どろどろの口紅

自分がいない世界の方が上手いこと行くんじゃないかと、結構本気で思っている。もしも幽霊がいるならば、わたしもさっさと成り代わっていろいろなところを旅して、自分のいない世界を堪能したい。在来線の終点のそのまた終点をつないで、おいしいシーフードピザを作りに行きたい。寂れたあのサークルの部室で、誰ともなく歌う音楽にそっとハモる幽霊になりたい。

隣の芝生は今日も真っ青で、どろどろに溶けてしまった口紅のような気分になる。人間も早いところ進化して潮解性を会得すれば良いのに。

素敵なミュータントの頭蓋を割ったならきっと甘くて程よく美味い。

半年ぶりにカップラーメンを食べた。なんとなく釣り合いが取りたくなって水をたらふく飲んだ。諸所に向いてない。

友達がいないと見ないふりをすればそれは数人への侮辱になるけれど、友達がいるというのも嘘らしい気がしてしまう。何人が付き合わされて友達でいてくれているんだろう。
こういうことを考えているから行方を晦ますのを美徳としてしまうのだろうか。

みたいな言葉が泳いでる そこそこ元気 8月末日

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