プリパラの曲をまじめに考えてみた①トンでもSUMMER ADVENTURE

こんにちはぷり。
需要があるのかわからないけどプリパラの曲の歌詞をまじめに考えてみていくことにしたぷり。
考察にも満たない妄想であることを最初にお詫びしておくぷり。
1曲目は名曲ドレッシングふらわーの『トンでもSUMMER ADVENTURE』ぷり。
じゃあ早速行くぷりよ。

●夏の冒険物語を描写する1番
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(1番)
夏が来たぞい 冒険するぞ
知りたいコトなら 山もりもりあるもんっ
宝の地図は暗闇でGet
突然出会ったあれはデカスイカ!?

ハラハラワクワクの
交互シマシマ模様だね
DEAD OR ALlVEだぁ!
この先の展開どんな? 待てないよ はしゃいで Diving!

トンでもSUMMER ADVENTURE
さぁ!みなさま! フル装備で
ガチマジHappy駆使していこう
両手上げて青空Push〜!
ブッとびSUMMER ADVENTURE
絶景かな? 絶景だ!
スリルと背中合わせで上等
エイヤー!ヘイヘイ! 踊ろう
君の価値はいつでも絶対 どんな時も先頭立って
どんと行こう
真剣挑戦泳ぐぞ〜 GOGO!
(スイスイミング スイスイクロール スイスイスイ浮き輪でスイスー)
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「夏が来たぞい」で始まるこの曲はまさしくこれは夏の曲であることを聞き手にわからせる。
「ハラハラワクワク」「ガチマジHappy」など、夏にふさわしい言うなれば「陽」の言葉が散りばめられており、子どもたち(プリパラだから女児たちであろうか)が元気いっぱい冒険する姿が目に浮かぶ。

●視点が一転する2番
ところが、2番から様子がおかしくなる。
どうやら、成長し大人になった「私」が過去を懐かしんでいるかのような歌詞となるのだ。

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(2番Aメロ)
思い出したよ 手にした地図は
小さいあの頃 信じてた希望
笑われたっていいやと描いた
ラクガキみたいな夢の道順
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「浮き輪でスイス〜」からのこの変わりようである。
ここで1番にでてきた「宝の地図」は実は「小さい頃信じてた希望」、つまり妄想だったことが明らかになる。
1番で描写されていた冒険は実はフィクションであり、幼い頃描いた夢に過ぎなかったのだ。(「デカスイカ」という現実ではありえないものが登場していたことにも説明がつく!)

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(2番Bメロ)
豊かな時代です
でもねその分お悩みは…増えちゃう
探るべき場所は私の胸の中 ピンポイントで!
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この2番Bメロの歌詞は特に、プリパラの世界においては少々異質に感じる。
「豊かな時代だ」と思うのは相対的な感覚である。つまり必ず昔と比べて、という対比が想定されてるわけだ。
ぶっちゃけていうと、見るものすべてがまだ新鮮な今を煌めく女児たちが「豊かな時代だな~」なんて思うだろうか?
ということからもやはりここでの主体は(今、冒険している)女児ではなく、昔と比べて豊かな時代になった、でも昔よりも悩みは増えたと感じている、かつて女児であった大人なのではないだろうか。
ここでいう「豊かな時代」というのは、技術が発達し便利なものが増えて簡単に人とつながれるようになって…という世の中のことでもあると思うし、
同時に、成長し、できることが増えていった自分自身のことでもあると思う。
豊富な知識を持ち自分でできることが増えた、けれども、小さい世界の中で待ち受ける未来への希望に満ち溢れていた、かつての自分の方が幸せだったのではないか、という視点だ。

ここで、この曲における「冒険」が意味するところについて考えたい。
私は、1番(女児)の冒険とは、世界・未来を想像する行為、
2番(大人)の冒険とは、自己を見つめ直す行為であるように思う。
「知りたいコトなら 山もりもりあるもんっ」「笑われたっていいやと描いたラクガキみたいな夢の道順」とあるように、きっと世界はこうなっているんだろうな、未来はこうなってほしいな、と想像を膨らませる1番(女児)。
対して、2番(大人)では「探るべき場所は私の胸の中 ピンポイントで」となっている。自分の内面への問いかけである。
かつては未来への希望に満ち溢れていたが、今はたくさんの悩みに苦しんでいる。それを時代や社会のせいにしてしまうのは楽だけど、いや、根本では社会が原因にあるのかもしれないけど、探るべき場所はきっと自分の胸の中、自分と向き合うことでしか答えは出ない――そのようなメッセージが込められているのではないか。

●自分と向き合う行為が世界の理解に繋がっていく

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(2番サビ)
トンでもSUMMER ADVENTURE
イチゲンサマ問題ない!
冒険したい気持ちは一緒
やり方なんてそれぞれです
カンペキSUMMER ADVENTURE
タイミングも バラバラ
思い立ったら吉日なんだ
エイヤー!ヘイヘイ! 最初の一歩はもう
勇気になった
二歩目はほら好奇心で
リズムにのって
そこら全部潜るぞ〜 GOGO!
(ホリホリホリ ホリ進め ホリホリホリあちこちホリ〜)

ソウカ!きっと世界は想像よりも
広く 深い 空の 向こう
次の宝 見つけた
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「冒険したい気持ちは一緒」、ここでの「冒険」は女児にとっての冒険、つまり世界・未来を想像する行為としての冒険だ。夢を見ると言い換えてもいい。
「冒険したい気持ちは一緒」とはつまり「夢を見たいという気持ちは(子どもも大人も)一緒」ということだ。そして、大人になって世界を把握したつもりになっている私が、自分と向き合い、自分の深淵を探っていく(「ホリホリホリ ホリ進め」)ことで、自分が本当は狭い世界の中で生きていることに気づき、新たな世界へ目を向け(「ソウカ!きっと世界は想像よりも広く深い」)、新たな夢を見つける(「次の宝 見つけた」)。
「次の」というところがポイントで、夢はひとつではないことを示唆しており、ひとつの夢を叶えたら(叶えてなくても)また次の夢へ、という希望が込められている。同時に「大人になっても夢を見ていいんだよ」という優しさも感じられる歌詞となっている。

もう1つ付け加えるなら、この曲で終始貫かれているのは「自分を一番大事にして」という価値観だ。
自分が一番大事というと語弊があるかもしれないが、「君の価値はいつでも絶対」「やり方なんてそれぞれです」「タイミングもバラバラ」とあるように、人それぞれ固有の悩みがあり、欲望があり、夢があるわけで、同じタイミングで「冒険」に乗り出す必要はない。自分の欲求に忠実に、好きなタイミングで「冒険」していい、でも忘れないでいてほしいのは、どんな時にも君には絶対の価値があるということ――これはプリパラという作品自体に通底するテーマではなかろうか。


…以上はぜ~んぶ私の妄想なのでほんとはぜ~んぜんこんな意味じゃないかもしれないぷり。
とにかくかわいくて楽しくてHAPPYな曲なので、みんな聴いてみてぷりね。