【Sky日記】 2020年7月-8月
2020/07/07
アップデートが行われ草原の鳥のすみかのエリアの奥に楽園の入り口が現れた。まだバリアで守られていて中に入れないけれど、待ちきれずみんなで見にいった。入り口の前の浮島で眺めながらどんな季節になるだろう、どんなアイテムがくるだろうと話していると、向かい側の浮島でも数人の星の子たちがおしゃべりしている。どうやらあちらも入り口を見にきておしゃべりしていたらしく、花火をあげるとエモートをしたり花火をあげ返して応えてくれた。みんな楽園の季節が待ちきれないようだった。
2020/07/13
忘れられない友達がいる。Yueという中国の子で、僕より少し早く生まれてYuと仲が良かった。後から来た僕とも仲良くしてくれて、お互い白いケープがほしくてハート集めを頑張っていた。白いケープをもらうための最後の一つのハートをくれたのがYueだ。
楽園の季節が始まるころ、中国のフレンドたちが口々に「ゲートを潜っても別のエリアに行けない」「ホームの火種しか集められなくてキャンドルが集められない」と言うようになった。どうやら中国の星の子たちは、日本の星の子たちがいるSkyでは遊べなくなってしまったらしかった。僕が雀のころに知り合ったほとんどのフレンドは中国の子だ。次々と星座版の星が光らなくなった。Yueの星も、だんだんと光らなくなっていった。
この日、楽園の季節が到来して、早速エリアに遊びに行き、待ちわびていたマッシュヘアをもらった。白いケープ、中性的な髪型、マンタのペンダント。ホームに戻るとYueの星とYuの星が光っていて、やっと自分らしい星の子になったよと言いに行った。二人とも似合ってるよと言ってくれた。Yueが3人で記念写真を撮ろうと言って、ホームの夕焼けを背景に3人で写真を撮った。
Yueが、「これから、こちらのSkyには来れなくなると思う」と言った。頭のどこかで、今は不具合がたくさんあるけどどうにかなるだろうと考えていた僕はびっくりして、ああ前みたいにみんなで遊べることはもうないのか、星座盤の星はもう光らないのかと気がついた。Yuはすごく悲しそうだった。最後にYueがピアノを演奏をしてくれた。Yueが途中まで僕に譜面を教えてくれた曲だった。僕の星座盤の星座のひとつには「また会いたい」と名前がついている星座があって、Yueの星もそこにある。
2020/07/17
マッシュヘアをもらって、サンリオのキキになれるようになったので、Yuとキキララの格好をして遊ぼうということになった。キキララの世界に合う場所はどこだろうと考えて、方舟が選ばれた。最初は何もなかった方舟も、今では魔法のお店が並び花が咲いて蝶が飛んでいる。ふたりで写真を撮りながら魔法のお店で買い物をした。
2020/07/25
Myraとクエストをやった。一番上の滝のところで下を眺める。楽園は広いなあ。
2020/07/27
捨てられた地の、暗黒龍がたくさんいる戦場エリアで大闇を一緒に焼いてからフレンドになった星の子がいる。いつもイタチ面の漂流者の髪型と何かしらのヒゲをつけていて、チャットは解放せずにエモートで遊んでいた。言葉を交わしたことはないけど、なんだかいつも楽しい子だった。ある日ホームで会って、これから原罪に行くから、またねとエモートをして暴風域の門をくぐったら、なんとついてきた。びっくりしながら一緒に行く？とエモートで聞くとうんうん、レッツゴーと言うから、こりゃあ責任重大だなあと思いながら手を引く。無事に暴風域と原罪を抜けて天空まで行くことができた。ちょっと悩んで、でもせっかくだから少し話してみたいと思って、光のベンチに案内した。どきどきしながら挨拶して、韓国の子で名前はJiminだと教えてくれた。捨て地の大闇を焼いてからずっと気になってたんだと言うと、私もだよ！君が上手に大闇を焼いていたから、ずっとプロフェッショナルマッシュって呼んでたんだと言われた。さすがのネーミングセンス。結局チャットは解放せず、爆笑しながら転生した。
今、Jiminの星は僕の星座盤の「また会いたい」という星座の中にある。Jiminの星は、夢かなう季節を境に光らなくなった。
夢かなう季節で、舞い踊る表現者の帽子が韓国ルーツのものか中国ルーツのものかという激しい議論が巻き起こった。自国の伝統的なものが、影響力のあるところから他国の伝統的なものであるとアナウンスされたら、それは見過ごせない問題だと感じるのは当然だ。韓国のユーザーも、中国のユーザーも困惑し、怒りを抱いていた。運営の対応、それから代表の対応も波紋を広げるものばかりで事態は収束するどころか加熱していく。Jiminはその渦中で、一連の騒動から「Thatskygameは私のアイデンティティを軽んじていて、賛同することはできない。もうこのゲームをプレイすることはできない。」と結論づけたようだった。
日々、SNSで批判的な意見が飛び交うなか、僕は事態を把握するので精一杯だった。ホームの舞い戻りの像の近くにJiminのメッセージボートがあるのに気がついたとき、嫌な予感がして僕はきちんと読まなかった。今そのことを後悔している。さよならを言えないまま、JiminはSkyを訪れなくなった。
