怪人にとどめを刺す:3.0ポイント増加↑

マスターシーン:怪人登場

 1サイクル目の最初に行います。PCたちが東京都府中市の府中の森公園に向かうと、胡乱な巨体が公衆トイレの窓を覗いています。トイレの利用者やトイレ周辺の一般人は怯えきっています。胡乱な巨体はPCたちに気付くと、こう言います。

府中の森公園
 ドラマの撮影でよく使われる実在の公園です。

胡乱な怪人「俺様は窃視忍術怪人ヒノガンバリだ!  俺様の神聖な覗き行為を邪魔することは許さん! お前たち、かかれ!」

ヒノガンバリ
 モチーフは加牟波理入道(がんばりにゅうどう)です。トイレを覗く妖怪として有名ですね。

 ヒノガンバリと名乗った怪人が合図すると何処からともなく漆黒の戦闘員が5体出現します。戦闘員5体との戦闘です。戦闘員は戦闘員(基本p184)です。メインフェイズ中の戦闘として処理してください。本シナリオにおいて戦闘員とヒノガンバリはPCの奥義情報を共有するということをプレイヤーに伝えておいてください。

 戦闘が終わるとヒノガンバリの姿が消えています。戦闘員は時間稼ぎだったようです。しかし、ヒノガンバリの痕跡は多分に残っているようです。あれだけ熱心に覗きをしていたのですから、トイレの窓を調べれば様々な分泌物が検出できるでしょう。《調査術》の判定に成功すればヒノガンバリの【秘密】を獲得できます。

マスターシーン:直接対決

 1サイクル目の最後に行います。シノビコマンダーから連絡が入ります。

シノビコマンダー「ヒノガンバリが町田駅のトイレに出没したとの報告があった。直ちに急行し無力化せよ」

 町田駅は阿鼻叫喚です。ヒノガンバリが手当たり次第に通行人を凝視して精気を奪い取っているのです。最早覗きでもなんでもありません。ヒノガンバリ、戦闘員×3との戦闘です。戦闘員は戦闘員(基本p184)です。

 戦闘終了後、ヒノガンバリはまたしても何処かへ逃げ去ってしまいます。

ヒノガンバリ「お前たちの相手をしている暇は無い! 世界中の裸体が俺様を待っているのだ! 骨の髄まで視詰め尽くしてやるぜ!」

マスターシーン:そのころ敵本拠地では

 2サイクル目の最後に行います。日本のどこかにあるこの世とあの世の狭間……。顔立ちの整った和装の青年と執事めいた立場の異形が水晶越しにヒノガンバリを観察しています。

執事めいた異形「若様……斯様な下賤の者にシノビの力を与えてよかったのですか?」

若様と呼ばれた青年「むしろ下賤で取るに足らない者である必要があるのだ」

執事めいた異形「どういうことでしょうか?」

若様と呼ばれた青年「この国の社会制度はシノビの存在を前提としていない。シノビは影の存在であるからだ。シノビの存在は明るみになってはならないから、シノビが犯罪を起こせば国家権力総出でその事実を揉み消そうよする。下らぬ軽犯罪であってもな。だからヒノガンバリのような軽犯罪シノビを量産すれば、効率的に国家を疲弊させることができるのだ。それに、下賤の者であるから、用済みになった時の処分も容易だ。全ては国家転覆のための布石なのだ」

執事めいた異形「流石若様……お見それ致しました……」

クライマックスフェイズ:前半戦

 PCたちはとうとうヒノガンバリを栃木県の岩舟山に追い詰めることに成功します。

ヒノガンバリ「くそっ! 市街地から離れてしまったから窃視対象がいない! こうなったらお前たちを骨の髄まで凝視しつくしてやる!」

 ヒノガンバリ、戦闘員×3との戦闘です。戦闘員は戦闘員(基本p184)です。ヒーロー陣営と怪人陣営のどちらかが勝利するか、6ラウンド経過すると戦闘が終了します。

怪人陣営の勝利の場合
 PCたちは骨の髄まで凝視し尽くされてしまいます。その後ヒノガンバリはPCたちの前から姿を消し、別の場所で大規模な窃視行為を敢行することでしょう。エンディングです。

ヒーロー陣営の勝利または6ラウンド経過の場合
 ヒノガンバリの力が暴走して巨大化します。もはや人間としての理性は無く、妖魔に成り果ててしまいます。クライマックスフェイズ:後半戦に進みます。

クライマックスフェイズ:後半戦

 カラクリシノビ博士から連絡が入ります。もしシノビコマンダーの【秘密】が公開されていた場合は、シノビコマンダーからの連絡になります。

カラクリシノビ博士「こんなこともあろうかと秘密兵器を準備しておいた。巨大怪人には巨大ロボで対抗だ! これはマーケティング的にも大変正しい! 各自担当機に乗り込み合体シークエンスに入り給え!」

