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当たり前だけど、自分で決める。
先日、知人と話していて占いの話になった。どうやら、頻繁に占いにいかれているらしい。
「どんなところに行っているの?」と問うと、都内には占い専門の館が何カ所もあり、予約なしでも沢山の占い師さんが常駐されているという。それだけじゃなく、電話占いもするし、ネットでおみくじ占いもしているという。
「深刻な悩みでもあるの?」と尋ねると、ちょっとした胸のざわざわをそのままにしたくなくて、占いを利用しているのだという。
そういえば、日本では、女性はセラピストよりも占いに行くという話しを、カウンセラーの方に聞いたことがある。
そういうわたしも、占いにハマり、占いに明け暮れていたことがあった。
美容室で読んだ雑誌の占いの記事をきっかけに、近くの駅ビルの占いに、吸い寄せられるように通いはじめた。
酷い時には一週間に数回出かけて行った。どうしてこの人は、これほどまでに、わたしの過去を当てることが出来るのだろうと不思議でならなかった。
当時のわたしの人生は、もつれにもつれ、そんなバカなと思うほど、次から次へと絶望的な出来事がやってきた。
そんな出来事が重なっていくごとに、全ての出来事が一つに繋がっているようにしか思えなくなった。
しかも、その複数の絶望的な出来事の中心にいるのがわたしなのだ。
だから、冷静に考えればそんなはずはないのだけれど、それでも、自分が悪いとしか思えなくなった。
けれど、その占い師さんは、同時に起こった出来事の一つ一つに、関わるそれぞれの人の人生があって、それぞれの人の事情があったことを解き明かしてくれた。
最初は信じられなかった。
まさか、映画や小説じゃあるまいし、人がそんなひどいことを考えたり、行動に移すだなんて、と。
けれど、その占い師さんが口にする言葉は、わたしの過去の絶望的な物語に欠けていたピースを埋めていくのには十分過ぎた。それから徐々に、わたしの人生で通り過ぎた過去の物語が、占いで再生されていった。
それが、恐ろしく当たる。
それなのに、わたしはその占い師さんが怖くなった。あまりに当たり過ぎたから。そして、あまりに話し過ぎてしまったから。
そんな頃、わたしは二人目の占い師さんと出会った。その方のご専門は八卦だった。八卦はばちばちと当たる。その占い師さんのお考えと、八卦の答えはいつも違っていた。けれど、その八卦は見事に当たる。
だから、小説やドラマのような出来事が、自分の人生に起こっていたことを認めない訳にいかなくなった。
そこから、人がさらに恐ろしく思えてきた。
それほど人という生き物が残酷な仕打ちができるのであれば、わたしはもう外には出ないと口にしたこともあった。けれど、その占い師さんは、社会とはそんなものだと知ったうえで、それでもあなたはこれから外に出なければ駄目だと言われた。
そんなふうに身銭を切りながら、わたしは二人の占い師さんの元に1年程通い詰めた。今から思えば、わたしはそのお二人から、誰にも教わったことのない人間学を学んだのだと思う。
占い師で有名な脚本家の中園ミホ氏は面白いストーリーを書かれる。それは、彼女が人の本質をご存じだからなのだろう。人の強さも、弱さも、潔さも、醜さも、強欲さも、謙虚さも、全て知ったうえで書かれるのだろう。だから、物語は思わぬ方向へと展開することがある。面白い。
占いとは、曇りのない目で相手と向き合いつづけた人が、やがて、人の本質を見抜く力を身につけられる、ということなのだろう。
知人と同じく、わたしも心がざわざわする時がある。けれど、わたしはもうあの日のように占いには行かない。今は、このnoteに書かれている生まれ月占いを読むだけだ。
今から思えば、あの一年は、心療内科へ通ったほどの、意味のある濃い一年だった。何よりも、自分を知ることができた。そして、わたしは、彼女たちの人間考察データーに救われ、それを学び、通院することなくまた外へ出られた。
けれど、わたしはある日、ふと、もうわかったという気がしたのだ。
人生には良い時も、どん底の時もあって、そのどん底で人は何かを掴まなきゃいけない。
うまくいくことばかりが成功じゃないことも、失敗が挫折でもないことも、うまくやっている人が幸せでないことも、人と繋がれている人は幸せな人だという事も、感覚でわかるようになった。
だから、今は問題は自分で考えたい。
自分で考えて失敗したときは、それは失敗のデーターとして置いておけばいい。その悔しい気持ちが染みついたデーターは、いつか必ず自分の役に立つはずだ。
そして、もう一つ、占いで信じたことは、
過去に自分が話したこと、過去に自分が取った行動は、永遠に消えてなくなることはないということ。それこそが、事実なんだということ。
占いで、わたしは沢山のことを学んだ。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
※スタエフでもお話ししています。
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