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技術解説:超高速ロボットアームで何ができる? Pinterest 『インテリア篇』 CM

超高速のロボットアームを使ったギミックが印象的な Pinterest『インテリア篇』CM を参考に、Nikon 傘下のテック企業 MRMC(Mark Roberts Motion Control)社の「モーション・コントロール・システム」に関する情報をまとめていきます。

当記事は、動画制作のオンラインサロン 『UMU TOKYO』で公開されたものです。限定公開を目的に有料化しています。公開日:2021.7.21
https://community.camp-fire.jp/projects/view/231393

1. カメラまわりの機材構成

カメラまわりの機材構成に関しては、本作ではデジタルシネマ業界で最も人気のある小型・軽量カメラ ARRI ALEXA Mini に、世界最高品質の Super 35 規格の単焦点レンズ Zeiss Master Prime を組み合わせた、王道のセットアップとなっています。

ARRI ALEXA Mini 収録設定
ARRIRAW 3.4K / 23.98P / 86.4°(1/100)/ ISO:1600 / WB: 5600K

そして、象徴的なギミックとしてある「カメラが 2D のスマホ画面風の美術セットに高速に回り込んで 3D 化する」場面では、MRMC のハイスピード・ロボットアーム『BOLT』が使用されています。

スクリーンショット 2021-07-19 19.55.06
Pinterest「Pinterest インテリア篇」TVCM &メイキング

2. 超高速ロボットアームとは?

人間にはマネのできない “超高速” の動きをくり返し正確に再現できる「ロボットアーム(Camera Robot)」は、これまではおもに Phantom などの 超ハイスピード撮影でカメラに動きをつける 目的で使われていました。またロボットアームは、液体の動きなど自然現象との相性も抜群で、シズル撮影の現場でもよく使われています。

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