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繋がる場。エイミーさん出版記念パーティーに参加して


昨日は『ジミー』を書かれた青海エイミーさんの出版記念パーティーにお邪魔させて頂いた。

エイミーさんの書かれる本はいつも若々しい。どうしてこの方は若者の気持ちをこれほどはっきりと文字にすることができるのだろうと不思議でならない。そんなわからなさもあって、だからこそ、わたしはエイミーさんに惹かれるのだと思う。

なにしろ、これほどガサガサとして窮屈な世の中にあって、エイミーさんの作品『ジミー』は格別だったのだ。

あの作品を読んだ時、わたしは海外で暮らしていた時分に幾度となく感じた、「あ、うそ。え?そうなの?そのままでいいんだ…」といった、驚くほどの安心感のような気分を感じたのだった。

外国の人と交わると、日本では「くふっ、umiさんってまじめ~」と面と向かっていわれるような内容であっても「へ~どうしてそう思うの?」と普通に会話が続く。そんな時の、「え?うそでしょ?」的なわたしの心の中の動揺、とあの『ジミー』はどこか似ているのだ。

「え?こんな当たり前のことを言っても、わたし普通に受け止められてるじゃん」という、あの妙な、大げさだけれど、ひっくり返って尻もちをついてしまうほどの気分とどこか似ている。

彼女の『ジミー』のストーリーの奥には、人として忘れてはいけない誠実さや生真面目さが織り込まれている。わたしは本当はそんな人が大好きなのだ。だから、わたしは『ジミー』でエイミーさんをより好きになった。

すると、昨日、エイミーさんがみなさんの前で「この本がわたしです」と紹介された。だよね、と思ったら、ちょっと胸のあたりがたまらない気分になった。わたしはエイミーさんを知らない。けれど、丁寧に人生を歩いてこられた方に違いないと思っている。

わたしはどちらかといえば猛ダッシュで人生を駆け抜けてきた。どうしてそれほど?と呆れられるほど、気になったものにひたすらのめり込みながら、いつでも何かに夢中で、そんなふうに人生を駆けてきた。だからこそ、車窓のように、目の前で風景も人も次々と移り変わり、一時もわたしはその場に留まっていなかった。

それでも、わたしにもエイミーさんの言葉に重なる層のようなものが見える気がするのだ。どんな生き方をしてきても、人は人と繋がり、そして人と交わり、初めて自分をちょっとだけ知る。そこから自分に向き合う長い長い旅がはじまり、人は豊かになっていく。一人じゃ人にはなれない。

そんな、まだか弱き心を、エイミーさんはちゃんと持っていて、その上で、言葉で人を大きな安心感の中に連れて行ってくれる、そんな気がしている。弱い人であった日のことをきちんと覚えている誠実な人なのだ。

昨日は、そのエイミーさんの新作、『本当の私を、探してた。』の出版記念会だった。

エイミーさんを祝う人が集い、ゆったりと楽しい時が流れた。そこでお会いしたのがアトリアYoubeYou株式会社の人たち。集まった場所はtsugugoto cafe

なんといったらいいのだろう。そこは、なんだか懐かしく、そして最高に居心地の良い場だった。

そうそう、わたしは49歳で大学生になったけれど、そこは、まるであの頃に舞い戻ったかのような感覚だったのだ。実にフラット。あ、もっと正確にいうなら、教授もいない自由な大学の広場のようなところ。その会社代表の井尾佐和子さんはとびっきり笑顔の素敵な女性で、お話ししただけで元気をいただけた。

わたしは女性の働き方を変えたい!と動きはじめたばかり。そのわたしの思いと、この会場にいらした方々の思いはきっとどこかしっかり重なっていると思えてならなかった。もうそれだけでやたらとわたしはニコニコと嬉しかったのだ。

わたしは結婚して出産したばかりの若い頃、どうしたわけか、気づいたら専業主婦になってしまっていた。そして、そこからわたしの人生が見えなくなった。贅沢といわれたけれど、そこからわたしは一人の女性として自分の人生が歩きたいと切望した。けれど、その声は誰にも届かなかった。だから、わたしは『人形の家』のノラになってしまったと嘆き苦しんだ。たとえ贅沢な悩みだといわれても、自分の人生が歩けないことはわたしにとって生きていけないほどの苦痛であり、大問題だった。

そして、ようやく家族がわたしの声に耳を傾け、わたしは動きはじめた。最初は一人の女性に「umiさん、それをブログに書いて下さい」といわれ、この国の女性の働き方はおかしいんだと書き始めた。一人ぼっちで歩き始めた。

それが今では、その活動に手をかすよ、と集まってきてくれている人たちが現れた。今月はクラファンを立ち上げる予定だ。超特急のように駆け抜けてきたわたしの人生の車窓に、ようやくゆっくりと人の顔が見え始めた。そして、わたしも人と繋がり始めた。

もうこれは奇跡なのだ。

そして、先を歩かれる井尾さんは、わたしと重なる思いを形にされてこられていた。もうそれだけでパワーをいただけた。嬉しかった。

わたしは当事者である女性が変わっていくのがいいと思っている。そのなんとも居心地のいのエミーさんの祝いの場で、そんな社会がきっと普通になる日が来ると思えた。

エイミーさん、ご出版おめでとうございます。


※最後までお読みいただきありがとうございました。


※スタエフでもお話ししています。


※現在女性の働き方を変える!プロジェクトで、今月はクラウドファンディングを立ち上げる予定で頑張っています。それのら協力するよ!という方は是非繋がってくださいね✨ 


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