ぬるま湯のような家

友達が入籍した。もう25歳なので入籍することもあるよな、と思った。もちろんお祝いした。
私も25歳なのだが、なぜか自分は18歳のような感覚がしている。私は18歳なので25歳の友達が入籍しても「おめでとう〜」と普通にお祝いし自分の人生において結婚というものについて考えるのはあと10年後くらいのような気がしているのだ。
私は全然25歳らしいことをクリアしていない感覚に陥る。

私はずっと実家に住んでいる。この家は本当に居心地がいい。私の部屋(子供部屋)は好きな漫画や本やフィギュアやガチャガチャで取ったものや百均で買ったガラクタで溢れている。壁にはナウシカのポスターとコジコジタペストリーがある。
ここで私は小学生の時と同じ生活をしている。
朝起きて、母の作った弁当を持って学校ではなく仕事に行き、帰って、母の作ったご飯を食べて寝る。掃除と洗濯は母がしてくれる。私はそれを享受している。
学生時代と変わったことは働いているので無駄に貯金があることと携帯代と税金を自分で払っていることくらいである。税金も携帯代も自分ではよくわからないので払っている感じもしない。インドアなので休日は基本的に家にいてダラダラしている。

家を出たい。最近突然そう思い始めた。母も父も優しい。優しすぎる。一生ここに居られると思った。でもここに一生住むなら何のために生まれてきたのか分からない。

そろそろ巣立ちの時期かもしれない。
私はあと半年で仕事を退職する。貯金があるので働かなくてもしばらくはなんとかなる。一人暮らしをしよう。
どこに住もうかなと日本地図の画像をしばらく眺め、松山、別府、札幌、仙台などが候補に上がったが、とりあえずTOKYOに住んでみようかなと思った。まあ人生で一回くらい住んでみても良いだろう。いろんな展示とか行けるし。実家は東海なのでそこそこ近いし。

私の人生の第2章が始まる予感に胸を躍らせ子供部屋のベッドで眠るのだった。

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