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君たちはどう生きるかを見た

見たよーという日記を書こうと思う。浅学非才なので大したことは書けないが。
ネタバレはする。


風立ちぬで最後だと思ったのにまた宮崎駿監督の作品が見れるなんて。それだけで本当に嬉しい。
そしてどんな映画なのか全くわからないのだ。こんな体験は二度とできないだろう。いやまた宮崎駿監督が映画を作ってくれたらできるかもしれないが。とにかく本当に貴重で稀有な体験である。
内容が全くわからないのであのポスターの鳥が出てくるかすら分からない。映画が始まったら真っ白な画面に宮崎駿が出てきて「君たちはどう生きるか」と問いかけてくるだけの映画の可能性もある。何もわからないのだから。(鈴木Pが冒険活劇と言っていたが結構前のことだし……)

本当は初日の初回に行きたかったのだが………私は夜勤で…………(血涙)
Twitterをシャットアウトし、公開から数日後の休みの日に見に行くことにした。ジブリの公式LINEに主題歌の歌手のみネタバレされたがこのくらいなら問題ない。主題歌とかあるならちゃんとした映画なんだなと思った記憶がある。
映画が始まる瞬間、すごくワクワクした。こんなワクワクできただけで感謝の気持ちである。青い画面にスタジオジブリ作品という文字と見慣れた横顔のトトロが映し出され、スタジオジブリの新作を今から見れるという実感が湧きますます興奮した。「スタジオジブリー!!」と叫びたい心境である。アイマスのコンサートで「バンダイナムコー!」と叫んでいるオタクの気持ちを初めて理解した。


感想がまとまらないので箇条書き

• ヒミのキャラデザがいい。めっちゃ可愛い。あのエプロンドレスとあの髪型。そして好きなシーンはエプロンの裾で鍋の蓋を掴むシーンである。こういう日常の些細な動作を丁寧にアニメにしてる所がジブリって感じがする…。そもそも最初から動きが凄すぎるしアニメーターが全員天才としか思えない。特に、群衆やお婆さん達や動き回る大量の鳥も描くのどんだけ時間かかるんだよというシーンばっかり出てくる。なのに最後のクレジットでは割と人数が少ない。どうなっているのか。

• たっぷり塗ったジャムのパンが美味しそうだった。私もパンに致死量かってくらいバターやジャムを乗せるのが大好きなのでめちゃくちゃ美味しそうだった。

• 背景美術が凄まじい。まず主人公がナツコの実家に訪れた際に背景が凄すぎてびっくりした。ナツコの部屋の調度品もびっくりするほど書き込まれている。その後、下の世界でも惜しみなく次々と出てくる背景がとにかくどれもとんでもない。下の世界の若いキリコが住んでいた部屋の外に出たら家が巨大な船みたいになっていた所ではその世界観にただただ圧倒された。宮崎駿監督はもちろん、背景美術を描かれた方は本当にすごい。

. 「あなたなんて大嫌い!」とナツコに言われてもマヒトは「一緒に帰ろう」となおも寄り添う。お前…成長したな…!!!クラスメイトとうまくいかず家庭にも不満があり自傷してみんなに心配をかけて複雑そうな顔をしていたマヒトがこんなに他者を赦し歩み寄ることができるようになるとは…。ナツコはマヒトに最初からずっと慈愛の眼差しを向けていたけど、彼女も人間だからたくさんのことを我慢しているし自分に一切好意を示さないマヒトと暮らすのは苦しい部分があるに決まってる。君たちはどう生きるか」を読んで涙してから明確にマヒトが変わったのが分かる。読んでみたい。この映画では登場人物の厚みをすごく感じられる。



見る前は意味わからん変な映画かもしれないと思ったが、優しくて、暖かい気持ちになる映画だった。終わった時、長い文学を読み終わったように放心状態になった。そしてことあるごとに映画の世界を思い出してしまう。
展開や内容が理解できないところもあるのに、ドキドキして共感して、切なくてクスッと笑えて楽しめた。全く理解不能ではない、分かりそうで分からない世界観色々なことを想像できる。すごい映画だと思った。本当に見てよかった。2000円払ってよかった。見たのがレディースデーじゃなくてメンズデーで良かった。最初はレディースデーなら良かったのにと思ったが満額払ったことにすら謎の満足感がある。

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