 ここでGMは、「特別ルール:合体ロボ」をプレイヤーに説明してください。説明が完了したら、合体ロボV.S.巨大化怪人の戦闘を開始します。戦闘終了条件は合体ロボと巨大化怪人のどちらかが勝利することです。

特別ルール:合体ロボ

 クライマックスフェイズの後半の戦闘では合体ロボV.S.巨大化怪人の戦闘となります。この戦闘では以下のルールが追加されます。

戦闘ルール
・敵味方ともに全ての忍法、その他の効果の間合いが1点上昇する。
・敵味方ともに各ラウンドに使用できるコストが3点上昇する。
・敵味方ともに1ラウンドに2回行動できる。行動順は先手→後手→先手→後手。
・各ラウンドの2回目の行動では【クリティカルヒット】と【範囲攻撃】は使用できない。
プロット
 合体ロボのプロットは以下の手順で決める。ヒーローが息を合わせて操縦しないと合体ロボの節々に負荷がかかってダメージを受けてしまう。
①各PCがプロットする。
②プロット公開後、PCのプロットが一番集中している場所が合体ロボのプロットとなる。
③PCのプロットが一番集中している場所が複数存在する場合は、最も高いプロットが合体ロボのプロットとなる。
④合体ロボのプロットとして選ばれなかったプロットの数だけ合体ロボの生命力が減少する。
(例)2人が6にプロット、2人が4にプロット、1人が1にプロットした場合、合体ロボのプロットは6となり、合体ロボの生命力が2点減少する。
合体ロボのスペック
・合体ロボの名前は特に決まっていない。本ルールの説明後、現実時間3分以内に名前を決めないと視聴率が3.0ポイント減少し、GMによって変な名前が与えられる。
・合体ロボの生命力は30である。生命力を失っても特技は使用不能にならない。要するにエネミーと同じ扱い。
・合体ロボはPC全員の攻撃忍法、サポート忍法、奥義を使用できる。
・1ラウンド目のプロット前にPCを1名選ぶ。戦闘が終わるまで合体ロボの特技はそのPCの特技に準拠する。
・合体ロボの攻撃忍法およびサポート忍法の行使判定の目標値は、指定特技を使用可能か否かに関わらず、常に5である。
・合体ロボはサポート忍法【合体ロボの必殺技】を使用できる。
・【合体ロボの必殺技】の名前は特に決まっていない。使用を宣言してから現実時間3分以内に名前を決めないと視聴率が3.0ポイント減少し、GMによって変な名前が与えられる。
【合体ロボの必殺技】
間合い:6、コスト:9、指定特技:なし
 キャラクター1体を目標に選ぶ。目標の生命力を6点減少させる。この効果による生命力の減少は軽減することができない。この効果は1セッションにつき1回しか使用できない。

結末

 巨大妖魔化したヒノガンバリを爆発四散させることができれば今回のミッションは成功です。人々に一時的な日常が戻ってきます。各自エンディングを演出してください。

 しかし、シノビコマンダーは一人難しい顔をして司令室の窓の外を見ているのでした。

シノビコマンダー「どうも引っかかる。窃視程度の軽犯罪者が行使する力の範囲を超えている。何者かが裏で手を引いているに違いない。ヒノガンバリ……ヒノ……まさか?」

つづく

功績点

 セッション終了時点で視聴率が20%を超えていた場合、全てのPCに追加で1点の功績点をあげてください。

ハンドアウト

PC1

PC1【使命】
 あなたは『公然忍術犯罪課』に所属するヒーローである。あなたの【使命】は公然忍術犯罪を取り締まることである。(功績点1点)
 また、あなたの戦い方の特徴を捉えたヒーローネームを名と考えておくこと。自己紹介の際にヒーローネームを名乗らなければ、視聴率が0.5ポイント低下する。
PC1【秘密】
 実はあなたは『公然忍術犯罪課』の活動について一つ不服なことがある。チーム名が付いていないのだ。古今東西ヒーローチームには名前が付いているものだ。あなたはシノビコマンダーに陳情し、プライズ「チームの命名権」を得た。
チームの命名権【概要】
 このハンドアウトに【秘密】は存在しない。このプライズを所持しているPCはクライマックスフェイズが始まってからセッションが終了するまでの間に、自分たちのヒーローチームの名前を決定することができる。ヒーローチームの名前を決定したPCは即座に功績点1点を得る。また、他のPCにチーム名の感想を聞き、肯定的な感想が過半数であれば更に功績点1点を獲得し、否定的な感想が過半数であれば功績点1点を失う。
 セッション終了までにチーム名が決定しなかった場合、視聴率が3.0ポイント低下する。

