感情を育み表現すること

子どもたち(幼児)と椅子とりゲーム。

嬉々としながら音楽に合わせて椅子の周りを歩く子どもたち。
音が止まる瞬間を今かと待つ子、
音楽に乗ってダンスをしながら歩く子、
それぞれ個性が垣間見える。

音楽が止まった瞬間。
ダダダっと椅子に座るのだけれども、
椅子とりゲームは必ず座れない子が出てきてしまう。
この、「座れない」状況に対しての受け入れ方が子どもによって全く異なっていて感心してしまった。

一緒に座ってしまったからと相手に譲る子、
最後の最後で座れなくてボロボロと涙を流す子、
じっと我慢してうつむき加減で何も言わない子、
「ぼく強いから泣かないよ!」と宣言する子。

目の前に繰り広げられている単なる遊びが
なんだか世界の縮図のように思えてならなかった。

悔しさ、悲しさ、嫉妬、喜び、嬉しさ、気持ち良さ。表現するか、それをしないか。
小さな世界で渦巻く様々な感情と行動に、いたく感動してしまった。

そう。
私もそうやって生きている。
大人になるにつれ、複雑な感情を覚えていくことにはなるが、基本的には人と関わる中で習得していく。
そして感情を表現するか否かを選択している。
表現すると選択した際には、複数ある手段からその時々で適当なものを選んでいる。
これら一連の流れを意図したり意図せずしたりして繰り返しているのだ。

改めて、人の中で生きることとはどういうことなのかを教えてもらった気がした。
そして、感情が表現されるというのは、それすらも自らの選択だということも。

#心がほんのり涙するとき
#16日目
#子どもが教えてくれること