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ARUNŌ -Yokohama Shinohara-とは?

このたび、株式会社ウミネコアーキは自社事業の一環として、新横浜駅からほど近い場所に建つ旧・横浜篠原町郵便局の跡地を賃貸・改修し、「ARUNŌ -Yokohama Shinohara-」として運営することとなりました。

私たちは中心事業の一つとして「篠原地区」※1 を拠点にエリアリノベーション※2 を推進しており、「ARUNŌ -Yokohama Shinohara-」はその要となるプロジェクトです。

※1 「篠原地区」は、「新横浜駅」「岸根公園駅」「妙蓮寺駅」「菊名駅」を結んだエリアを指しています。
※2 エリアリノベーションは、空き家や空きテナント、空地等を活用して地域にとって魅力的な場を作り、その点を繋げていくことで面的にエリアをリノベーションしていくことを指します。

歴史を振り返る

「ARUNŌ -Yokohama Shinohara-」(以下「ARUNŌ」)はJR新横浜駅・篠原口から徒歩4~5分ほどの住宅地に建っています。新横浜駅というと新幹線の線路を挟んで南北で表情が全く異なるのですが、日産スタジアムや横浜アリーナがある再開発側のエリアではなく、起伏の激しい、坂道や細い道が多いエリアです。

「ARUNŌ -Yokohama Shinohara-」の所在地(Google Earthより引用・加筆)

この建物は元々、1975年に横浜篠原郵便局として生まれました。数多くの郵便局舎を手掛けてきた日本逓信建築事務所(現・ニッテイ建築設計)による設計の建物で、鉄骨造の柱・梁フレームがむき出しになった構造が特徴的です。

旧・横浜篠原郵便局の外観
横浜篠原郵便局の時の平面図

竣工当初から入居していた横浜篠原郵便局ですが、2021年7月に駅前の新築ビルに移転することになりました。この機に知人の紹介で運用を打診されたことがキッカケとなり、現在に至ります。

コンセプトは“未知への窓口”

オーナーさんは当初、取り壊してアパートや駐車場にする案を出していましたが、話を伺っていると、どうやら先代がこの建物を建てたこと、そしてオーナーさんのお母さまも非常に思い入れがあることが分かりました。
また、1975年当時は日本中で地域の要となる場所に郵便局舎を建てている時期だということも浮かび上がってきました。
そしてこの特徴的なデザインも踏まえ、私たちはかつて郵便局だった跡地のポテンシャルを活かして、再活用することに決めました。

郵便局らしさを継承するにあたって郵便局の役割をイメージすると、次の3点に集約することができると考えました。

  1. 地域の人々が送り物を持ち寄る場所

  2. 配達員が送り物を届けるための拠点

  3. 郵便だけでなく銀行・保険など生活の基盤になる場所

ここから、広く「おくる」ための拠点であるとともに、暮らしを支える場である必要性があるのではないか?と思い至りました。そして、この郵便局らしさに、ウミネコアーキが企業理念として掲げる“well-doing”を掛け合わせることで、"未知への窓口"というコンセプトが生まれました。

初めてのヒトと交流したり、体験したことのないモノ・コト・バに触れたり、新しいお店に挑戦したり…ここを訪れれば、きっとまだ知らない自分に出会える。そんなセカイに繋がる窓口があなたを待っています。

ARUNŌ -Yokohama Shinohara- HPより

ただモノを「おくる」だけではなく、自分自身もまた違う場所や価値観に「おくられる」ような場になってほしい。そのためには、様々なことに挑戦しやすい環境を作ることが必要なのではないか? ここはそんな「未知」のセカイに辿り着くための「窓口」でありたい。

“未知への窓口”にはそんな想いが込められています。

「ARUNŌ -Yokohama Shinohara-」のコンセプト

「ARUNŌ -Yokohama Shinohara-」について

「ARUNŌ」には大きく3つの役割があります。

  1. 毎日でも気軽に足を運ぶことができる

  2. やりたいことに挑戦できる

  3. 地域の資源や歴史を深堀りできる

一つ目の「毎日でも気軽に足を運ぶことができる」は、「ARUNŌ」の地域での位置づけを表しています。
目的が無いと入りづらい場所ではなく、ついつい行ってしまうような場所。あるいは行く理由を作ってくれる場所。地域の要となる中心にある場だからこそ、様々な人びとにとっての拠りどころとなり、気兼ねなく訪れられる環境にすることを目指しています。

二つ目の「やりたいことに挑戦できる」もまた、「ARUNŌ」の大きな特徴です。お客さんとして来るだけでなく、ここでたくさんの未知の活動と出会うことで、自身が主体的に行動できるキッカケを見つけてもらえればと思っています。そしてその挑戦のハードルをなるべく下げることで、”とりあえずやってみる”ための後押しになる場を目指しています。

三つ目の「地域の資源や歴史を深堀りできる」は、「ARUNŌ」と地域との関係性の在り方を示しています。「ARUNŌ」に来れば地域の歴史や活躍している人びとを知ることができたり、どんな地域資源があるのか見えてきたりします。それが地域への愛情を育むだけでなく、みなさんが未来を描くために、知りたいこと・繫がりたいこと・やってみたいことのキッカケやヒントになることを目指しています。

これらを実現するように、「ARUNŌ」には「シェアキッチン」「マドグチ(一窓貸し&チャレンジショップ)」「シェアラウンジ」「フローズンカフェバー」「屋外出店スペース」「シェアハウス」の6つのコンテンツが入っています。

「ARUNŌ -Yokohama Shinohara-」の6つのコンテンツ

また、店舗スペースには「模型・展示スペース」を設けています。ここでは地域模型と歴史を知る資料の展示を行っており、「篠原地区」を立体的に理解できるようになっています。
地域模型は、私たちが集めてきた空き家や空地、山林、畑など、不動産の活用に困っている方々の声を見るためにも役立ちます。そうすることで、「ARUNŌ」で挑戦し自信をつけた方々が、その後に実際にお店を出したり、職住一体の住まいにしたりと、活動の場を広げるための手がかりになることを願っています。

「ARUNŌ -Yokohama Shinohara-」平面イメージ


さいごに

ここまで「ARUNŌ 」についての概要をお伝えしてきました。
とはいえ、まずは百聞は一見に如かず!ぜひどなたでもお気軽に足を運んでください。関係者一同、心よりお待ちしております。




竣 工:2022年7月
所在地:神奈川県横浜市港北区篠原町1410
用 途:店舗兼用住宅
主構造:鉄骨造1階建て

企画・設計・不動産・運営:株式会社ウミネコアーキ
グラフィックデザイン:COYOTE 合同会社