光造形3Dプリンターと格闘した話 part3

私が所属している研究室に今年度から光造形3Dプリンタが設置されたので、使ってみた感想やら体験談やらをつらつら書いていこうかと思います。
 こんな記事書くと思ってなかったので写真があまり残っておらず、文字ばっかりです。
 今回で最終回です。「VS 透明レジン」と「色付き水洗いレジンを使ってみた話」、最後にまとめをお送りします。


5th round 「VS透明レジン」


 さて、前回の記事で書いたように、今回印刷したのは高専プロコンに出す製作のハードウェアのパーツなのですが、それの1つが写真のようなものになります。

猫耳

 これは猫の耳を模したもので、よく見るマイクロサーボSG-90に下のでっぱりの部分を直で刺して動かすものになります。
 そうなると、3Dプリンターの精度が問われるわけですが…印刷したものをサーボにさしてみたところ、まあ刺さりませんでしたね。はい。やはりそこまで細かい精度は出なかったようです。ですが、今回のうまくいかなかった原因はそれだけではなかったかもしれません。というのも、使用しているレジンが透明レジンなので、本来光が当たってほしくない場所や、当たる予定ではなかった場所にも光が透過して当たってしまう現象が起きていたと考えられます。それによって、垂れてきたレジンがいらない場所で硬化してしまったり、本来は穴が開いてほしいところが埋まってしまったりしていました。そういった面で考えると色付きレジンの方が扱いやすいかもしれないですね。
 ただ、もちろん透明レジンでもわりと大きなものの印刷もできていました。

猫のしっぽ

 この猫のしっぽなんかも印刷してみましたが、大きくなるとその分重量は増えますね。結構重くなりました。


色付きレジンを使ってみた話

 時は流れ、色付きの水洗いレジンを購入して使ってみたのでその話を使用かと思います。
 色付き水洗いレジンを選んだ理由は、先程の透明レジンで起きていた光透過問題が起きないことや、もちろん印刷したものが色付きで出てくること、水洗いレジンならアルコールでふき取るよりも楽に後片付けができると思ったことなどがありました。
 実際に作って一連の作業をしてみた感想としては、透明レジンでうまくいった設定だったこともありますが、印刷ミスがほぼ無く印刷したものの後処理も水で濡らしたキムワイプでふき取って乾かすだけで終わるのでかなり楽でした。穴が開いているものを印刷すると、だいたい穴が狭まった状態で印刷されていました。ですが、印刷したものが比較的柔らかいので穴の拡張も簡単でした。

 ただ、結局その処理水もそのまま下水に流してはいけないようで…その地域の条例によりますが、確実なのは処理水を天日干ししてからろ過した処理水を流すというものらしいです。結局めんどいのはめんどいですね。

まとめ

最後に光造形3Dプリンターを使ってみた感想やまとめを書いて終わりにしたいと思います。
 ・FDM(積層)方式のプリンターよりも積層感が少なくきれいにできる
 ・強度も割と高くなる
 ・印刷にかかる時間が、FDM方式だと体積依存だが、光造形だと高さ依存になる
 ・光造形を使うなら、初心者は無難に色付き水洗いレジンがオススメ
 ・透明レジンは面白みやロマンはあるが、難しいので慣れてからがよさそう
 ・水洗いじゃないレジンだとアルコールの用意が大変
 ・水洗いじゃないレジンは粘度が高いので垂れてくるのを待つ時間が長かったりふき取るのが面倒


こんな感じでした。以上で3部構成にわたった光造形3Dプリンターと格闘した話を終わりたいと思います。長々とありがとうございました!

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