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忍殺TRPGシナリオ【ニンジャと廃テンプル】

アイサツ

ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事は私がニンジャスレイヤー本編を元に二次創作したニンジャスレイヤーTRPGの非公式シナリオとなります。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

なお本記事はニンジャスレイヤーの話を元に作成した二次創作物であり、ニンジャスレイヤー本編、実在の人物・団体とは関係ございません。至らぬ点が多々あると思いますがご容赦くださいませ。

シナリオ難易度

このシナリオは、成長の壁を2つ超えたニンジャ3〜4人でプレイすることを想定していますが、難易度の調整、シナリオの改変などは自由に行ってください。

また、PCの所属組織についてはソウカイヤを想定していますが、もちろん他の組織の所属ニンジャやフリーランスニンジャでの挑戦も問題ありません。

こちらの記事について(利用規約)

こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGで遊ぶ際に使用するシナリオであり、非公式の二次創作物となります。

仮にプレイした記事をネット上などで公開する際には非公式のものであるということを明らかにする目的も含めてこちらの記事へのリンクを添付する、引用元として明記するなどしてください。また、「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は法的に認められた例外を除いて原則不可とさせていただきます。

当記事の内容は予告なしに変更される場合があります。

また、当記事の内容に改変を加えたシナリオなどを作成することは自由に行ってください。ただし、その場合も非公式のデータであるということ、ニンジャスレイヤーTRPGの二次創作物であるということは明記をお願いします。

以上の利用規約を守っていただければ、この記事が公開されている限りはニンジャスレイヤーTRPGを遊ぶ時に当記事のシナリオをご自由に使用していただけます。

◆ダンゴウ

ソウカイヤに所属する油断ならぬニンジャである君たちは上司であるソニックブームからの呼び出しを受け、トコロザワピラーのブリーフィングルームに訪れていた。君たちは初対面同士かも知れないし、任務を共にしたことがある顔見知り同士かも知れない。まずはアイサツを行おう。

ここでNMはPCたちがアイサツを交わしてRPを行う時間を作るとよい。

アイサツを済ませて待つこと数分。部屋の入口のフスマドアが開き、ソニックブームがエントリーしてきた。

「オウ、集まってるようだなガキ共。ドーモ、ソニックブームです。テメエらの中にブディストは居るか?今日はちょいとばかしテンプル巡りをしてきてもらうぜ」

その後、ソニックブームは下記の情報をPC達に伝えます。

◉今回のビジネスはトコロザワピラーから東にあるセンソ・ディストリクトにある廃寺の調査である。センソ・ディストリクトは再開発の遅れた寂れた地域であり、ソウカイヤは特に現地でビジネスを行っていない。

◉ところが先日、現地住民たちから『ブッダ像がひとりでに動いた』『空中で揺れる紫色のヒトダマを見た』といった怪しい目撃情報が寄せられた。現地で何が起きているのかを調査し、これに対処する事。

◉実際ニンジャの仕業かどうかは分からない。少なくとも現地住民たちはアンタイブディズム・ブラックメタリストの仕業だと思って夜中に出歩かないようにしているらしいとのこと。
「話は以上だ。質問はねえな。それじゃあとっとと調査してこい。俺様は忙しい」ソニックブームは説明を終えるとさっさと部屋を出ていってしまった。のんびりしている暇は無いだろう。君たちもブリーフィングルームを後にし、センソ・ディストリクトへ向かった。

もしもPCが望んでNMが許可するのならば「事前調査」を行っても良い。時短のためにもあまり長引かせず、ダイスだけ振ってもらってサクッと済ませると良い。

◆事前調査

マップにPC達を配置させる前に、PCの代表一人に【ワザマエ】か【ニューロン】の値を用いた事前調査判定を行う。この時、判定を行うPCが所持している『◉知識スキル』によっては、ダイスの数値にボーナスを得られる。

◉ボーナスを得られる知識スキル一案
 最も適した知識スキル(+2):ザイバツ
 次に適した知識スキル(+1〜2):宗教、オカルト、高級嗜好品

※上記の他にもボーナスを得るのに相応しいスキルだとNMが判断したならばボーナスを適応してあげよう。

「事前調査」にて行う判定の難易度は【NORMAL】であり、失敗した場合は特に何も得られない。成功した場合は下記の情報を得る。

通常成功の場合:

◉現場周辺ではアンタイブディズム・ブラックメタリストの集団が反ブッダ儀式を行っており、PC達の調査の妨げになる恐れがある。

◉ブラックメタリスト達を殺害したり彼らから略奪することに特にペナルティは無い。

※上記の情報以外に得られるボーナスは特に無いが、NM判断で『即応ダイス』の増加や、一部の敵を1ターン限定で『崩れ状態』にするなどのボーナスを与えても構わない。


判定に出目【6,6】を含んで成功した場合:

◉入念な下調べの結果、傭兵ニンジャの「ブラックヘイズ」がセンソ・ディストリクト周辺で目撃されたという情報が入った。ソウカイヤが現地の調査をブラックヘイズに依頼したという記録は無い。恐らく他の組織の依頼で動いていると思われる。

※この段階の成功を得た場合、PC達はニンジャが今回の案件に関わっていることを知って気を引き締める。シナリオ開始時にPC全員の『即応ダイス』数が+1される。


判定に出目【6,6,6】を含んで成功した場合:

◉執念深い調査と幸運が折り重なった結果、キョートのニンジャ組織「ザイバツ・シャドーギルド」のエンブレムを身に付けたニンジャが現地で目撃されたという情報を入手した。あんな寂れた地域でザイバツが何を行っているのであろうか。いずれにせよ敵がザイバツとなれば今回の任務には油断も遠慮も無用となるだろう。

※この段階の成功を得た場合、ザイバツが今回の案件に関わっていることを知ったPC達の間に緊張が走り、サツバツとしたアトモスフィアを身に纏う。出目【6,6】の効果に加え、シナリオ開始時にPC全員の『緊急回避ダイス』数が+1される。


◆戦闘マップ

マップデータは下記のGooGleスプレッドシートを参照していただきたい。もちろんオリジナルマップを使用しても構わない。

PLはオレンジ色の初期配置マスにPCを配置すること。


◆マップその1

トコロザワピラーを出た君たちはソウカイヤの所有する家紋タクシーに乗り、センソ・ディストリクトへとやって来た。都市部中央の喧騒を離れたこの地区には目を焼くようなネオンの輝きもマグロ・ツェッペリンから落とされる広告音声の喧騒も無い。ただ髑髏めいた月が落とす光だけが夜を照らしている。

車を降りた君たちはあるブディズム・テンプルの敷地内へと足を運ぶ。ここが最後に不審な目撃情報があった廃テンプルだ。それほど長くは無い石階段を上る君たちのニンジャ感覚は敷地内にて屯する複数のモータルの気配を捉える。事前に情報のあったブラックメタリストだろうか?

「死せるブッダの偶像に暗黒の城から降臨せし悪魔が宿り、聖職者どもをブッダの拳で皆殺しにする!」「アアアダブ!」「コロセー!コロセー!」「悪魔が降り立つ!」「ブッダの使徒はブッダの手で殺される!」事前に情報のあったブラックメタリストだ!

マップその1

◆スモトリブラックメタリスト (種別:モータル)
カラテ		4	体力		4
ニューロン    1	精神力		2
ワザマエ		2	脚力		2
ジツ		ー	万札		2

攻撃/射撃/機先/電脳  4/-/1/1
							
◇装備や特記事項
  フランベルジュやグレートソード: 近接武器、2ダメージ、攻撃難易度:HARD

 『血の狂乱』:
  体力が2以下になった場合、そのスモトリブラックメタリストは狂乱し、『突撃』を使用可能となる。
 
 『儀式的自傷』:
  自らの胸などにナイフで逆さ鳥居や魔法陣などのパターンを刻み、異常興奮状態に入る。
  手番中に「その他の行動」として自分自身に1ダメージを与えることができる(自動的に成功する)。

ブラックメタリストについては下記のページを参照していただきたい。

PC達の初期配置が終わったら、その場でブラックメタリスト、スモトリブラックメタリストとの戦闘に入る。PC達が全滅するか、PC達が全員脱出するか、敵を全滅させるまで戦闘が続く。

敵を全滅させた場合は「マップその2」へと場面が動く。


◆マップその2

PLは部屋の入口の縦2マス×横3マスにPCを配置すること。

ブラックメタリスト達を全員黙らせた君たちはテンプルの本堂へと足を踏み入れた。木目の床はところどころに穴が開いており、ニンジャである君たちが注意しながら歩いてもギシギシと軋みを上げるほどに朽ちかけている。外れかかったショウジ窓からは温い風が吹き込み、不吉な不協和音を奏でた。

部屋の奥には6メートルほどもある青銅ブッダ像が仁王立ちし、無言の怒りを籠めた視線で神聖な空間を土足で穢す君たちを睨みつけた。そのブッダ像の前に二人の男女が居る。ガンメタルカラーの装束の男に、白のボディスーツ状ニンジャ装束を着たストレート・プラチナブロンドの美しい女。

「……こうなる前に手早く済ませたかったが。何事も想定通りには行かぬか」「くくく、怖気づいて逃げるかね?ミスターダンディズム」「なに、美女にブッダ殿の助けもあることだ。報酬分の働きはしてみるさ」「私の美貌がブッダと並んで評価されるとは驚きだな」

彼らは緊張を感じさせない軽快なトーンで、しかし決して油断することなく他愛のない会話を交わす。やがて二人はアイサツをした。「ドーモ、ブラックヘイズです」「フェイタルです」君たちもアイサツを返す。……次の瞬間!君たちは信じがたい光景を目の当たりにする!

