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妊娠という奇跡と、流産という現実の話 4/6

46歳で初めての妊娠と流産を経験した話。今回は稽留流産と診断されてから1週間の出来事です。

稽留流産診断後の不安

次の健診までの間は、かなり不安な気持ちだった。この後どういう症状が起こるのかが不安だった。

病院で言われたのは、「1週間後までに出てくるかもしれない。」「その時にはかなり痛みがあって、出血も多い。」「その場合、昼間なら来てもらえるが、夜間なら救急になる。」ということだった。

救急に行くほどの痛みと大量出血なのか、不安になって聞いてみたら、人によるけど、出血が多いと不安になる人も多いから。とのことだった。

よくわからないけど、わからないと余計に不安だから、ネットで稽留流産についての情報を色々と調べてみた。

一般的に稽留流産と診断された場合、自然に出てくるのを待つか、処置手術をするかに別れるが、現状では処置手術をする方が比率としては多いらしいことを知る。待機する場合、待機期間には個人差が大きく、自然流産が起こるまで1週間以内の場合もあれば、2ヶ月経っても出てこないこともあるらしい。

処置手術の場合は、前日に入院することもあれば日帰りのこともある。事前に子宮口を広げる処置を行って、子宮内容除去を行うとのこと。

個人的な気持ちとしては、人工的な処置よりも自然に任せて出てきてくれる方が良いと思っていた。

婦人科は非常にプライベートな部分なので、仕方がないとは言っても何回行っても慣れるものではない。処置にはなおさら抵抗感がある。自分と子供についての最初で最後かもしれないことだからこそ、余計にそこは自然に任せて完結させたい気持ちがあった。

でも、当然のように処置に移行するような流れだし、比率としても処置の方が多いという。それは何故なのだろう?

自分の意向と現状のスタンダードが異なっていても、異議を唱えるほどの知識さえ無い。でも違和感を覚えるから何故かを知りたくてさらに検索した。

自分なりに理解したことは、妊娠については早く子供が欲しいと焦る場合が多い。自然排出はいつ起こるかわからないし、起こっても一部が残ってしまう場合がある。その場合は、残留物の除去処置のため、結局手術をする必要がある。そのため、不確実性のある自然流産を待つよりは、早く確実で、次の妊娠へと区切りをつけやすい処置手術が選択されやすいのかなあ、ということだった。

でも私の場合、積極的に次の妊娠へのアクションを起こす気持ちは無かった。

今回の妊娠が奇跡的だったと思っているだけに、次の奇跡が起こる確率はさらに低いと思っていた。それだけに、今の状況が少しでも納得いく形で終わって欲しかった。

ただ、待機するにしても、期間の幅が1週間〜2ヶ月は広すぎる。一般的な待機期間比率はどの程度なのかが知りたくて調べていたら、母数は少ないが統計的な研究結果がウェブ検索に引っかかってきた。

妊娠初期流産に対する待機管理療法は手術療法にかわる標準治療になりうるか


ここで見ると、約95%が6週までの間で自然に完全流産。診断後2週間での確率が約75% となっている。

私の場合は、8週末での稽留流産で、10週目にそのことが判明しているからその時点ですでに1週間以上が経過している。翌週に確定診断を受けた後に、処置をどうするかを決めるということなので、その時点で約2週間。自然排出に進行してもおかしくない期間が経っている。その時点で出てきていなければ、子宮内容除去手術を進めることになる。

ということは、次の診察までの間に3/4の確率で出てくるかもしれないということになる。可能性が高いとは言っても、どのように出血があるのか、不安は尽きない。

経験もないし情報もあまりない。仕事に差し障りがでるかもしれないし、どんな状況が起こるのか想像ができない不安感だった。

次の診療予約4日前になると、わずかに出血が見られるようになってきた。でも鮮血ではなく、生理がそろそろ来るかな?と言った具合の、ほんのり色づく程度な感じ。

通常の生理なら、そんな気配があったら数日でドカンと来るから、そろそろかなと毎日ビクビクしていたが、なかなか進まない。

出血の感じも、ほんのり→なし→少し増えた→ほんのり→さらに微量のように、来るのか来ないのかわからない感じが続き、次の診察日を迎えた。


稽留流産の確定

次の診察日、朝イチの予約で通院した。窓口で母子手帳を出してください、と言われて、流産後の処置は保険診療になると言われていたから母子手帳を持ってきていない旨を告げると、あ、そうなんですねと保険証の提示を求められる。母子手帳も結局たった2回しか使わなかったなという事がなんだか微妙にこたえる。

診察室に呼ばれて内診を受ける。「体調はどうですか?」「変わりないです。」「出血は?」「ほんの少し。」という会話をしながらのエコーの結果は、前回と変わりなく、稽留流産が確定した。

「うーん…。残念だけど、仕方がないね」「仕方がない、残念としか言えないです。」お互いにちょっと沈んだ感じで話した。

「とりあえず、この後出てこない場合は処置手術になるんだけど、とりあえず予定を決めますか。」と言われ、お互いの空きを見て1週間後の日付を決めた。

朝、病院に行って、子宮口を広げる処置をして一旦帰宅、その後昼過ぎに再度来院して処置手術を行う流れを説明された。

自然に出てきてほしいと望んでいたが、出てこない場合、お腹の子を意識しながらずっと待ち続ける覚悟もいまいち持てなかった。

1週間後は心拍停止からから3週にあたる。自然流産数について3週間後のデータはなかったが、おそらく8~9割だろうと推測して、その時までに出てこない場合は、処置手術を受けるしかないかと思った。

ただなんとなく、それまでには出てきてくれるような予感がしていた。医者もそのように言って、痛みが強い場合は痛み止めを飲むよう助言された。



知りたかったことや話したかったことがたくさんあった。でも内容がプライベートすぎて、逆に自分に近い人には知られたくなかった。その上で話をする場が欲しかった。そんな内容です。