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ウェブ会議で顔出しをした方がよい理由

新型コロナの影響でフルリモートの会社が増えている。
フルリモートで仕事が回ることがわかった企業は、緊急事態宣言解除後も、そのままその体制を続けているところも多い。

ウェブ会議が増える中で、改めてコミュニケーションということについて考える機会が増えてきました。

「音声だけでも言いたいことは伝わるのだからカメラをONにする必要はない」と顔出しを断固拒否する部下がいて困っているという相談を受けたこともある。そういった部下には、コミュニケーションとは何かという根本的なことや会議の意義についてまず理解してもらう必要がありそうです。

役職上位者の中には、威厳を誇示するという理由で顔出しでの会議を好む人もいるようですが、そんな理由では若者は納得しないのは当然だと思う。



その会議本当にいる?

会議というのは複数人をその場に拘束させて行うコストの高い行為です。まずそもそも会議が本当に必要かという精査をこの機にすると業務効率化に繋がるかもしれません。ただ内容を伝えるだけなら、そもそも電話でもチャットでも良くて、そんな会議は会議そのものが無駄です。資料を送って目を通しておいてくださいと頼めば済みます。

資料を読み上げ、それらを複数人が聞くようなスタイルの会議であっても、それを元に大事な意思決定をしなければならない場合などは、顔が見えることがとても重要になります。
なぜかといえば、これは考えてみれば当たり前のことですが、我々が人から得られる情報として、テキストより音声、音声より動画の方がよりその情報量は多くなります。情報量が多ければ多いほどコミュニケーションに齟齬が生まれにくくなります。

例えば、何かをやるか、やらないかという意思決定をしなければならない時、その決定の材料となるデータを語る社員の声色だけを聞くのと、顔までみて判断するのかでは、その精度が変わってきます。勿論、普段から社員とのコミュニケーションがよくできていて、声を聞くだけで、その社員がどんな顔をしているか手に取るようにわかるという場合は除きます。

しかしながら、それほどに深く関係性が築けていない相手の場合、顔も見て判断した方がより精度の高い判断ができます。


顔が見えるということ

アイディア出しをするような会議の場合も、当然ながら顔出しをした方が良いと言えます。例えば、誰かが何か良い意見を言った時に「あぁなるほど」「良いね」とわかりやすく声をあげてくれれば賛同者がいると気付けますが、良いと思ってもあまり声を出してリアクションをする習慣がない人の場合、ただ画面越しで頷くだけでは、それは全く伝わりません。勇気を出して意見を言ったにもかかわらず周りのリアクションが薄いと感じてしまった人は、もう次の発言をすることを控えてしまいます。

このような会議では、その場の雰囲気がとても大事になります。顔が見えて全員のリアクションが見えることが会議を断然スムーズにさせます。



笑顔で発言数が上がる

ある大学の研究で面白いものがありました。
最近のカメラアプリでは、男の人を女の人に変えたり、人の顔を綺麗に整形してくれるようなものがありますが、それをウェブ会議にも応用してみる実験が行われました。

実験では参加者の何人かの顔をアプリを通して強制的に笑顔に変えた状態でウェブ会議が行われました。実験の結果、会議中に笑顔の人が多いほど、会議での発言数が増えるという結果がでました。

アイディア出しをするような会議では、その場の雰囲気が大事だと先ほど述べましたが、それは合成の笑顔でも良いということです。笑顔を作るのが元々苦手な人にとっては、これは朗報かもしれません。



言葉は単なるツール

自分の言った言葉が文法的に100%合っていれば100%相手に伝わるはずで、それで伝わらないのは相手の読解力に問題があると思い込んでいる人が多いように感じます。それは大きな勘違いだということに気付いた方が良いかもしれません。

付き合っているカップル、長年寄り添ってる夫婦ですら、うまく思いが伝わらなかったり、すれ違うという経験があるはずだ。それは、とても当たり前のことなのです。そもそも言葉というのは完璧なものではなく単なるツールに過ぎません。育った環境が違う人同士では、単語ひとつとっても、その定義やそこから感じるイメージも微妙に変わってきてしまいます。認識がズレて当然なのです。

だから、いくら自分が100%正しく伝えたつもりでも、100%正しく伝わることはないことを前提にしなければなりません。そのためには自分の言った事が、自分の意図したとおり相手に伝わったのかを確認したり、逆に相手の本当に言いたいことを自分は理解できたのかを確認しようすることこそが、コミュニケーションにおいて大事にことになってきます。その精度をより上げるためには、相手を知るということもとても大切になります。

もちろん基礎的な語彙力はあった方がよいですが、言語力や、話し方のテクニック云々よりも「相手を知る(知ろうとする)」ことが大前提として必要なのです。
冒頭で「音声だけでも言いたいことは伝わるのだからカメラをONにする必要はない」といった部下は、自分が語った言葉が100%の形で相手に伝わるという思い込みをしているのです。
もしかしたら彼の発言をミスリードした社員が画面越しに苦い顔をしているかもしれません。その苦い思いをした社員がその場で「今の発言はこういうことですか?」と意思疎通をしなければ、彼とその社員との間のズレはそのまま永遠に放置されていきます。その蓄積が会社など組織で働く上で後々大きな障害になることでしょう。




おわりに

ここまでウェブ会議を顔出しをした方が良い理由や、コミュニケーションとは何かということについて話してきましたが、かくいう私もウェブ会議では顔出ししないことが多いです。それは日頃からのコミュニケーションをとって信頼を築いているからこそできることです。顔出ししなくても良いと考えている人は、部下や上司、同僚、仕事相手と良好な信頼関係をちゃんと築けているのかを改めて考え直す機会かもしれません

※仕事に信頼は必要か、信頼がない状態で仕事をするという新しい働き方については、またいつかノートにメモ書きします。


余談:このノートは9月頃に下書きしたものです。ノートの下書きが無限にたまり続け200件を超えてしまう。自分の書くノート(メモ書き)はテーマも分野もバラバラでとりとめがなく混乱を極めております。とりあえず不完全でも公開をした後、整理しく方針に変えていく所存。

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