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やっぱり人、なんだよね

今日はお昼を済ませ、朝ドラの再放送を母とみた。

「虎と翼」。毎回はみれないけれど、今日は間に合った。

よかった。


わたしときたら、母の隣で涙が止まらなかった。次から次へと涙がこぼれた。隣を見たら、母もポロポロ泣いていた。

今日は、虎のお母様の最後の日だった。


もちろん、ドラマ上の設定なのだけれど、虎ママがそこにいるだけで、説明なんかなくたって、そこに家族が描き出された。

うちのパパとうちのママが喧嘩して♪をもう何度耳にしたことだろう。

最初は、なに、この歌詞?と笑っちゃったけれど、あの歌こそが、あの家族のすべてだった。


今日は、亡くなる直前、虎ママが心残りに思っていた戦争孤児がやってきて、その子を虎ママがそっとハグした。一度は誤解して離れた孤児が虎ママにハグされた。そして、戦争孤児の道夫は、生涯の心の支えを貰った。

これだと思う。


人口減少とか、出生率0.9とか、そんな言葉を耳にするたびに気になる。そりゃ分かりやすいけれど、いつから人を数字で表す社会になったのだろう。

人が、虎ママのようであったなら、もう子どもを産むとか産まないとか、そんな数字から人は離れて、温かいところへゆったりと向かって行ける。


虎ママがいよいよこの世を去るという時、娘の虎はわんわん泣いた。いやだいやだとわんわん泣いた。

わたしだって、顔をくしゃくしゃにして泣いた。きっと日本中で、多くの人が顔をくしゃくしゃにして泣いていた。


ただ、あれは虎ママと虎じゃなきゃ駄目だった。

わたしの涙腺は安っぽくて、直ぐに全開になるけれど、それでも、今日のは違った。なぜって、今も書きながら思い出し涙がこぼれてくる。あんなシーン、なんて書いたらいいのか、言葉なんて見つけられない。

ただ、あれは虎ママと虎じゃなきゃ駄目だった。

あの二人だから、言葉にならないほどいいシーンになった。


わたしも、数年前、父とあんなさようならをした。わたしはかなりしっかりしているけれど、父にだけは甘えん坊で、父がいなくなったら生きていけないと本気で思っていた。

けれど、こうして今はけろりと生きている。それは、父が最後に教えてくれたから。こんな風に生きて、こんな風にさよならするんだよって。


人とのお別れが宝になるなんて思いもよらないことだった。

わたしは、父と会えてよかったと、今も心から思っている。


今日のシーンは最高だった。

虎も家族も、そして戦争孤児の道夫も、これからちゃんと生きていける。

人とのお別れは宝になる。

そして、あのシーンが、虎ママと虎でよかった。


人って、なんて温かいんだろう。


※最後までお読みいただきありがとうございました。


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