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【介護】母は、もう家族

どんなに忙しくても、わたしは台所に立つ。いや、今では、台所に立つ運命にあると思っている。

朝は、夫にあわせて6時台に朝食を摂り、

夜は、母にあわせて5時~6時台に夕食をとる。


「朝は食欲が無いの」

と、母は実にマイペースで、毎朝、朝ドラの後でご飯を食べる。

一緒に食べてくれるとどれほど助かることか、と思うけれど、

「朝は食べられないの」

と、まるで少女のように、柔らかく、けれどしっかりと、自分の意思を通す。


母は正直者だと思う。

恐らく、思ったことしか口にしない。いや、恐らく9割ほどが思ったことだと思う。まあ、時には、わたしたち家族に遠慮があって、お世辞を口にする時もあるかもしれない。残念ながら、わたしには見抜けないけれど笑。

その正直者の母には、友達がいる。

意外と多い笑。

先日、そのお友達からお野菜が送られてきた。

手作り野菜だという。何もかも、実に新鮮だ。

そのもぎたてのナスで夕飯を作った。

鶏肉をフライパンで炒め、

鶏肉を取り出したそのフライパンに、

オリーブオイルをたっぷり加え、

乱切りにしたナスとズッキーニとみじん切りのニンニクを入れて炒める。


大きな土鍋で温めたこちらのトマトソースに、鶏肉、野菜を次々と投入。

最後にナチュラルチーズ一袋を、ザザーっと加えて出来上がり。

だいたいわたしの料理は15分~20分。

母はこれに、味噌汁を少々と、ヨーグルトを少々。

まるで小鳥の餌のような量だけれど、それで十分だという。



ただ、母は味にうるさい。

我が家に来たばかりの頃は、決して味にクレームなどつけなかったけれど、人間、変わるものだと思う笑。

今では、想像した味でなければ、ぬぬ?という表情をして、不満げに一言二言が必ずある。

仕方ない、母は台所仕事に誇りを持って生きてきたのだ。もう今では台所には立てないけれど、きっと譲れないものがあるのだろう。


先日は、そうめんでひと悶着あったけれど、母に鍛えられたわたしは、以来、そうめんで一度もしくじっていない。

そして、今夜の夕食はOKだった。デルモンテさん、ありがとう。

もちろん、母にはデルモンテ使用は内緒だ。


昨夜のビーフシチューは、

「あら、ジャガイモがちょっと固いわね」

と何度もいっていた。

「ごめんね!朝から煮込んでいたけれど、最後がバタバタだったのよ」

と言っても、

「あら、こっちのジャガイモも、ちょっと固いわね」

と口にしていた。

だから、、、、聞こえてるってば


そして今夜はOKだった。

ありがとう、デルモンテさん!


いつからだろう。母が普通の顔で文句を言うようになったのは。

ちょっとイラっとすることもあるけれど、それでも、文句が言えるようになったということは、母も我が家の家族の一員になったということなのだろう。


母の友達から送られてきた野菜が、冷蔵庫に溢れている。

それにしても、母には友達が多い笑。


※最後までお読みいただきありがとうございました。

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