PC2

PC2【使命】
 あなたは『公然忍術犯罪課』に所属するヒーローである。あなたの【使命】は公然忍術犯罪を取り締まることである。(功績点1点)
 また、あなたの戦い方の特徴を捉えたヒーローネームを考えておくこと。自己紹介の際にヒーローネームを名乗らなければ、視聴率が0.5ポイント低下する。
PC2【秘密】
 実はあなたは『公然忍術犯罪課』の活動について一つ不服なことがある。テーマ曲がないのだ。古今東西ヒーロー番組には主題歌があるものだ。あなたはカラクリシノビ博士に陳情し、プライズ「主題歌の決定権」を得た。
主題歌の決定権【概要】
 このハンドアウトに【秘密】は存在しない。このプライズを所持しているPCはクライマックスフェイズ中に、自分たちのヒーロー番組の主題歌を決定することができる(既存の楽曲から好きなものを選択すること。ヒーロー番組以外の楽曲でも構わない。PLにスキルがあるならば作曲しても構わない。歌詞がないものは不可)。主題歌を決定したPCは即座に功績点1点を得る。また、他のPCに主題歌の感想を聞き、肯定的な感想が過半数であれば更に功績点1点を獲得し、否定的な感想が過半数であれば功績点1点を失う。
 主題歌が決定しなかった場合、視聴率が3.0ポイント低下する。

PC3

PC3【使命】
 あなたは『公然忍術犯罪課』に所属するヒーローである。あなたの【使命】は公然忍術犯罪を取り締まることである。(功績点1点)
 また、あなたの戦い方の特徴を捉えたヒーローネームを考えておくこと。メインフェイズ開始までにヒーローネームを名乗らなければ、視聴率が0.5ポイント低下する。
PC3【秘密】
 実はあなたは『公然忍術犯罪課』の活動について一つ不服なことがある。合体必殺技がないのだ。合体はロマンだし、商業的にも正しい。あなたはカラクリシノビ博士に陳情し、合体必殺技を用意してもらった。あなたはプライズ「合体必殺技の命名権」を得た。なお、カラクリシノビ博士はノリノリだった。
合体必殺技の命名権【概要】
 このハンドアウトに【秘密】は存在しない。このプライズを所持しているPCはクライマックスフェイズの戦闘中に合体必殺技を使用する際に、合体必殺技の名前と演出を決定できる。合体必殺技の名前と演出を決定したPCは即座に功績点1点を得る。また、他のPCに合体必殺技の名前と演出の感想を聞き、肯定的な感想が過半数であれば更に功績点1点を獲得し、否定的な感想が過半数であれば功績点1点を失う。
 合体必殺技の名前と演出が決定しなかった場合、視聴率が3.0ポイント低下する。

PC4

PC4【使命】
 あなたは『公然忍術犯罪課』に所属するヒーローである。あなたの【使命】は公然忍術犯罪を取り締まることである。(功績点1点)
 また、あなたの戦い方の特徴を捉えたヒーローネームを考えておくこと。メインフェイズ開始までにヒーローネームを名乗らなければ、視聴率が0.5ポイント低下する。
PC4【秘密】
 実はあなたは『公然忍術犯罪課』の活動について一つ不服なことがある。リーダーがいないのだ。古今東西ヒーローチームにはリーダーがいるものだ。あなたはシノビコマンダーに陳情し、プライズ「リーダーの任命権」を得た。なお、シノビコマンダーには「そこまで言うのならば君がリーダーをやってはどうかね」と言われた。
リーダーの任命権【概要】
 このハンドアウトに【秘密】は存在しない。このプライズを所持しているPCは回想シーンのタイミングでリーダーを1名任命できる。リーダーを任命したPCは即座に功績点1点を獲得する。また、リーダーとして任命されたPCも即座に功績点を1点得る(自分自身を任命した場合を除く)。更に、他のPCにリーダーが適任かどうか感想を聞き、肯定的な感想が過半数であれば更に功績点1点を獲得し、否定的な感想が過半数であれば功績点1点を失う。
 リーダーが決定しなかった場合、視聴率が3.0ポイント低下する。

