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これといって何もなかった歳末の大阪旅行(1)

12月29日、楽しいことも煩わしいことも全てが終わった年末。

ボクと友人の根津くんは、かねてから約束していた大阪旅行にむかった。
朝イチの新幹線しか予約ができず、寝過ごして遅刻する恐怖から前日から徹夜で駅に向かい、私鉄を乗り継いで品川駅についた。
一番の帰省ラッシュの日だけあって、駅は大混雑であった。

定刻通りに新幹線は発車した。2人ともほぼ徹夜だったために新幹線で寝ればいいかと思っていたものの、乗り込んだ新幹線は博多行き。
眠り込んでいたら博多についてしまう。
そんな緊張感からゆっくり眠ることもできず、8時半に大阪に着いた。

早すぎる。
いくらなんでも早すぎる。

そもそもこの旅の目的は、大阪で少しギャンブルをして(あわよくば勝って)、その金を持って歳末の大阪の演歌の流れる地元の人しかいない居酒屋でしみじみと湯豆腐を食べながら人生の哀しみを噛みしめる、、とうものであったのだが、お目当てだった競艇は当然ながらそんな朝からは開いていない。
朝からやっている飲み屋は探せばあるけれど、徹夜明けでこの時間から飲むとぶっ倒れてしまう。

一旦梅田の飲み屋街を散歩して、大阪ならではの雀荘ルールなどを確認しながら、ひとまずは『ならではのモノ』を食べて時間を潰そうと思い、新世界の早朝からやっている立ち食いうどんの店へ。

きつねうどん220円!
安っ!!

早朝なのに行列。
地元の人9割、観光客1割。
外国人も何人か。
言葉が通じても入りづらいローカルの立ち食いうどん屋に、言葉が通じないのによく来れるよなぁ、欧米人カップル。
話しかけてはいけないようなオーラを醸し出している地元のおっさんが食べているうどんを覗き込むのようにマジマジ見つめて、そしてそれを指差して、大声で
「this」
と言って
「そばかうどん、どっち?」
という店員の日本語の質問も現物を指差すことでクリア。
たくましいなぁ。
果たして口にあったのだろうか?

食べ終わり、だらだらと新世界を散歩。
朝方なのに人は多い。
観光客に人気がありそうな串揚げ屋さんはまだ営業していないけど、地元の民が溢れる24時間のいなたい立ち飲み屋は満員の盛況っぷり。道路には一目で堅気ではなさそうだとわかる人、昔ながらの入れ墨を見せつけるタイプの柄の良さそうではない若者が結構たくさんいて、なんだか夜の街よりも不穏な空気を醸し出しておりました。
最近、繁華街に行ってないからよくわからないけど、そんなもんなのかね。

そうこうしているうちに10時になり住之江競艇へ。
混んでもなく、閑散としているわけでもなく、アミューズメント感があるわけでもなく、場末感があるわけでもない。
本当に無味無臭の現場。
ボートのモーターの音がけたたましい。
突き抜けるような晴天。

3レースか4レースやるものの、全部ハズレ。
眠いけど、悪い気分ではない。
しかしながら、このまま続けても勝ち目はなさそうなので、競艇場を後にした。
14時くらい。

難波のほうに行くか、梅田に行くか、新世界~西成方面に戻るか。

「串揚げ、食いません?」
根津くんの一言で再び新世界へ。

朝方とは打って変わって、観光客で溢れかえっていて、人気のある串揚げ屋さんはほぼ長蛇の行列。諦めて以前行ったことのある、観光客の入りにくそうな飲み屋に行くとそこですらほぼ満席。奇跡的に2席空いていたので、そこで串カツやらならではのツマミを頼んで瓶ビール。

続く

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