アーーーチクショ

父と母が犬を飼いたいと言い始めた。
うちは実家にもともと犬が1匹いて、その後に猫が1匹きて、続いて2匹目3匹目ときた。

犬が亡くなって4年になるのかな。

猫が家に来てからみんな明るくなった気がした。
犬が亡くなった悲しさをみんな通り過ごしてパッとなった気がした。
私1人だけ犬の死から抜けられなくてずっとずっと引きずって暮らしている。

私が家を出る時に、誕生日が一緒の2匹目の真ん中の猫を連れてきた。
もう十分といえるほど幸せで可愛くてこの日常を壊したくないなと思っていた。

父親がまず犬を飼いたいと言った。
母親もその気になった。
なんだか少し許せない気がした。

犬が生きてきた時、父親の部屋のケージで飼っていて帰りが遅い時に寂しいよ〜寂しいよ〜と犬が鳴いていたのをみんな知らない。
その声が聞こえたら必ず私は父親の部屋に行った。寂しいね寂しいねと一緒に泣いて父親に電話した。犬が寂しがってるから早く帰ってきてねと連絡する。父親は電話に出ない。ラインして犬が鳴き止むまで一緒にいた。落ち着いたら部屋に戻る。犬のアレルギーだから一緒にいると全身が痒くなる。それでも犬が可愛かった。

散歩に行く時も、行きはゼェゼェ言いながらぴょんぴょん前に行ってしまう犬について行くけど帰りは疲れて座り込んでしまう。抱っこして帰る。排水溝のアミアミが怖くて渡れない犬を抱っこした。
犬が満足している時に一緒にいたのは父親で寂しい時怖い時に一緒にいたのは私だよと思う。
その寂しさ悲しさを無視していたくせに、容易く犬を飼いたいなんて言わないで欲しかった。

1匹目に迎えた猫はお母さんのことが大好きで他の猫に嫉妬してマーキングしたり、お母さんが仕事で出掛けてしまう時はいつも玄関でお母さんを待っていた。あんなにあなたが1番好きよという瞳で見つめてくれているのに、その信頼を捨ててまで犬を飼いたいという。

犬を飼うことに反対しているわけじゃなくて、亡くなった犬にできなかったこととか気づけなかったことが新しい犬にできるとは限らないでしょと思う。
そういうのも気づかないからなんか嫌になるな。
犬は可愛いよ。可愛いよ。

亡くなった犬にごめんね、という気持ちが消えないのは私だけなのでしょうか。

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