印象派時代の画家と音楽家を知りたい

先日訪れた展示会にて魅かれる作品があった。

ピエール・ボナール『感情のアルファベット:音楽(M)』

こちらは生で観たわけではなく、図録で観られたものだ。
(この作品は、展示されていた『感情のアルファベット:重々しさ(G)』の裏面に描かれている作品で、実物は見られなかった)

ある人物がピアノを奏でる後ろ姿を描いたもので
特に色がついているわけでもない挿絵のような絵だった。

ピアノだったから目を引いた、というのもそうなのだけれど、
ところどころでこのピエール・ボナールの描く作品には、”ピアノ曲”や”ソルフェージュ”という音楽を連想する解説やタイトル名が見られ、
クロード・テラスという作曲家による音楽をモチーフにしたものもあるようで、
ピエール・ボナールがなんだか気になる…という感覚になったのだった。

ピエール・ボナールはおそらく有名な画家だとは思うが、美術に詳しくない私には初めての名前。
後々調べたところ、ボナールは当時の音楽家と親交が深かったらしい。
ピエール・ボナールの義弟がクロード・テラスであり、ボナールはドビュッシーやラヴェルといった音楽家とも繋がりがあったよう。

…ドビュッシー!!

そう。私が昨年末よりよく耳にするようになったドビュッシーと繋がっていたのだった。

当時のフランスは、芸術家が相互に影響を与え合っていた時代。
ボナール自身も音楽からインスピレーションを受けた作品を生み出していたそう。

音楽から絵画へ、絵画から音楽へ、表現手法の異なる世界が共鳴し合い新たな世界が誕生する。

音楽をやっていると音楽に関心を向けてしまいがちだが(私はそう)、
音楽の垣根を越えて数多くの作品に触れること、とりわけ”ホンモノ”を味わうことでまた見えてくる音・世界観が存在するのではないか…なんてちょっと博識ぶってみる。
音楽以外のものから音楽が鳴りそうな感覚は常に持っているから、音楽以外のものの見識を深めて見る目を養うことが重要な気がするのは確かだ。

とりあえず、クロード・テラスの作曲した曲が聴きたい(楽譜を読んでみたい)というのと、
ピエール・ボナールの作品をもっと観てみたいというのと、
ドビュッシーをさらに知りたい、と思った次第。

そうそう、ドビュッシーのことを掻い摘んで調べていたら彼の素敵な言葉に出逢った。

「言葉で表現できなくなったとき、音楽が始まる」

どんな意味なのか。
こういう言葉を発した背景を知りたくなってしまうのが私の性分。
自分の持っている感覚と近いものがあったら嬉しいなぁなんて思っている。
また改めて印象派や象徴派の時代に生きた人たちのことは知識を深めた後に記そうと思う。

(このように思想の話ばかりだけれど
技術は伴った上で成り立つ話なのもわかっているから、練習もがんばらねば、なんだけどね)


——「画家が見た子ども展」より