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好きな色を選ばなくなったのはいつからだろう

雨の朝

駅から出ると道路の左側には

色とりどりのカラフルな傘が

お花畑のように並んでいました。


一方で

右側には真っ黒な傘が

お葬式のように並んでいました。


左側の道路の先には大学があって

右側の道路の先はオフィスビル


そのコントラストがなんだか妙におかしくて

思わず笑ってしまって


ふと自分を見たら

黒いズボンに

黒い靴

黒いコートに

黒いかばん


まっくろくろすけだ


なんだか思わず悲しくなってしまった


私はいつも、黒か白かベージュかグレーを選ぶ

それは「無難な色」だから


好きな色の傘をさして歩く大学生たちがキラキラ眩しかった


私の好きな色は何色だったっけ??

いつから好きな色を選ぶのやめたんだろ??

いつから無難な色を選ぶようになったんだ??



好きな色についてじーっっと考えみた



ピンクと水色



そうだ、私の好きな色はピンクと水色だ


なぜって?

キキララの色だから

キキララ知ってますか?


子供の頃、キキララが大好きでした。

キキララの小さなポシェットをとても大切にしていたことを思い出しました。


ああ、そうだ、私ピンクと水色が好きだった。



今ではまっくろくろすけの私も

学生の頃は、ピンクのパーカーを着たりしたこともあったのです(笑)


「無難」を選ぶようになったのはいつからだろ?



***

思い出したのは、とある会社で働いていた時のこと

何ヵ国語も飛び交うその会社で

私は自分に全然自信が持てなくて

目立ちたくなくて

いつも真っ黒な服ばかり着ていました。


ある時、

トイレで一緒になったのは

いつもハイヒールの靴をコツコツと鳴らして

素敵なお洋服を着て、綺麗なネイルをした

隣の部署の先輩


先輩は私の頭のてっぺんから足の先まで舐めるように見て

一言二言、言葉を交わして去っていきました。


次の日、

その先輩は大きな紙袋を2つ私の席に持ってきて

「この服、もう着ないからあげる」

そう言って、たくさん服をくれたのです。


私にはどれも派手すぎて

ほとんど着られなかったのですけど

一度だけ、先輩にもらった服を着て出社すると

先輩はとても喜んでくれて

実は、ちょっと怖いなと思っていた先輩だったから

本当は優しい方だったんだって思ったのです。


でね、

この時、私は思ってしまったのです。


黒い服を着て、目立たないようにしていれば

嫌われなくて済むんだって。

優しくしてもらえるんだって。


本当に嫌われることが怖かったのですね。


そんな風に思って生きてきた自分が

何だか、とてもかわいそうに思えて


好きな色を選ぼうよ

好きな色を選んであげようよ

自分のために


心からそう思ったのでした。




そうだ

今度、水色のブラウスを買おう

自分のために

肌ざわりの良い

柔らかな天然素材のブラウスを





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