無職と新生活

4月から無職になっている。今はニートである。
私は就職してから4年間、毎日仕事を辞めることだけを考えていた。仕事を辞めたらどんな気分だろう。どんなに解放感があるだろうかと考えていた。
しかし、実際に退職するとあまりにも実感がなくて、心にぽっかり穴が空いたような感じになった。解放感は特になく、ただ長期休暇を貰っているだけというような、ぼんやりする日々が続いた。辞めて2ヶ月くらいは毎日のように仕事をする夢を見た。
仕事を辞めたらたくさん旅行に行きたいし読書もしたいと思っていたのだが、なんだか旅行にも行く気になれず、読書も思ったほど進まない。働いていた時の休日同様、ぼんやりと無気力に過ごしていた。遠出といえば千と千尋の舞台を見に行ったのとコミティアに行ったことくらいである。
時々母とイオンに行ったり、料理を作ったり、母と紅茶を淹れて話しながら穏やかに過ぎる日々。あまりにもストレスがないので自分はこの世界で今一番ストレスがないのではないかと思ったほどだった。こんな日々を死ぬまで送ることを許されたならば、それはもう幸せなのではないか?と、思っていた。ただ6月くらいから、このままではまずいという気持ちになり始めた。ニートの期間は2ヶ月ちょっとだが、既に半年くらいはニートをしている気がしており、ニートにも飽き始めていた。無職になった自分が思ったほど解放感もなく活動的にもならない理由は、私がずっと実家にいるからだろうと思う。実家にいると、私は変わらないんだろうと思った。

思い立ったが吉日、私は突然部屋探しを始める。無職のくせに、東京近辺に狙いを定める。家賃が高すぎる。だが貯金はある。
26年間実家暮らしの私は部屋探しのやり方なんて全くひとつも分からず、アプリから気に入った物件を全身のエネルギーを使って問い合わせてみるといろんな不動産屋からメールや電話がきて困った。
あまり言いたくないので細かいことは割愛するが、私は不動産屋に普通に大迷惑をかけ謝りまくりながら、なんとか部屋を見つけた。自分の無知を露呈させ他人に迷惑をかけることは本当に辛くて狂いそうになるが仕方がない。色々と考えすぎて眠れなくなる日々を送っていた。ノンストレス生活は張り合いがなくてつまらないがちょっとしたストレスで叫びそうになってるんだから私という人間は仕様がない。
母が本当にそれでいいのか、もっとよく考えろとずっと言ってきてキレそうになるのを抑えるのが大変だった。こんなことで母にキレるわけにはいかない。

とりあえず審査が通るかどうか。

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