毎日の歩く・立つ・座る 正しい姿勢で関節にもやさしく!
正しい歩き方で関節の痛みを予防
歩く・立つ・座るといった毎日の何気ない動作。「左右のバランスが悪い」「筋肉を適切に使っていない」といった姿勢を続けていると、筋肉のこわばりや筋力の低下、血流の停滞、背骨や骨盤のゆがみなどにつながります。これらは肩こりや腰痛、ひざ関節の痛みを招く原因にもなります。正しい姿勢を知って、スムーズに動ける身体をめざしませんか。
まずは、普段の歩き方をチェック。足を踏み出すたびに上半身が左右に揺れる人は、ひざを曲げて歩いている場合が多く、ひざ関節に負担がかかります。背筋を伸ばし、ひざを曲げず、足のつけ根から前に押し出すようにして歩いてください。
ウォーキングするときは、普段の歩き方よりひじを曲げて大きく振り、歩幅を広めにして、少し息が上がる程度の速さをめざしましょう。
どちらの歩き方でも、ひざとつま先が正面を向く状態で足を出し、かかとから着地した後、足の親指の裏に力を入れて地面を蹴り出すと、関節への負担が減ります。外出を控えている方は、家の中でできるエクササイズ(左図)はいかがですか。
家で過ごす日の簡単エクササイズ
1 壁(手すり)の前に立ち、手のひらをつける
背筋を伸ばす
2 右ひざをゆっくり上げて、5秒間キープ
右を6回左を6回
外で身体を動かさない日に実行したい、足の筋肉も腹筋も使うエクササイズです。運動不足や便秘が気になる方におすすめです。背筋を伸ばして気分もスッキリ!
※ウォーキングやエクササイズは無理をせず体調に合わせて行い、治療を受けている方は医師の指導に従ってください。
立つとき、座るときの姿勢もチェック!
人間の頭部の重さはなんと約5kg。支えているのは、首から背中を通って腰までを支える背骨で、その周囲のさまざまな筋肉とつながっています。正しい立ち方や座り方を覚えると、背骨や筋肉への負荷が減り、こりや痛みの軽減にも役立ちます。
理想的な立ち方は、壁に背中をつけて立ったとき、左図のように、後頭部などが壁に当たり、背骨がきれいなS字型のカーブを描いている状態。背筋を伸ばそうとするあまりに胸を張りすぎて“でっちり〟にならないよう注意してください。
座るときは、身体に合った椅子を選ぶのがポイント。ひざを約90°に曲げて座れる程度の高さで、背もたれに背中が当たる程度の奥行きが、ひざや腰にやさしい椅子の目安です。また、腰が沈み込むふかふかのソファは、実は腰に負担になるおそれもあります。浅めに腰かけて背筋を伸ばし、背中にクッションを当てましょう。床に座るなら、横座りやあぐらは避けて正座を。ただし長時間続けないようにしてください。
正しい立ち方と座り方
あごを引く
手のひらが入るくらいの隙間
お腹を凹ませ骨盤を立てる
関節への負担を減らして家事をこなすには?
片足だけで立っている時間をできるだけ短くすると、ひざ関節への負担を減らせます。下着やズボンを履くときは、「短い時間だけだから」と片足で立たずに、椅子に座って身支度を。また、玄関で中腰になって靴を履くと、ひざ関節にも腰にも負担がかかるので、玄関に椅子を用意しておくのも一つの方法です。
掃除中は、中腰の姿勢を続けないようにします。強くこすらなくてもよい掃除用品や、モップ式の掃除用品を取り入れるのもよいでしょう。
物干し竿は、背筋を曲げずに洗濯物を無理なく干せる高さに。
いずれの家事も、同じ姿勢を続ける必要がある場合は、こまめに姿勢をリセットすることが大切です。姿勢への意識を少しずつ積み重ねて、関節にやさしい生活を送りましょう。
靴を履くときは玄関に用意した椅子に座って
折りたたみ式の椅子を置いておくと便利です。
監修 福田千晶 先生
医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科を経て、健康科学アドバイザーとして講演および執筆活動に取り組む。『やさしく図解 ヒザの痛みが消えた!』(辰巳出版)、『1日10分! 足の悩みは自分で治せる』(実業之日本社)など著書多数。日本リハビリテーション医学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会健康スポーツ医。
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