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あさひ市で暮らそう33 シェアキッチン

 イオンタウン内にある『めとはな』は楽天堂が経営するシェアキッチンという新しいスタイルのお店である。

 これから『つくる』を楽しめる人を増やす『芽』、そこから『華』となり店舗や販売を手掛ける人を増やす『芽と華』。

 みんなの近くの店である『目と鼻(の先)』。

 食を視覚と嗅覚で楽しむ『目と鼻』。

 そういうコンセプトの元、厨房設備や販売スペースをシェアして食に『温かい心』を持って『安心』なものを届けることでみんなに『繋がり』それに『挑戦』するスペースだ。

 隣にはデイサービス施設『わだち』(こちらも楽天堂経営)があり、その関係者や家族はすでに途切れることなくそこを行き来しているし、数年後には老人ホームもイオンタウンの南側に隣接されるため、今後の発展と宣伝力が見込めそうでもある。


 現在、曜日ごとにシェアしているユーザーと販売スペースを利用しているユーザーがいて、いつもカラフルな商品で賑わっている。また『よろずkitchen』は楽天堂スタッフが材料や味にこだわりお弁当から惣菜まで、そして和洋中にこだわらず幅広く提供しているので、購入者の目を飽きさせることはない。食事物、おにぎり、お菓子、パン、デザートと日々楽しませる品揃えだ。

 軽食やお弁当やスイーツの大量注文にも対応が可能で、注文によってシェアユーザーに相談して最適な商品を提供している。こうしたことができるのも、幅広いシェアユーザーのおかげである。


 イオンタウンの駐輪場では鼻歌を歌いながら家まで待てずにパックを開いていた洋太は、はすでに数度目の「う巻き卵」買い食いをしている。『昇月ビアスタンド』が提供するそれは出汁がきいていて甘さの具合がうなぎとマッチするごくうま卵焼きである。


 確かに腕に自信があっても始めから店舗を借り切り厨房設備を用意し販売店員を雇用するとなるとかなりハードルが高い。それを『まずやってみよう』と思えるのは、これから羽ばたく若者にも第二の人生を楽しむ人にも入りやすい門扉となっているに違いない。

 また、持ち込みによる委託販売スペースもあるので、すでに店舗を持っているが宣伝に使いたいという人も利用できる。

 まさに『挑戦』に適した施設だ。


「ミユキさん。こんにちは」


 水萌里はニアミスで洋太のご飯前買い食いを知らずに『めとはな』にやってきた。ローカルチャレンジャーでミユキと仲良くなった水萌里は金曜日に時々訪れては、ほろほろクッキーとその日のマフィンを買っていく。水萌里は楽しそうに忙しくしているミユキに手を振って店を後にした。


 この『めとはな』にて毎週金曜日に『communeこみゅーん』という店名でお菓子を提供しているミユキは令和四年の夏からキッチンシェアユーザーとなったのだが、美しい見た目と優しい味わいのお菓子たちはとても魅力的で好かれている。

 それは何より彼女が『love』を心に抱いているからだろう。彼女の根本には『自分ではない誰か』に向けて『幸せを届けたい』『幸せを届けるお手伝いがしたい』『笑顔にしたい』『元気にしたい』という気持ちがある。それを表現する手段が今はお菓子であるのだ。

 夏にはピンクのカワイイ「ももゼリー」、秋にはメイプルシロップ付き「モンブランプリン」と、粉ものだけでなくカップデザートが華やかさを加えている。

 お菓子はもちろん美味しいのだが、特に午後から販売される自慢のキッシュは彼女こだわりのスタイルである。スタイリッシュなカフェメニューであるとの印象を持たれるキッシュだが、彼女の手にかかればランチや夕食のおかずとなる分厚さと具材で元気が出る一品になる。彼女が海外で受けた衝撃そのもので旬の野菜やお肉がゴロゴロ入っていた。『めとはな』を利用したことでこのキッシュを手掛ける勇気が持てたことは彼女にとってとても大きな収穫であろう。

 彼女は様々なマルシェにも出店しているが、時々営む一日カフェで出すキッシュプレートはサラダとマフィンが付いた健康メニューでいつでも即売である。


 ミユキはローカルチャレンジャーをシェアキッチン仲間に勧められて参加することにした。ローカルチャレンジャーでは何度も何度もメンバーの前で発表をする。そうして自分の思いを口にすることによって、自分の中の核心を確認できていくとやりたいことやできることが見えてくるのだから、言葉というのは不思議なものだ。

 ミユキは自分を深堀りしていくうちに、自分の『love』を表現する手段として詩や言葉やアートがあることを思い出した。


『私の心を伝えてメンバーの心を動かすものを作ろう』


 ミユキは早速プレゼンテーション画面を好きな画像で制作してみた。動きを加え、順番を考え、タイミングを見る。こうしてできあがった画面が大きなスクリーンに映し出されると「おお」「わぁ」と声があがり、ミユキ自身も心が震えた。


『もっともっと表現していきたい! 情報を発信していきたい!』


 ミユキはやる気に満ち溢れていった。


 ☆☆☆

 ご協力

 楽天堂様

 めとはな様

 デイサービスわだち様

 よろずkitchen様

 昇月ビアスタンド様

 communeこみゅーん様(一日カフェにつきましてはこみゅーん様のインスタをご確認ください)


 

 

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