PC5

PC5【使命】
 あなたは『公然忍術犯罪課』に所属するヒーローである。あなたの【使命】は公然忍術犯罪を取り締まることである。(功績点1点)
 また、あなたの戦い方の特徴を捉えたヒーローネームを考えておくこと。メインフェイズ開始までにヒーローネームを名乗らなければ、視聴率が0.5ポイント低下する。
PC5【秘密】
 実はあなたは『公然忍術犯罪課』の活動について一つ不服なことがある。ストーリーが単調なのだ。ヒーロー作品のストーリーは古来から数多の作家によって創意工夫が行われてきた。あなたはシノビコマンダーに陳情し、プライズ「番組の演出権」を得た。
番組の演出権【概要】
 このハンドアウトに【秘密】は存在しない。このプライズを所持しているPCは、他のPC1名を対象に選び、ヒーローとして映える【追加の秘密】を付与できる。対象に【追加の秘密】が付与されると直ちにGMから対象に通知される。対象の元々の【秘密】を所持しているPCにも対象の【追加の秘密】が通知される。
 対象の【追加の秘密】が全体公開されたタイミングで、自分以外のPCに【追加の秘密】の感想を聞き、肯定的な感想が過半数であれば功績点2点を獲得し、否定的な感想が過半数であれば功績点1点を失う。
 【追加の秘密】を誰にも設定しなかった場合、クライマックスフェイズ終了時に視聴率が3.0ポイント低下する。

シノビコマンダー(演:麻生雅人)

シノビコマンダー【使命】
 『公然忍術犯罪課』プロジェクトを成功させ、日本国の治安向上に貢献することが【使命】である。ついでに、要注意人物であるカラクリシノビ博士ことDr.斜歯を目の届く場所に留めておけたらいいな、と思っている。
シノビコマンダー【秘密】
 拡散情報。万が一の事態に備えてカラクリシノビ博士に秘密兵器の開発を急がせている。この【秘密】が公開されている場合、秘密兵器がお披露目される際に「こんなこともあろうかと」と発言するのはカラクリシノビ博士ではなくシノビコマンダーとなる。発案者がカラクリシノビ博士ではないことがバレてしまったせいで、カラクリシノビ博士が先見性を自慢できなくなってしまうのだ。

カラクリシノビ博士(演:Dr.斜歯)

カラクリシノビ博士【使命】
 『公然忍術犯罪課』プロジェクトを成功させ、日本国の治安向上に貢献することが【使命】である。ついでに、ヒーローたちの戦闘データを採取できたらいいな、と思っている。
カラクリシノビ博士【秘密】
 拡散情報。合体必殺技をPCたちに渡すのをすっかり忘れていた。この【秘密】が公開されていれば、クライマックスフェイズで合体必殺技を使用できる。合体必殺技の使用方法と効果は以下の通りである。
【合体必殺技】
◆使用方法
プロット公開後、そのラウンドで行動順が一番早いPCが使用を宣言する。
各PCは自身の手番で自分の得意分野の中からランダムに決定した特技で判定を行う。この判定は攻撃忍法の代わりに行うものとする。
ラウンド終了時に効果が発生する。

◆効果
 キャラクター1体を目標に選び、「判定に成功した回数×1.5」点だけ目標の生命力を減少させる。この効果による生命力の減少はいかなる効果でも軽減することができない。この効果は1セッションにつき1度しか使用できない。
 この効果を使用すると、視聴率が1ポイント増加する。更に、この効果によって怪人の生命力を0点にすると、視聴率が3ポイント増加する。

窃視忍術怪人ヒノガンバリ

窃視忍術怪人ヒノガンバリ【使命】
 全国指名手配中の連続覗き魔がシノビの力を得て暴走した姿。人間の裸体を盗み見ることで対象の生命力を奪う。人間の裸体を見ることが【使命】である。
窃視忍術怪人ヒノガンバリ【秘密】
 いつのころからか食事を必要としなくなっていた。便所、風呂、更衣室、その他プライベートな空間の無防備な裸体を見るだけで心だけでなく体も満たされるようになっていた。こうなる以前はどのように生活していたのかわからない。遡れる最古の記憶は美貌の青年……露出を控えた清楚で高貴な出で立ちだが、異様な色気を放ち俺を釘付けにした。彼が俺に優しく触れると接触点から全身に熱が広がり、気が付くと俺は一人果てていた。それ以来、窃視行為の効率が格段に向上したのだ。
 体が高ぶり続けている。熱が抑えきれない。俺は一体どうなってしまうのか。
 ヒノガンバリは妖魔になりかけており、【魔人】の背景を獲得している。

キャラクターシート

窃視忍術怪人ヒノガンバリのキャラクターシート
窃視忍術怪人ヒノガンバリ巨大化のキャラクターシート

あとがき

 戦隊モノをやりたかったのでやりました。でもシノビガミってどっちかというと仮面ライダーですよね。

 本シナリオは三部作の構想です。お気づきかと思いますが、ヒノガンバリのヒノは「ヒノキミ教団」から取りました。つまり黒幕は……そう、公式NPCのあの人ですね。

以上

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