光造形3Dプリンタと格闘した話  part2

私が所属している研究室に今年度から光造形3Dプリンタが設置されたので、使ってみた感想やら体験談やらをつらつら書いていこうかと思います。
 こんな記事書くと思ってなかったので写真があまり残っておらず、文字ばっかりです。
 たぶんまあまあ長いので複数回に分けます。

今回は「VS 照射時間」と「VS サポート材」をお送りします。


3rd round 「VS 照射時間」

  さて、前回は記念すべき第1回目の印刷をしてみたところ、全くできていなかったという結果でした。
 原因はおそらく硬化させる光の照射時間が短かったことだろうと推測し、推奨値よりも長くしてみることにします。ちなみに、前回は一層あたり5秒で照射していましたが、2秒増やして7秒としました。もちろんその分かかる時間も増えるので待ち時間も増えます。再度印刷準備をし、印刷を開始。推奨値の範囲を超える時間にしているので、まあできるでしょう考えながら完成を今か今かと待ちました。
 さあ第2回目の印刷結果は…なんということでしょう。第1回目のときと同じくなーんにもできていないじゃないですか。なんでだ。推奨値から比べればかなり長くしているはずだと。これでもまだ足りなかったということなのでしょう。さらに時間を延ばして再挑戦…と行きたいところでしたが、時間の都合で次のトライは別日になりました。そのため、この日はすべて片付けました。タンクに残っているレジンはろ紙でろ過してもともと入っていたボトルへ戻し、印刷台やレジンタンクなどはアルコールでふき取りました。
 そして来たる別日、3度目の印刷に挑戦することに。7秒でダメならいっそ10秒だ!ということで、照射時間を10秒にしてトライ。5秒のときと比べて印刷時間は倍になりますが、何度もレジンと時間を無駄にしないようにするには仕方ありません。セッティングを済ませていざ印刷へ。印刷時間もなかなか長くなってきたので、このくらいからは1日に1トライが限界になってきます。
 印刷が完了して、印刷台を見てみると…なんと!何かがくっついているではありませんか!しかし立方体のような形にはなっておらず、ねじれたようななんとも言えない形でした。とはいえ、全くできていなかったところからものが出てきたところまで来たわけですから大きな進歩です。
 ちゃんと印刷できる段階が見えてきたので、思い切って照射時間を15秒まで伸ばしました。もう初めのときから見たら3倍ですね。まあ精度を出すには時間という代償が必要です。
 結果は…しっかり印刷できました!しっかり出せるのが推奨値の3倍になるとは…まあとにかく印刷がしっかり出来る時間設定がわかったので、長かった照射時間との戦いが終わりました。ちなみに1週間に1~2日のペースでやってるので2週間くらいかかってます。

ちゃんと印刷できる時間がわかった所で、ちょっと遊んでみることにしました。
 中を空洞にできる設定があるので、試してみたり、「3D」という文字を出してみたりしました。透明レジンだったせいで光が透過し、本来は光を当てない場所にも光が当たってしまったことで空洞にはなってませんでした。まあ仕方ないですね。

4th round 「VS サポート材」

 遊んでいたときに、トライフォースを出してみたのですが、そのときにサポート材を付けて出してみましたが、しっかりできてました。 
 サポート材も問題なかったので、いよいよ実際に使うものを印刷していきます。第34回高専プロコン福井大会に出場するので、それに使うパーツを作りました。イメーシとしては、猫や馬の耳やしっぽです。ひとまず猫耳を印刷してみることに。サポート材をなるべく減らしたいので、印刷時の角度を調整していい感じのところを探しました。照射時間は12秒でいざ印刷。8時間程度かかるようでしたのでその日は帰宅し次の日に見に来ました。どんな形でできているかワクワクしながら見てみたところ…なにもできてない!本体はおろか、サポート材もできていませんでした。どうしたものか。見たところ、細すぎてできていないようでした。てなわけで太くして再挑戦。再び次の日、やっぱり出来てない。なぜなのか。サポート材の角度を調整したりして更に再挑戦。ここに来てやっと上手く印刷できました!何度かやっているうちにわかったことは、

 ・サポートの角度が浅いと上手くできにくい
 ・サポートの感覚が近いとレジンが溜まってしまい、余計な塊ができてしまう。

ということです。なので、「適度な間隔」と「ちょっと水平に近めの角度」で印刷すると上手く行きやすいです。

 とりあえず数打ちゃ当たる戦法でどうにかサポート材問題もクリアし、だいたいしっかり印刷できるようになった…かと思いきやまだ問題は残っているのでした・・・


と言ったところで今回はここまで。次回は「VS 透明レジン」、「色つき水洗いレジンを使ってみた話」をお送りして3部構成に渡った3Dプリンタと格闘した話の最終回としたいと思います。

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