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あれから一年

 noteに投稿を始めてから一年が経ちました。ウイルス関連のことごとは、驚くほどに一年前から変わらずむしろ悪化の一途を辿っていますが、私自身は、去年の当初想定したものとは随分変わりました。
 当初は、一次創作の即興小説と二次創作記事を日替わりで書いて、それで暫くがっつり働きながらやっていて、途中から日記での更新が中心となって、今となってはnoteの更新自体をしなくなりました。それはこの一年の間に起こったcakes関連の出来事、とりわけ創作を後押しする媒体であるのにも関わらず作者をないがしろにしたことが私の中で濃い影を落としていて、割と粘着質で面倒臭いタイプの人間だし、今のテーマのひとつは「嫌だなあと感じたら距離を置く」なので、かつてずっとそうしていたようにnoteは閲覧メインとなっています(マジバケ企画だけは復活させたいところではあるのですが)。noteに投稿されている素敵な記事のこと、素敵だなと思う人たちのことは、見守っていたいから、時折覗いてはいます。
 三月で退職しちゃってから、今もまだのんびりを続けていて、創作面というよりは生活面が大きな変動を迎えていて、それからこうした時期なんだけれども時期を考慮しつつ東京と和歌山に一人旅したりしました。この和歌山はほとんど熊野古道の旅だったんですが、本当に良い旅でした。東京も、すごく興味があった吉田博展に行ったり、初めてジブリ美術館に行ったり、いろんな本屋に行ったり、刺激的で。あとはもう、家にいるか、スーパーに行くか、畑に行くか、が基本で、ゴールデンウィークは引きこもり続けて、本を読んだりアニメを観たり、ごはんを作ったり簡単なお菓子を作ったり、小説を書いたり絵を描いたり、ざっくり言うとそんなふうでした。
 結局小説の進捗は割と残念な感じなんですが、文学フリマ東京が五月十六日に開催される予定……で、そこに出展予定……なんですが、流石に緊急事態宣言延長でしょうと見ている現実です。
 新刊は手製本で出す予定だったんですが、ちょっとやってみたい印刷があるので、文フリが駄目になったら印刷所で頼もうかなあと思っています(もはや九割方中止だろうと思っているのですが……京都文フリのデジャヴ)。
 でもその前に原稿が書き上がらないことには何も始まらない現実が、何よりも大変。
 それとは別に、絵を、前述した熊野古道をテーマにして今一日一枚完成させるという目標で描いていて、それと平行して以前やっていた六十秒の人体ドローイングを二十体、毎日練習しているといった感じです。
 以前Twitterで見かけたイラストレーターのげみさんという方のツイートで、「これから装画のお仕事をやりたい人は、最低限、春夏秋冬、朝昼夕夜、晴雨曇雪、老若男女、動物の要素を含めた「春の晴れた朝、女の子が犬と○○している」文章のような絵を、たくさん描けば、編集さんに発見してもらえやすいと思います。ここに時代の要素を足すことで、時代物のご依頼もいただけるよ」(原文ママ)というものがあって、仕事にしていきたいかは一度置いておいて(装画のお仕事というのは、本好きとして関心はあるのですが)、すごくなるほどなあと思った印象的なツイートでした。また、東京で行った吉田博展とジブリ美術館で、何よりも圧倒的な描写の量、資料の量、イマジネーションの泉に圧倒されて、ああ、全然、何もかも自分には足りてないんだと心底実感した時間となり、手を動かさなければならないと思い、ようやく重い腰を上げて訓練し始めて今一週間ほど、といったところです。無職はゴールデンウィークとか関係なく時間だけはあるのです、勉強の日々です。そうした日々が欲しかったから、まだしばらくこのままでいたいと甘えた態度でおります。
 勉強。小説も絵もそうだし、今世の中で起こっている様々な出来事や問題について、あまりにも私は知らなくて、途方に暮れてばかりで、だからこそ知りたい。ひとまずは幅広く。そうして触れて生まれた気付きが、また物語へと繋がっていく。
 浅はかさにも鈍足ぶりにも嫌になりますが、嫌になっている暇があったら手を動かすしかないのだと、動かしながら、歩きながら、手探りで現在を探っていくしかありません。昨日よりはちょっとくらいましな人間になっていると信じる。まし、とは、好きだと言えること。
 人生は自分のものでしかありません。そして、私たちは人生から問いかけられている、「人生の問い」に答えなければならない、生きること自体が問われていることであり、現在そのものが問いに対する答えである、と精神科医V・E・フランクルは語りました。その言葉を反芻しています。問いに対する答えは、自分でしか出せません。
 命は無数にあるけれど自分は一人だけ、ですから。

 色々と大変な世の中で、充分誰もが頑張っていて、あなたの人生はあなただけのもので誰かに阻害される権利なんてどこにも存在しないのに、何かと腹立たしいことも多いけれども、どうにか生きていきましょ。きっといつかどこかで笑いあえるように。



 ちなみに起床時の日記は「続・朝の記録」として、文量多かったり少なかったり浮き沈みする気分に左右されたりしながら、毎日続いています。

 他、基本的にはTwitterに出没しています。

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小萩うみ / 海
たいへん喜びます!本を読んで文にします。