見出し画像

自由ってなんだろう

上手く言葉にできると思い込んでいることがある。けれど、どうだろう、当たり前だと思っていることほど言葉にはしにくい。

そんなものほど説明することが難しい。

わたしはソシオロジ―・コミュニケーターとして、そうしたもやっとしたものをきちんと捕まえて、分かりやすい言葉に開いて届けたいと思っている。


今日は、昼、蕎麦屋でランチセットを注文した。

ザル蕎麦とかつ丼のセット。

もう昔からあるお店だ。

わたしたちは、忘れた頃に思い出し、立ち寄る。

「ビールはどうする?ビン?ナマ?」

と、わたしより10歳は年上と思われる女性が歩きながら尋ねる。ぶっきらぼうな人というのが毎度の印象だ。

土曜日の昼下がり、その人は、男の子とお父さんが座る席を一つ置いて、わたしたちを座らせた。

客は店内にたったの2組。

もっと離してくれたらいいのに、と思いながら座る。これでは互いの会話が丸聞こえだ。


わたしは運ばれてきたランチセットを食べ始めた。

静かな蕎麦屋の店内にラジオの声が響き渡った。

誰も話していない。

文化放送だった。

わたしはアプリのラジオで毎日liveしているけれど、実はあまりラジオを聞いたことがない。

すると、実にしっかりした内容が話されていた。

蕎麦をすすりながら、それを黙って聞いていた。


渋谷で香港に自由をという抗議活動があった

そんな話しだった。

香港では自由を手放さないという意味の歌があったけれど、それが正式に禁止になったという。


わたしたちは、ラジオを聞きながらかつ丼を食べた。


東京大学でも香港の民主主義を支持する人たちが集会を開いたそうです、という。

その話しの後で、

アムステルダムで日本女性の学生の談話が紹介された。

その学生は、確か、

ガザの件でデモに参加していたけれど、そこに警察が踏み込んできたという。

その女性は、ヨーロッパであれば、人権が守られていると思ったのに、初めて両手を上げさせられて衝撃を受けた

そんなストーリーが語られていた。


その中で、

ジャーナリストが、自由について話された。


こんなラジオもあるんだなと聞きながら、ランチセットを完食した。

支払は現金のみ。

ご夫婦で営まれていると思われる昔ながらの小さな蕎麦屋だ。


わたしも、自由についてならまあまあ考える。

実は社会人哲学サークルに入れて頂いたばかりで、初回のテーマが「自由」なのだ。

課題本も決まっていて、そのテーマに関するYouTubeも教えて頂き、なんとなく課題本が読めるような気がしていた。

けれど、文化放送に出演されていたジャーナリストの一言が、その後電車の中でもずっと頭に残った。

その人は、

自由とは、その国で誰もが迷惑に思わないことを、したり話したりすることじゃないでしょうかね

と言われた。

言葉じゃ強すぎる時がありますからねとも。


ほらほら、混乱してきたぞ、と思った。


ぼんやりとしたものを哲学書的に語ると、ちょっと弱い気がする。ルネッサンスも、宗教改革も、なんだか弱いなと感じてしまった。

こうした日々の事例をあげて、そこに言葉をはめ込むと、ぼんやりとした言葉が動き出す。


自由を求めている人たちを救いたいと動き出した学生が警察に連行された。

自由とは、その国で誰もが迷惑と思わないことをしたり話したりすること。

だからその人は一時、不自由になった。

確かに、言葉も歌も強いんだなと思った。


言論の自由なんて軽々しく使われるような気がするけれど、


そうか、自由は不自由の隣の言葉なのかと、いまさら思った。


課題本は6月に入ったら読もうと思う。

それまでつらつらと自由についてアンテナを高くしておこうと思った。




※最後までお読みいただきありがとうございました。


※5月26日大阪で小さな講演会を開きます。ご興味のある方は!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?