2024年1月1日能登半島の大地震。亡くなった方もいる。心より哀悼の意を表します。復興の迅速を。東日本大震災を思い出しています。
絶対はない
昨夜 見た夢は
他人の夢だったようだ
その人に会った事もないし名前にも心当たりがない
夢を見るのだって
絶対はないのだ
原発神話という言葉を
最初に口にしたのは誰なのか
メルトダウン後に
十基の原子力発電所を絶対化させた
虚構の入り口に蓋を被せたのは
*
街の一角は
夜になると原発銀座と呼ばれた
働く場所ができ生活の心配はなくなった
この一角は 毎晩遅くまで賑わい
考える時間まで酔わせてしまった
自戒する人に
原発神話の言葉を捨てなかったのかと
問い詰める人がいる
誰もが捨てて
誰もが拾える言葉でない
*
ノートパソコンに詩を書き込んでいる
ときどき文字が誤変換されるから苛立つ
この地域は適していたと言う人もいるが
働く場所がなく貧しかっただけだ
東京電力福島第一原子力発電所の電気は
東京へと送られていたが
疑問を持つ人は僅かだった
原発神話が崩壊した今は
この現実を思考の刃物で切り捨てていく
夢の中で出来る
唯一の抵抗なのだ
*
中間貯蔵施設の移転一つとっても
手を挙げる都や府や県はない
処理水の海洋放出先は1キロ先の沖合だ
全ての放出には30年はかかる
海に流すしかないという人もいるが
汚染水がALPSを通せば処理水になる
この魔法の水を信じない人もいる
不信のウキが
1キロ先で浮いたり沈んだりしている
廃炉作業の終わりは40年いや50年
100年と言う人もいるが
誰にも分からないから
無責任な言葉に疲れが蓄積されていく
*
今夜も疑問だらけの中で眠るのだろう
一つ間違うと
また他人の夢の中に紛れ込んだりする
これだけは避けないと
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