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寒い季節に増える 肌のカサカサ・かゆみの改善法

冬になると肌荒れやかゆみが起きやすい理由

私たちの肌の表面は角質層で覆われています。角質層は、うるおいを保つセラミドやNMF(天然保湿因子)と、水分を維持して蒸発を防ぐ皮脂膜などで構成されています。適度にうるおった健やかな肌は「バリア機能」がきちんと働き、異物の侵入や刺激から肌を守っています。

ところが、年齢を重ねるとともにセラミドやNMF、皮脂量までが減少し、水分も油分も足りていない状態になります。また、肌の細胞が生まれ変わるターンオーバーが滞りがちになるため、肌の乾燥に悩む人が増えます。

冬になると空気の乾燥により肌の水分が奪われる上、暖房の風に当たることでもさらに乾燥が進み、バリア機能が低下します。すると、刺激の影響を受けやすくなり、肌荒れを招きます。そして、肌が乾燥すると、かゆみを感じる神経の末端が、肌の表面に近い部分まで伸びてくるので、かゆみを感じやすくなります。かゆくなるとつい掻いてしまい、炎症につながることもあります。

肌を健やかに保つ生活習慣の小さなコツ

肌のバリア機能を正常に保つ基本は、保湿です。クリームなどの保湿剤をこまめに塗るのはもちろん、室内の湿度にも気を配り、特に暖房やヒーターを使うときは加湿器も使って50%程度の湿度をめざして下さい。

摩擦を避けることも重要です。バリア機能が低下した肌は刺激に弱く、ちょっとした摩擦が肌へのダメージになることもあります。スキンケアをするときにはゴシゴシとこすらない、ちくちくする素材の衣類を着ない、かゆくなりやすい人は爪を短くして掻いたときの刺激に備えるなどの注意が必要です。

また、乾燥した肌は紫外線の刺激も受けやすくなっています。冬でも帽子や日焼け止めを使いましょう。

肌荒れやかゆみには、疾患や服用薬と関連している場合もあります。強いかゆみの場合やセルフケアで改善しない場合には、我慢せずに受診してください。

毎日のお風呂で肌トラブルを防ぐヒント

寒い冬は熱いお風呂に浸かりたくなるかもしれませんが、熱すぎるお湯は必要な皮脂まで流してしまうので、ぬるめのお湯にゆったり入浴しましょう。血行を促して足腰の筋肉をほぐす効果もあります。

肌への刺激を減らすには、肌にやさしい素材のタオルを使い、ゴシゴシこすらず、泡タイプの洗浄剤を使うのもようでしょう。入浴剤は保湿成分入りがおすすめ。浴室を出たらすぐに保湿剤を塗って下さい。

《部位別》カサカサ・かゆみ対策

ひじやひざの乾燥

乾燥が酷い人はお風呂上がり以外にも保湿剤を。サポーターを使うと、摩擦を防ぐだけでなく保温されるため、関節にもうれしい効果がある場合も。

すねや腰回りの乾燥

白い粉をふいたりかゆくなったりすることが多い部位。保湿剤を塗り、肌着の素材にも気を配ると◎。

かかとのガサガサ

入浴後に保湿剤を塗り、寝るときだけでなく昼間も靴下で保護。肌当たりのやさしい素材やシルクなどの天然素材の靴下がおすすめ。外出時はクッション性のあるスニーカーをはき、歩くときはかかとをつけた後で親指の付け根をしっかりつけて地面を蹴り出すと、かかとへの負担が減ります。改善しない場合は水虫の一種(角質増殖型)のおそれもあるので皮膚科へ。

あかぎれ

乾燥が進むとあかぎれになることも。しっかり保湿するとともに、できるだけ指が物に触れないように保護。水仕事のときにはゴム手袋を。

しもやけ

体質にもよりますが、寒暖差が原因ともいわれ血行が関わっています。水仕事の後はきちんと手をふく、湿った靴下や靴をはかない、外出の際は防寒対策を。保湿剤はマッサージをするように塗りましょう。暖かくなってきても治らない場合は、他の疾患との関連のおそれもあるので受診を。

[入浴剤で全身の乾燥対策を!]

保湿成分入りの入浴剤を使うと、角質層内部まで保湿成分が浸透し入浴後はしっとりすべすべに。


監修 福田千晶 先生

医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科を経て、健康科学アドバイザーとして講演および執筆活動に取り組む。『やさしく図解 ヒザの痛みが消えた!』(辰巳出版)、『1日10分! 足の悩みは自分で治せる』(実業之日本社)など著書多数。日本リハビリテーション医学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会健康スポーツ医。

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