言葉

上手く言葉にできなかったけど、
もしも同じ思いをしている人がいるなら、
その人のチカラになれたらなって思って書きます。

私は、中学生になると同時に運動部に入った。
1年生は私しか居なかったけど先輩達に追いつけるように、毎日必死に練習に参加した。すぐには慣れなかったけど、汗を流した分だけ先輩たちに認めてもらえたような気がして休みの日も沢山練習した。
気付いたら大好きな二個上の先輩達が引退して、中学生になって初めての夏休みがきた。

それからだった。
「もっと可愛い子が入部してきてほしかったのに」
初めて面と向かって言われた。
仲良くなろうって交換したメールも、沢山の酷い言葉が送られてくるようになった。
それでも、自分が下手なのがいけないんだって1日も部活を休むことはなかった。少し離れたおばあちゃんの家に行く時だって、家族旅行に行った日だって、どんな時も練習は欠かさなかった。「いつか認めて仲間に入れてもらえるように」その思い一心だった。
でも、本当は、いじめられてるって気付いていた。
どんなに辛くても誰にも言えなかった。休日も私の部活の為に早起きしてお弁当を作ってくれたり、ボール拾いしか仕事がなかった練習試合にも観に来てくれたお母さんを絶対に悲しませたくなかった。

顧問に「次の試合はお前を出す」そう言われた時に、自分が初めて認められたような気がして凄く嬉しかった。先輩を追い抜いてゼッケンをもらった時、チームのために頑張りたいって思った。
練習試合の前日、変わらずに長文のメールが来た。凄く傷ついたけど、明日の為に泣くのは我慢した。
試合に出て、初めて得点を決めた瞬間を今でも覚えている。ハイタッチの手で後ろを振り向くと、私に手を差し伸べてくれる先輩は誰一人居なかった。声をかけてくれる先輩も居なかった。静かにそっと握った拳のこと、思い出すと泣きそうになる。

帰り道に泣くのは、これで何回目だろう。
泣いた顔じゃ家に帰れなくて何度も同じ道を歩く。
心の中で元気な「ただいま」を練習する。少し赤くなった目を隠すように、目を細めて笑った。
いつものように、「ただいま」って帰ると顔も見てないお母さんが「どうした?元気ないね、今日なにかあった?」って聞いてきた。何ヶ月も我慢してきた涙が一気に溢れた。お母さんを傷つけてしまうかもしれないのに、誤魔化せなかった。

私は部活を辞めた。それからはこれといって夢中になれるものはなかった。
毎日同じような何も無い日々を過ごしていた。
そんなある日、テレビ越しに彪我くんと出逢った。
彼は自己紹介で「好きな言葉は日々努力です」そう言っていた。背はそう高くないのに、私の目に写る誰よりも大きくて真っ直ぐで輝いていた。
毎週毎週、彼を観ている度に、「ああ、そうか。彪我くんは言葉の通り努力を惜しまない人なんだなぁ。」と感じるようになった。彪我くんが何かに選ばれると心の底から嬉しかった。彪我くんが悔しくて涙を流している時は、彪我くんのかっこよかったところ全部全部伝えたくなった。誰かの夢をこんなにも応援したのは初めてだった。彪我くんがユニットを結成した日、夢に近づいているのが目に見えて本当に嬉しかった。

彪我くんがどんどん前に進んでいく中で、私の気持ちもどんどん前を向いているような気がした。
「彪我くんの夢を応援していたい」って気持ちから、「私もちゃんと夢を見つけたい」って気持ちも増えていった。

高校生にあがり、その思いが強くなっていった。
夢を見つけるまでの間、さくらしめじに会うのは年に一度になった。それでも、会えなくても私は音楽で彪我くんに勇気を貰っていた。

ずっと楽しみにしていた日。
#君のことばに救われた  」。大勢の前で、初めて人の目より彪我くんに伝えたいって気持ちが大きくなった。前に立つと、沢山の人がいて不安な気持ちで何歩も後ろに下がってしまう。でも、それでも沢山伝えたくて感謝しなきゃいけないことが山ほどある。
涙が溢れてきた、君と出逢えて良かったなって、あんな日々があっても良かったのかなって思うと止まらなかった。
ラップが終わっても上手く顔をあげられなかった。
でも、彪我くんが歩いて側に来てくれて「こんな僕でも支えになれているのかなって思うと……」って言ってくれた。ずっと変わらない謙虚なところ、大好きだなって思った。思わず笑ってしまった。
イベント後に沢山の人が声をかけてくれた。
こんな私の拙い言葉に、泣きましたって言ってくれる人もいて、私はあの場に立ったこと後悔しなかった。その日はあんまり実感がなかった。次の日の夜中の3 時、急に涙が溢れてきた。「いじめにあった」ってラップをしていた子、「お母さんに感謝の気持ちを伝えられない」って悩んでいた子、「動物看護師になりたい」とラップをしていた子。みんなのことが愛おしくてたまらなくなった。そして声をかけてくれた子たちが、私を肯定してくれたような気がした。

「辛い経験をしたからこそ、誰よりも悲しんでいる人や辛い状況にいる人に気づいてあげたい。側にいて、話を聞いて、その人の良い部分を沢山見つけてあげたい。」
否定され続けて自分を見失いそうになったけど、初めて自分で自分を肯定することが出来た。
阿部さんの優しい声で繋ぐ司会、笑顔でファンに寄り添ってくれるさくらしめじ、私のラップに素晴らしいよって声をかけてくださった晋平太さん、全ての人にありがとうを伝えたくなった。
またいつかお会いできたら、お礼を言わせてください。あの日をきっかけに出逢ってくれたお友達も。本当に大好きです。出逢ってくれてありがとう。
何か悩んだ時は私もチカラになりたい。


彪我くんへ

彪我くんに出逢ってから6年。
私は数え切れないほどの勇気と元気を貰いました。
いじめられた傷は深くて、まだ自分にコンプレックスを持っています。人の目は気にしちゃうし、新しい人と出逢う度に不安な気持ちに襲われます。
でも、彪我くんがどんどん大きな場所で楽しそうに歌っているのを見ると自然と嬉しくて笑顔になれます。
いつからか、そんな彪我くんの一番輝く瞬間を私が切り取りたいと思うようになりました。
私はいま、カメラマンになるために写真の大学に通っています。今はまだまだ遠い夢だけど、彪我くんのように日々努力を惜しまず、少しでも夢に近づけるように頑張るね!
あの日、彪我くんに出逢えて、救ってくれてありがとう。彪我くんは私にとってのヒーローです。これからもずっとずっと応援しています。
彪我くん だいすきです。

夜より


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