ひとさまのエモを言語化する企画(テスト)

こんにちは。カニ(@uminosachi_uni)です。

ずっと動かしてないnoteの存在を思い出しまして、この前Twitterで呟いた「依頼を受けてひとさまの言葉にできないエモを勝手に言語化するやつ」をやってみることにしました。

今回はテスト版(お試し)です。リアルのお知り合いから「なんと言っていいかわからないけどエモい童謡」を教えていただいたので、なんでエモいのか勝手に考えてみたいと思います!

今回はこれです。作詞:田中ナナ 作曲:中田喜直『おかあさん』http://j-lyric.net/artist/a00126c/l0010ae.html

(歌詞の転載はおそらく問題があるので、リンクからご覧ください)

童謡『おかあさん』のエモさを言葉にする

①子ども時代の原風景

歌詞はとてもシンプル。おかあさんとその子どもの会話で、「おかあさんていいにおい」と言う子どもに、おかあさんが「◯◯のにおいでしょ」と答える。このやりとりが、幼い頃の幸せな記憶の原風景を連想させてエモい。

というのも、嗅覚刺激を処理する脳領域は、記憶をつかさどる海馬と隣接している。そのため、懐かしい匂いは忘れていた記憶を呼び起こす。特に、子どもの頃の記憶を思い出しやすいそうだ。

子どものかわいらしい感想や、母のやさしくあたたかい返事がエモいのはもちろんのこと、「この子は将来自分で卵焼きを焼いたり洗濯したりしたとき、おかあさんとのやりとりを思い出すんだろうな」と思わせてくれるのでエモい。

②母と子の語彙のちがい

童謡は、子どもとおかあさんが交互に話す形式。このふたりの、ことば選びのちがいがエモい。

おかあさんが「せんたくしていたにおい」と表現する匂いを、子どもは「しゃぼんのあわのにおい」と表現する。おかあさんにとっては自分の匂いは家事と結び付いているのだけど、子どもはもっと具体的で親しみのある物と結び付いている。このことばの差が、親密な母子関係や子どもの天真爛漫さを思わせる。

「この子はしゃぼん玉で遊ぶことや、おかあさんのつくる卵焼きが大好きなんだろうな。おかあさんは忙しく家事をしながらも、この子の問いかけに答えているのだろうな」と思わせてくれるのでエモい。

③役割と行為と匂い

おかあさん(社会的役割)、洗濯と料理(行為)、しゃぼんと卵焼き(匂い)の三角関係が生み出すハーモニーがエモい。

そういえば小さい頃って、おかあさんのこと「おかあさんという生き物」だと思ってませんでした? あれってどのタイミングでおかあさんも自分と同じ人間だと気づいたんでしょう?

きっとこの子もまだ気づく前で、しゃぼんの匂いや卵焼きの匂いを、おかあさんそのものの匂いだと思っている気がする。でも実際には、おかあさんが家事をするなかでまとう匂いなのだ。「おかあさん」が存在するだけで発するものではなく、おかあさんが洗濯や料理をするからこその匂い。

おかあさんの匂いって実は、母が子どものためにしてくれた行為の匂いなのかも。家事の匂い、育児の匂い、お仕事の匂い、ほかにもいろいろ。ひとりひとりちがう。そんなことを思わせてくれるのでエモい。


以上、童謡『おかあさん』のエモさを勝手に語るやつでした!こんな感じでよければネタを投げてください。お好きなエピソード、歌詞、物語、推しなど。

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