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ARRI 画像処理のしくみ

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ARRI 社のデジタルシネマ・カメラは、なぜ人気があるのか? ハリウッド映画や Netflix 作品をはじめ、世界最高峰の現場で高品質な映像を生み出し続ける『ALEXA』の CMOS イメージセンサー、画像処理に関する情報をまとめていきます。

当記事は、動画制作のオンラインサロン 『UMU TOKYO』で公開されたものです。限定公開を目的に有料化しています。公開日:2021.9.25
https://community.camp-fire.jp/projects/view/231393

1. ARRI のルックの特徴

ALEXA 10 周年を記念した特別配信「ARRI TECH TALK Live: 10th Anniversary of ALEXA」で、ARRI のカメラ開発責任者 Marc Shipman-Meuller 氏は ALEXA のルックの特徴として、次の 4 点を挙げています。

❶ Highlight Rolloff
❷ Dynamic Range
❸ Skintone
❹ Grain

2000 年頃から続く『ARRISCAN』の開発を通じて、ARRI 社はフィルム映像をデジタル上で美しく再現するためのノウハウを蓄積してきました。

そうした知見を踏まえて、ALEV III では ❶ ハイライトの白飛び(Highlight Rolloff)、❷ 階調(Dynamic Rnge)、❸ 肌色(Skintone)、とりわけ ❹ 粒状性(Grain)の面でフィルムと同等の質感を再現し、シャドウ部に関してはフィルムを超える表現力を得た、という話です。ARRI の画像処理のしくみを理解する上で、まずはここが重要なポイントとなります。

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