見出し画像

君はスパークル

――― スパークル(sparkle)は、英語で「火花」「生気」「火花が散る」「きらめく」などを意味する語である。

Wikipedia


歌ってる君が綺麗  ちょっと泣いた


5/20。
Venue101でのBeautiful Flower。
アイドルを好きになった原点の彼の涙。
綺麗だな、そう思ってしまった。
その瞬間に、あー、脱退なんだなあ、って、ストンと心に落ちてきた。

King & Prince5人体制ラストの歌番組、全部、リアルタイムでは見なかった。
そもそもちゃんと毎回追いかけていた訳じゃないのに、ここで全部リアルタイムで見てしまうと、最後を実感してしまって、それに耐えきれる気がしなくて。
だから私は5人体制が終わる日まで、それらを探して見返す事もやめていた。

もしかしたら、最後まで、脱退が覆るんじゃないか、これからも5人でやっていくんじゃないか、そんなことを期待してしまっていたのかもしれない。

新体制のKing & Princeを耳にしたり実際テレビで見かけることもあるけれど、きっと本人達は5人の、6人の時の曲も思い出も尊重して、その上で新しいことを、新しい形で、ファンの為に活動してくれているんだろうな、と思うし、伝わってくる。


だけど、どうしても、私は彼が良かった。
正確には、彼がアイドルとしていてくれる世界が良かった。
どれだけ豆粒くらい小さくしか見えなくても、ただ同じ空間にいるだけ、になってしまっても、アイドルの彼にもう一度会いたかったよ。


最初で最後になってしまったコンサート、Mr.。
高揚感と、良い意味での緊張感、その場の全員の目が、照明も相まって星みたいにキラキラしていて。
それぞれがそれぞれの推しを想っていた。
あの時、もう既に脱退の話は出ていたんだろうか。
どんな気持ちで彼は、そこに立っていたんだろうか。
今、それを知る術はどこにもない。


私にとって彼は、キラキラなんて生ぬるいものではなかった。
火花、閃光のような、眩しくて思わず目を細めてしまうような、まさにスパークルのような、強烈な光を放つ人。
だから、リアコ、なんて言葉もあるけれど、そういうのじゃなくて、言葉を探すのが難しくて、何とか近いものを挙げるなら、憧れ、なんだと思う。


あの広い空から僕は どう見えた?

ペンライトの海を、星のようなファン達を、空は、彼は、どう見ていたんだろう。
脱退を知った日、そう思った。
次の日の仕事も、なんだか少し上の空だったし、この気持ちは彼にしか晴らせない、なのに彼は脱退してしまう。
アイドルを辞めてしまう。

引退する訳ではない。
アイドルは沢山いる。
他の人に目を向ける事も出来る。
確かにそうだと思う。
だけど、だけどね、私にしか、この気持ちはわからないよ。

脱退の事実は瞬く間に世間に広がって、私の周りの人達にその話をされる事も多くて、だけど、それについての本心なんて話す気にはなれなかった。
ただ確かに一つ言えるのは、私自身が思っていたよりも、遥かに重い感情をアイドルの彼に持っていた、ということ。


SNSでは色んな情報がまるで全て本当かのように囁かれて、署名運動、だなんてものまで起き、メンバー達に対しての憶測も、事務所に対して攻撃的になっているのも、沢山見た。
それが本当に辛かった。
覆らないことをみんなわかっているはずなのに、こんなに声が上がることで、期待してしまう自分がどこかにいたから。
もしかしたら本当に無しになるんじゃないか、って思ってしまったから。


でもきっと彼は、自分の夢や約束と、方向性がズレていくこと、私達が知らない他の事情とか、複雑な気持ちを抱えていたんだろう。
きっと、テレビで見せているような顔だけじゃなくて、繊細な面もある、と思うから。
本当のことは、本人達にしかわからないから。
だから私はその事実を深掘りすることをやめた。


脱退から1ヶ月経ち、彼の現在を知りたくても知ることの出来ない、遥か遠くに見えなくなってしまった眩い程の光を、もう一度目を細めて見ることが出来たら、それ以上に幸せなことはないだろう。

平野紫耀くん。
今、どこで何をしていますか。
どこかで幸せでいてくれたら、だけで十分なはずなのに、あわよくばもう一度アイドルをしているところを見られたら、なんて思ってしまいます。
唯一無二の、天性のそのきらめきをまた見られることを願って。


君はスパークル。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?