あの季節で、僕は何人かの韓国のフレンドを失った。彼らは皆、自分のアイデンティティについてきちんと主張を持っていたのだと思う。SNSではさまざまな主張が飛び交っていた。日本人のつぶやきには、「問題に関してはどちらの国につくこともできないけど、中国人のつぶやきは攻撃的なものが多く、それを見ていると韓国側につきたくなる」というようなつぶやきも散見された。中国と韓国ではユーザーの母数が違う。同じ割合で攻撃的な人間が紛れていたとして、人数にすると中国の方が多くなるのだから、それはとても差別的な意見だ。国民性の違いや解決できない摩擦を抱えながら、それでも手を繋ぐ方法はないのだろうか。あの問題でSkyというゲームがハリボテの楽園か、その本質が本物なのか、問われていたと思う。そしてあの時、その本質はSkyが謳う理想とは程遠いものだったと思う。
2020/07/29
楽園で、精霊の解放に手こずっている雀を助けた。ベンチで話すとベトナムの子で、アリスと呼んでと言った。更新時間にログインするとすぐワープしてくるようになり、毎日キャンマラを一緒に走るようになった。これはキャンマラの途中で虹を見かけたところ。
2020/08/15
アリスが峡谷の裏世界に行ってみたいと言ったので案内してあげた。誰かがかけた虹が見えた。
2020/08/18
アリスが、草原の神殿にニコニコマークのキャンドルがあるの、知ってる？と聞いてきた。ニコニコマークのキャンドル？？？僕が知らないキャンドルがあるのだろうか？草原のキャンマラの時に教えてと言って、ぐるりと草原を回って最後、神殿の裏のキャンドルのところでこれだよ！という。知らなかった！ほんとだ、上からみるとちゃんとニコニコマークだ。
2020/08/22
絵を描きたいなと思い、大精霊でも描こうかとログインしたらMyraに会った。これから峡谷の大精霊を見に行くんだというと一緒についてきてくれた。
2020/08/14
夜、アリスが「書庫のBonsaiを見に行きたいの」と言った。盆栽？？？そんなものあったっけ？？？
検索してみると、なるほど、書庫で精霊を解放すると出てくる木が普段は小さくなって地面に埋まっていて、それを見る方法があるらしかった。当たり前だけど、詳しいやり方はどこにも書いていない。裏世界に行くルートや方法、一風変わったものを見る術というのは、一体どうやって見つけたのか、どこかの星の子が発見して方法を編み出して、それが脈々と先輩の星の子から伝えられる。本当はいけないことかもしれないし、ゲームにどんな影響があるかわからないし、内緒でねという前置きをして、コソコソと迷惑にならないように遊ぶ。困ったなあ、盆栽を見る方法は僕は習ってないぞ。でも僕も随分と成長した星の子になったらしく、いくつか地面に潜る方法が頭に浮かんだので、とりあえず行ってみた。どうにかこうにか、焚き火やチャッテの魔法を駆使しながらやっとの思いで盆栽を見ることができた。氷でできたような繊細な木の、精巧なミニチュアだった。とても綺麗だった。
2020/08/26
Yuと大精霊の部屋へ行った。おんぶを解放して、おんぶロケットが使えるようになり、失敗したり迷ったりしながら無事に辿り着いた。四方を壁画で囲まれた空間に大精霊全員が並んでいる。ゆっくり壁画を見たり、精霊さんを眺めたりした。
壁画をじっくり見ていると、戦争の様子が描かれていることに気づく。思い返せばSkyのいたるところに戦争の爪痕らしきものがあった。Yuが、「これまで精霊さんって優しいものだとばかり思っていたけれど、そうではないのかもね、もしかしたら残酷な一面があったのかもしれない。人間の大人のように、子供には優しい一面だけを見せるようなところがあって、その一面ばかり見ていたのかもしれない」と少しショックを受けたように言っていた。滅亡した精霊たちの王国の歴史は、どのようなものだったのだろう。
Yuが「書庫様はこんな寂しいところにずっといたんだね」と言った。
2020/08/27
アリスが「ピンクの雲海を見れる場所があるの知ってる？」と言って連れて行ってくれた。晴れ間の一角から下に潜り、裏世界へ抜けるとピンクの雲海が広がっていた。アリスは僕よりずっと地面に潜るのが上手くなっていて、出会った時は雀だったのに、随分と成長したなあとなんだか感慨深かった。
2020/08/31
デイリークエストが瞑想の時、密かに楽しみにしているのが雨林のケープがトレードマークの師匠のコメント。この日は確か「寂しいと感じている人がいたらどうしますか」というようなお題だったと思う。師匠は「かごめを弾きながらにじり寄る」らしい。他にも捨て地の戦場での「多様性を大切にする方法は？」という瞑想では「そうですね、他人を大切にするにはまず自分を大切におっとエビがこちらを見ていますねまずいですうわああああ」とどうやらエビに攻撃されたらしかったし、雨林の「憧れの職業は？」という瞑想では「たんぽぽを乗せるお仕事です」とコメントしていた。何に乗せるんだろう。
「気づかないほどの速さで真横に移動し、静かに座ります」
笑。
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