東京ファンタジックブラスバンド第11回演奏会湿度高めの感想~ライザ交響詩とスペースチャンネル5パート2そしてカニノケンカ~
こんにちは。本日、2024年10月6日日曜日、多摩パルテノンに東京ファンタジックブラスバンド第11回定期演奏会を聞きに行っておりました。推しの楽団はいくつかあり、例えばアークハイブさんの定期演奏会にはほぼ必ず行っていたりするのですが、東京ファンタジックブラスバンドを知るきっかけとなったのは、いつだかに開催されたゲームミュージック楽団が集まったコラボ演奏会でのことでした。
『へえ、次回の定期演奏会は、ライザのアトリエ』
日程的にも大丈夫そうだったので、その後チケットをすぐ予約して行ってみることにしました。ライザのアトリエを1~3まで聞けることってそんなにないからです。なので前の方のチケットを取りました。
ところが気軽にチケット登録した東京ファンタジックブラスバンド。とんでもなくいい吹奏楽団だったのです。
とにかく最高だった第11回演奏会
パルテノンに行って当日、まず驚いたのは曲目の多さでした。ゲームミュージックの演奏会はメドレーが多くなりがちなのでが、それにしたってぱっと見50曲以上はあるよね? 多くない? そしていきなりの「ゼルダの伝説 ティアーズオブキングダム メインテーマ」。音圧がすごい。個々の技量が高い。ブレがない! すごい完成度!
いきなり東京ファンタジックブラスバンドの魅力に引き込まれて言ったのでした。
激熱の『カニノケンカ メドレー』
Vtuberさんなどがちょいちょいやっていたのを見ていたので、ゲームの内容と存在は知っていた「カニノケンカ」。不死身のカニとなって武器を持って戦い、全てをひっくり返し最強のカニを目指すゲーム。なんとそのゲームに魅せられて、世界大会まで優勝してしまった方が団員にいらっしゃって、今回演奏することになったとか。「カニノケンカ」が聞ける楽団はおそらくここだけじゃないのか。
演目は
・Knight Crab
・Great Monster
・California roll(Remasterd GUN-KAN mix)
世界大会優勝者が奏者として参加するメドレーは、「どうだカニすごいんだぞ!」というものすごい圧で、まぐろを圧倒していったのでした。
『スペースチャンネル5 パート2』より
曲目は
・Mexican Flyer
・ツナグココロ
・THIS IS MY HAPPINESS
とにかく作品への解像度が高すぎて、選曲して物語としてまとめるならこの3曲しかない! という3曲が選ばれていたと思います。
うららちゃんの小芝居をしていたお姉さんもめっちゃうらららしい動きにセリフ、ヒューズは本物かと思ったし、スペース大統領の歌もよかったです。モロ星人もかわいかったです。台本の解像度が高すぎてほんとにスペースチャンネル5。これだよ! これがみんなが見たかった聞きたかったスペースチャンネル5だよ! たった3曲で『スペースチャンネル5 パート2』をプレイした気持ちになりました。
みんな! 銀河の果てまでウキウキ大行進よ!
交響詩『ライザのアトリエ』
第三部、最後の演奏、トリを飾ったのは交響詩『ライザのアトリエ』。コーエーテクモの「ライザのアトリエ」秘密シリーズ1~3のメドレーなんだろうな、と思って曲目のリストを見たとき、湿度の高い厄介オタクのまぐろは「ハンドサイン」入ってないの?? なんでなんでなんで?? となりました。曲目は
・ひと夏の大冒険 (ライザのアトリエ 常闇の女王と秘密の隠れ家)
・秘密の隠れ家 (ライザのアトリエ 常闇の女王と秘密の隠れ家)
・薫風けせらせら (ライザのアトリエ3 終わりの錬金術師と秘密の鍵)
・海風を背に受けて (ライザのアトリエ2 失われた伝承と秘密の妖精)
・啓蟄、嬰の足 (ライザのアトリエ 常闇の女王と秘密の隠れ家)
・穀雨、麦の風 (ライザのアトリエ 常闇の女王と秘密の隠れ家)
・芒種、鼠黐の薫風 (ライザのアトリエ2 失われた伝承と秘密の妖精)
・夏に還る景色 ~from 秘密の隠れ家~ (ライザのアトリエ3 終わりの錬金術師と秘密の鍵)
・Epoché (ライザのアトリエ3 終わりの錬金術師と秘密の鍵)
・よし、出発! ~from ひと夏の大冒険~ (ライザのアトリエ3 終わりの錬金術師と秘密の鍵)
・新しい大冒険 ~from ひと夏の大冒険~ (ライザのアトリエ2 失われた伝承と秘密の妖精)
けれど、リード文の「ライザのアトリエ」シリーズのテーマにもなっている、「ひと夏の大冒険」「秘密の隠れ家」を軸に制作したメドレー、との言葉を読んでものすごく納得しました。限られた曲数の中で、この選曲をした人は天才です。ライザシリーズをプレイした方なら分かると思うのですが、TFBさんが軸として意図した選曲と構成が見事になされているからです。
「ライザのアトリエ」は、おおむね明るいひと夏の冒険が描かれるのですが、同時に切ない部分、どうにもならないこと、やがて来る別れ、先人の罪、無力さ、そういったものも描かれていて、ファンはそういうウェットな部分にも魅力を感じていると思います。
まぐろ的解釈では、今回のTFBさんの交響詩『ライザのアトリエ』は、ライザシリーズのもっと本質的なオーソドックスで明るい部分、隠れ家を作って、錬金をして、冒険をして、帰ってきて、また冒険に行って、風を感じて、ラスボスを倒して、そしてまた新しい冒険へ出発しようよ! というメッセージが見事に表現された選曲が、交響詩としてまとめられている、と感じました。
観客の聞きたい曲、とか、人気のある曲だから、とか、リクエストされたからとりあえず、とかではないどこまでもテーマに沿った選曲が、ものすごいよかったです。
演奏がはじまると、「ひと夏の大冒険」のファンファーレに引き込まれ、圧倒的な音圧、一糸の乱れもない演奏、本物の音源みたいなフルートに、嘘みたいにうまいホルン、いろんなものに圧倒されて、気付けば涙が止まりませんでした。おそらく20分くらいの間に、ライザのアトリエシリーズをプレイした1000時間の思い出が駆け抜けていったような気がします。まぐろにとっては、吹奏楽によるいままでのゲームミュージックの演奏会で最高の演奏会の一つになりました。この交響詩『ライザのアトリエ』をもとに、まぐろなりのプレイリスト交響詩『真・ライザのアトリエ』を作ると思います。
あえて記事にしたのは
今回、noteの記事として東京ファンタジックブラスバンド第11回演奏会を残そうと思ったのは、こんな湿度の高いファンがいることが認知されれば、「スペースチャンネル5」や「ライザのアトリエ」を、もしかしたらまた、演奏してくれないかと思うからです。また、こんな素敵な演奏会の思い出は思い出としてあっても、それを思い出すための記録として、ぜひ残しておきたいと思ったからです。今回の演奏会で、東京ファンタジックブラスバンドのファンになってしまったので、一年半後の第12回演奏会を楽しみに心待ちにしたいと思います。