4月まとめ

・私は所謂物書きなので自分の中に棲んでいる言葉達を愛しているけれど、彼らは私のことが嫌いらしい。そして彼らは、恐ろしく逃げ足が早い。
彼らが戯れているところに私が近付くと、皆途端に蜘蛛の子を散らしたようにどこかへいってしまう。そして彼らは「かくれんぼ」が非常に上手い。一度見失うともう二度と見つからない。
私はその度白紙に短い線を引いていじけている。すると僅かに残った気の良い奴等が、私を哀れに思って少しばかり顔を見せてくれる。

・幼児の言葉 さむいって、これっぽっち

・悲しいことに、あなたが思うよりもずっと現実はまともなのですよ。

・貧乏して植木鉢並べて居る(放哉)
軒の先に、食った葱の根が植えてある。よく見れば隣から顔を出すのは大根の葉。
肥やしとばかりに土を覆っているのは白菜の茶色いのである。
……大阪のおばちゃんである。

・月を見て酒を飲み、もやしの炒め物を食い、他人の言葉を吸って生きるだけの暮らしがしたい。端的に言うと隠居したい。

・あんぱんひとつの花見かな

・新しい長さの単位として、ダザイを推していきたい。太宰。4mを1太宰として、12メートルは3太宰。

・ブロッコリーのウエディングブーケなるものが存在するらしい。何でもブロッコリーは房が沢山別れてるので子孫繁栄の願いが込められているという。
あまりに強火なこじつけに感心してしまった。見習って生きたい。

・酒がうまい

・新玉ねぎ むいて十字 レンジで4分

・土を掘ったら寝坊の蛙を起こしてしまった。御免。

・下駄箱に入ってるブーツが、どう見てもブーツに見せかけた田植え用の長靴である謎。しかし田んぼはまだ干上がっているので、さらに謎。

・いつの間にか桜が散っている 春が終わる

・とうとう山桜が終わる

・朝がつらい

・空の田に鷺二つ

・また機械を壊した

・何もしたくないと思いながら画面の余白を眺めている

・4月が終わっていた

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