期待についての散文
思えば期待することに疲れただけであった。裏切られたくないだけだった。恋は宗教で、君は神様だったけど、ほんとは僕たちは人間だったから成り立たなかった。
期待してないわけでもしたくない訳でもできないわけでもなかった。
期待するのに、こうなってくれればという思いが叶わないことに疲れただけだった。
こうしてよって言いたかったし、俺を助けてよと言いたかったが、また叶わないくらいなら黙っている方が傷つかないだけだった。
「他人に期待するな」かなり前からインターネットに広がっている論な気がする。
「自分の機嫌を自分でとる」とかも。
「他人が自分の人生を勝手に助けてくれる訳ないんだからそんなの待つのはくだらない」
「他人は自分の気持ちがわからないのだから理解されるのを待つのはコスパが悪い」
「他人が自分の思い通りに動いてくれるわけはないのだからそれを悲しむのはおかしい」
でも本当はあなたも私も、世界の全てが自分を愛してくれればいいのにって思ってるはずなのに。
でも叶わないから。少し強い言葉で隠してるだけだったんじゃないか。
「他人に期待するな」
「自分で自分を愛して丁寧に機嫌をとって生きろ」
たしかにそうだけど。わかるけど。
でもほんとはそんなことしたくないじゃないか。
赤ん坊のように泣き喚き、世界に、慌てふためいてそれを止めるために必死になって欲しいんじゃないか。
嘘をつきたくないって思った。俺はあなたに期待したい。助けてくれるって。世界に期待したい。叶わなかったけれど、それでもいつかって思うくらい許されないのか。許される期待ってなんだよ。
俺が悲しそうだったら察して愛して欲しい。ほんとはみんなそうじゃないか。違いますか?でもそれが、現実になるなんて信じられるわけなくて。ああ、疲れたねって。もうこんなのやめよって。
「他人に期待するな」
「愛してください。無理ですか。それなら一人でがんばって生きます」
言葉にするのもやめたら伝わるわけがない。
願わなければ叶わない。願いと期待は違いますか?
祈りは?俺の神様になってくれないんですか?
あなたも人間だったんですか。僕と同じだったんですね。ガッカリです。
なにも信じられないからこうなったんじゃないか。
なにも成し遂げることができないから。人と関わってもいいことないとか本当は思いたくない。
愛される人は、多分無責任に人を信じてる。あの輝きが欲しかったね。
あれ?これってもしかして「愛されたかった」に帰着するんですか?ほんとうにやめてください。勢いで進めてたらそこに辿り着くのは、ほんとにやめてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。 あなたの心に何か残れば幸いです。