猫がいない人生

年々猫アレルギーがひどくなってきている。
私だけじゃない、彼も。

みんな結構簡単に言う。
アレルギーがあるなら動物と一緒に住むべきじゃない。簡単に言う。

一緒に暮らさない、ということはうんちを毎日取らなくていいこと。毎日猫が苦手な目を拭くことをしなくていいこと。鼻水垂らして寝ないということ。朝起きたら目が腫れていないこと。
猫が大好きなブラッシングを私がしないこと。猫が食べないご飯を一粒ずつ手から食べさせなくていいこと。冬になっても私の肩で寝てくれないこと。雨の日に一緒に窓を見つめないこと。私の顔を見ながら寝てくれないこと。
毎朝にゃーんという声で起こされないこと。猫がいるから、と早く帰らなくて良くなること。猫がいないこと。いつかは私のことを忘れてしまうかもしれないこと。

こんなに可愛い猫はいないと思った。猫は猫で、本当に猫で、みんながいると甘えてこないのに2人で部屋にいると必ず身体が触れ合っていた。私が部屋に入るとおかえり〜と言ってくれた。私が構わないと寂しいよ〜という。遊びたいよ〜という。
そんなことを考えなくなるということ。
猫がいずれ弱っていなくなってしまうときに、もう私のことは覚えていない、たまに会いにくる人になるということ。
私は泣き虫だからそれを猫ももう見なくなるということ。そんな私がいたことを忘れてしまうこと。
それが1番嫌だな。ずっと一緒だと思ってたな。どんなところでも隣にいると思っていたな。

昨日の夜、アレルギーがひどくて喉がヒューヒューなってた。喘息が出たのだと思う。
今までこんなことがなかったから、連れて行こうと思っていたけど、私でさえそんななのに一緒に住む彼もそうなってしまうかもしれないことが怖いと思った。

猫と一緒に住まないということ、決められない。一緒にいたい。ずっと、一緒にいたい。
当たり前のようにずっと一緒にいられると思っていた。

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