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「株式会社」について考えた日


今日は、朝から記者会見の模様が流れていた。あのジャニーズ事務所の会見だ。

今回、性被害にあわれた方々は男性だけれど、そんなことに性差は無い。

こんな時に思うのは、社会全体を包み込むような圧を創り出す装置を生み出せる人がいるということ。何も知らずに、そんな中に飛び込んでしまった人たちがその場で何もできなくなるのは、戦争映画などをみていてもよくわかる。

そんな場に居合わせた時の犠牲者ほど、無力なものはない。誰も助けてはくれない。おまけに、口外するなと圧がかかる。しかも、そこにいたのは幼い人たちだ。

わたしは日本メディアが報じる以前に、BBCの記者が制作したのジャニーズ関連のドキュメンタリー映像をYouTubeで観た。よくぞ取材して下さったと思った。こんな時は外からの声が世の中を変える。


ただ、こうした事件はどこにでもある。報じられるか、報じられないかだけの違いだ。

だからメディアには変わってほしい。

以前、映画『SHE SAID』を観た。それは、2017年にニューヨーク・タイムズ紙が、超大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性的暴行事件の告発記事を出した実話だ。

そこから誰もが知る#Me Too運動がおこり、それが世界中に飛び火した。


☆   ☆   ☆

ただ、前置きが長くなってしまったけれど、今日書きたいのは「会社」についてだ。

記者会見での新社長発表が気になったから。

ジャニーズ事務所は未上場会社だ。

そして、藤島ジェリー景子氏がその株を100%持っている。

「会社法」では、

過半数の株を持っていれば、その株主は取締役を選任することが出来るとある。

ここでは、その権利を持つのはジェリー氏一人。

つまり、ジェリー氏は自分の好みの人を取締役として選ぶことが出来るということ。

「会社」が取締役を変える時、やるべきことがある。

つまり、ジェリー氏はこの記者会見の前にしておかなければならないことがあったということ。

それが株主総会だ。

恐らく、ジェリー氏は記者会見の数週間前に「一人臨時株主総会」を開き、

そこで社長を東山氏にした。

そして、ジェリー氏は今も取締役の一人であり、代表権を持つ


では、なぜ臨時の株主総会を開くのか。

それは、取締役の変更には「登記」が必要だからだ。

その登記をするためには、株主総会の「議事録」が必要なのだ。

その「議事録」をジェリー氏は「一人臨時株主総会」で作り、それを登記した。


これはつまり、会社の株を100%一人の人が持つということは、何人従業員がいても、その会社はその株主の思い通りになるということだ。

つまり、ガバナンスが効かない会社であるということだ。

時を同じくして、損保ジャパンの社長が退任した。こちらも大スキャンダルになったけれど、こちらは上場会社だ。上場会社は株主のいうことは絶対だ。しかも、海外の株主は物言う株主が多い。会社の中で反社会的な行為があった場合決して許されない。だから社長が退任となった。

これから就活を考える若者は、是非このことを覚えておいて欲しい。

なぜ非上場会社の社長はワンマンでいられるのか、よくよく確かめる必要がある。

といっても、近頃は、会社は株主だけのものではなく、ステークホルダーのものという考えもある。

そのステークホルダーには、株主だけでなく、その会社で働く従業員や、ジャニーズファンである消費者、そのジャニーズを起用する企業など、幅広く事務所に関係する人たちが入る。

ならば、今後、この会社がステークホルダーの力で変化することを期待したい。


※最後までお読みいただきありがとうございました。


※スタエフでもお話ししています。

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