ズシン!ズシン!ゴ、ゴウランガ!?ブラックヘイズとフェイタルの背後にあった青銅ブッダ像が……ひとりでに歩き出したではないか!その首元には暗紫色の超自然の炎が灯る!一体如何なるジツの効果か!?少なくともブラックヘイズやフェイタルの物ではないらしい!

「さて、首尾よく時間も稼げたところで、そろそろ始めるとしようか」「ソウカイヤの野良犬ども、覚悟してもらおう」ブラックヘイズ、フェイタルがカラテを構える!彼らと並ぶように立った戦闘ブッダ像も君たち目掛けて巨大な拳を振り上げた!

マップその2

カラテゴーレム、ブラックヘイズ、フェイタルとの戦闘に入る。PC達が全滅するか、PC達が全員脱出するか、カラテゴーレムを戦闘不能にするまで戦闘が続く。

カラテゴーレムのデータは下記を参照。

ブラックヘイズ、フェイタルのデータは下記を参照。

なお難易度変更のオプションとして、フェイタルとブラックヘイズは一部の条件を満たすと戦闘途中で撤退するとしてもよいだろう。

傭兵であるブラックヘイズは危険は冒しても命を捨てるような真似はしないし、ザイバツニンジャであるフェイタルも今回の任務はギルドにとってそこまで重要ではないということにすればよい。

ブラックヘイズやフェイタルが撤退した場合には追加のカラテゴーレムやケンドー・オートマトンを参戦させればいきなり敵側の戦力が減り過ぎるということも無い。

しかし、倒そうと思っていた敵に逃げられるというのはPLにとってストレスの元にもなるので、NMはPLが望む方向へ上手く物語を誘導してあげよう。フェイタルを生け捕りにしてソウカイニンジャに転向させたりするのもプレイグループの方針次第では有りだ。

フェイタル、ブラックヘイズが逃亡する条件の例
◎どちらかが爆発四散する。
◎両者、あるいはどちらかの体力が一定以下になる。
◎カラテゴーレムが戦闘不能になる。
◎最初からターン数を決めておいて、そのターンが経過したら。(この場合は入れ替わりで新手のカラテゴーレムを登場させるなどしよう)

あるいはブラックヘイズと【交渉判定】での対抗判定を行い撤退させるというのも面白いだろう。その場合、ブラックヘイズやフェイタルの【体力】が減少している分だけ判定ダイスを+すると頑張って体力を減らしたことが無駄にならなくて良いかもしれない。

ブラックヘイズに対する【交渉判定】はブラックヘイズ側が【難易度:NORMAL】でPC側が【難易度:HARD】程度が妥当だろう。

◉ブラックヘイズとの交渉でボーナスを得られるスキル一案
 最も適した交渉スキル(+2):駆け引き
 次に適した交渉スキル(+1):理路整然など
 最も適した知識スキル(+2):ザイバツ
 次に適した知識スキル(+1〜2):ヤクザの流儀、高級嗜好品など

※上記の他にもボーナスを得るのに相応しいスキルだとNMが判断したならばボーナスを適応してあげよう。

◆評価と報酬

PC達が全滅するか、PC達が全員脱出するか、カラテゴーレムを戦闘不能にするとシナリオ終了となる。評価は以下の通り。

A:カラテゴーレムを倒した。

B:途中で撤退したが、フェイタルを撤退(爆発四散)させた。

C:途中で撤退し、フェイタルも撤退させられなかったが、ブラックメタリストたちは倒してマップその2まで進んだ。

D:ブラックメタリスト達を倒せず撤退した。
A:【万札:90】を山分け。全員が【名声:ソウカイヤ】+2

B:【万札:50】を山分け。全員が【名声:ソウカイヤ】+1

C:【万札:10】を山分け。

D:ケジメを迫られ、全員が【名声:ソウカイヤ】-1

いずれの場合も【余暇:4日】が与えられる。また望むならばカルマ・ロンダリングを行っても良いが、評価C以下の場合はカルマ・ロンダリングは行えない。

後書き

いかがだったでしょうか。カラテゴーレムの体力の多さはボス役としてちょうど良いと思いこのシナリオを作成してみました。

もしもブラックヘイズ&フェイタルのコンビが強すぎればテンプルに居る敵をクラミドサウルス=サンあたりに変えても良いでしょう。もっと難しくしたければブラックドラゴン&シャドウウィーヴの師弟コンビにしたり、あるいはイグゾーション&アンバサダーにすれば成長限界級でも苦戦必至のイクサに出来るでしょう。

それではここまで読んで下さってありがとうございました!